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□朝日が描ききれなかったネットカフェ生活者の「不安定」 [JANJAN]
http://www.janjan.jp/media/0611/0611275453/1.php
朝日が描ききれなかったネットカフェ生活者の「不安定」 2006/11/28
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11月2日、朝日新聞夕刊に「現住所 ネットカフェ 都会の家なきフリーター」という記事が掲載された。ネットカフェを転々としながら派遣の仕事をこなす若者の実態を描いたものだ。こういった若者の実態を全国紙に掲載したことには意味があると思う。だが私はこの記事に不満がある。
まず記事中では、日本複合カフェ協会会長である加藤博彦氏の説明として、「料金がサウナやカプセルホテルより安く、フリードリンクなどの特典もあって、都市部で特に宿泊利用が増えている」と書いている。だが本当にネットカフェはカプセルホテルより安いと言えるのだろうか。
一般的なカプセルホテルのチェックイン・チェックアウトの時間は、午後3時から翌朝10時までの19時間である。記事中にあるような「3,000円前後」のカプセルホテルであれば1時間あたりの料金は約160円になる。仮に午後7時から翌朝7時までの12時間だけ利用したとしても、1時間あたり約250円となって「5時間1,500円」のネットカフェよりもはるかに安い値段となる(※編集部注)。
カプセルホテルの値段がネットカフェよりも高くなってしまうのは、終電から始発までのような短時間の利用をする場合である。
もちろん長時間使用する場合であっても、派遣労働で日当7,000円程度の収入の人間にとって、1泊3,000円のカプセルホテル暮らしは重い負担となるだろう。だから私はなんらかの事情で家を失ってしまったフリーターがネットカフェとカプセルホテルを併用することが不自然だとは思わない。
ネットカフェで1泊する場合の最大の問題点は、カプセルホテルのように長時間くつろげる「居場所」を得られないという点にある。
ひとつの事実を指摘したい。朝日新聞の記事中にあるように、午後10時に入店し、5時間で1,500円の「夜間パック」を申し込んだとしたら、パックの終了時間は午前3時になる。電車が走っていない寒空のもとに放り出されたら、そこから朝まで、どこでどう過ごすのか。
問題は朝だけではない。仮に仕事が定時の午後5時に終わったとして、そこから「夜間パック」が始まるまでの時間をどのようにすごすのか。夜の8時、9時を過ぎて開館している図書館は多くはない。ファーストフード店などに座り続けているのだろうか。それとも公園のベンチを利用しているのだろうか。そしてそれは当人たちの健康にどのような影響を与えるのか──疑問はつきない。そうした部分まで、もう少し踏み込んで記事を書いてもらいたかった。
朝日新聞の記事には、若者からのメッセージのなかから「不安定な生活を抜け出したい」という言葉が抜粋されている。しかしこの記事にはネットカフェ生活者がもつ本当の「不安定さ」とは一体何なのかが描かれていないように思う。私自身2ヶ月ほどネットカフェを転々とする生活を送ったことがある。その経験から疑問が残るものだった。
(長澤和裕)
◇
※編集部注
ネットカフェは大体、1時間400円程度、10〜15分刻みで100円程度の料金システムだが、多くは夜間5〜6時間で1,500円程度とする「パック料金」システムを採用している。
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生活困窮の若者、ネットカフェ転々 支援団体にSOSも(朝日)
http://www.asyura2.com/0610/hasan48/msg/327.html
投稿者 スタン反戦 日時 2006 年 11 月 02 日 14:10:39: jgaFEZzEmIsYo
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