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□NHK不祥事 職員逮捕、見送りのボーダーライン [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2794762/detail
NHK不祥事 職員逮捕、見送りのボーダーライン
またNHKの組織から犯罪者が出た。フィギュアスケートの国際大会「NHK杯」の運営費150万円を着服していた関連団体の元職員が警視庁に逮捕されたのだ。
業務上横領で捕まったのは「NHKサービスセンター」の元職員、土山桂(38)。土山は大会当日、入場券の販売など出納業務を担当しており、今回の容疑のほか、01年1月からの約5年半の間に計600万円を着服した疑いもあるという。
着服したカネは、借金返済や飲食代に消えたようだが、土山の逮捕を不思議がる関係者も多い。なぜならNHKには「皆さまの受信料」をネコババしてきた不良職員がゴロゴロいるが、逮捕されるのはまれだからだ。
NHK内部には、警察沙汰に「する」「しない」のボーダーラインでもあるのか。
「ズバリ、不祥事のレベルが『個人犯罪』か『組織犯罪』かで、対応が違うと思います」
こう語るのは、NHK元職員の立花孝志氏だ。
「別の職員や上司が芋づる式に捜査・逮捕される恐れがあれば、告訴を見送ってしまうのです。04年10月に音響担当職員が自分で作った番組テーマ曲を外部に業務委託したように装い、1240万円を着服したのがバレましたが、告訴されませんでした。外部の音楽プロダクションや伝票をチェックした上司、その上の理事クラスにも捜査が及ぶ恐れがあったのです。ソウル支局長が4400万円もの経費を水増ししても事件化しなかったのも、そのためです。この件は、前任者や後任者も同じ手口を利用し、エリートコースの政治部出身者も関わっていました。NHKは着服金の弁済すら求めていません」
放火犯や万引現行犯はともかく、NHKが自ら進んで不祥事を表沙汰にしたケースは数えるほどしかない。情報がリークされ、週刊誌に書かれそうになって、慌てて公表するものばかりだ。
今回の逮捕は、いわばスケート連盟の背任事件から飛び火したハプニング。「運が悪かった」と関係者が考えているなら、NHKの病状は重い。
【過去2年間に発覚したNHK職員の主な不祥事】
●着服 06年4月 報道局スポーツ・チーフプロデューサー 01年から5年間でカラ出張を繰り返し1762万円着服
●放火 05年11月 大津放送局記者 連続放火事件を起こし逮捕
●痴漢 05年4月 番組制作局ディレクター横浜市走行中のJRで女子高生の下半身を触り逮捕
●着服 04年12月 「紅白」チーフプロデューサー 6230万円の制作費着服で逮捕
●着服 04年10月 製作技術センター音響担当職員 制作費1240万円を着服し懲戒免職
●水増し 04年8月 ソウル支局長 93年から97年の間、取材経費4400万円を水増し請求
【2006年11月28日掲載】
2006年12月01日10時00分
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