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【総合面】2007年01月14日(日曜日)付
日航に2000億円規模融資 政投銀・みずほ、リストラが条件
経営再建中の日本航空(JAL)に対し、主取引銀行の日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行を中心とする取引金融機関が総額2千億円前後の融資を計画していることがわかった。JALは現在、人員削減や不採算路線の撤退などを柱とした中期経営計画の策定を進めており、各行は一層の合理化努力を条件に融資に乗り出す。運航上のトラブルなどで顧客離れに苦しむJALには金融市場から厳しい評価が出ていたが、この融資によって当面の財務問題は解決される見通しだ。
●再建へ財源手当て
JALは昨年7月、中小型機の購入目的で公募増資を実施したが、2千億円の計画に対して約1400億円しか集まらなかった。同社は3月に償還を迎える約1千億円の転換社債の償還資金の手当てが必要になっていることに加え、今後4年間で約7500億円の機体更新費用が見込まれている。市場や顧客の信頼を取り戻すためにも、その財源を手当てすることが再建の条件となっていた。
金融機関からの融資は2千億円規模が必要と見込まれ、主取引行が今後、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行をはじめとする大手行や地方銀行など10を超えるJALの取引金融機関に協調融資を呼びかける。多くの取引金融機関がこれまでのJALからの説明で、リストラを進めれば融資できる環境は整いつつある、と判断している模様だ。
運航上のトラブルや経営陣の内紛などが続いたJALは国内線を中心に乗客が減少し、本業の航空部門の業績不振が続いている。07年3月期連結決算では、保有資産の売却や厚生年金基金の代行返上益などで当期利益30億円を達成する計画だが、本業の立て直しが急務となっている。
そのためJALは2月6日に公表する中期経営計画で、(1)07〜09年度の3年間でグループ全体の約5%にあたる約3千人を削減(2)不採算の国内路線の縮小(3)東証1部上場の商社JALUX株や系列ホテルの売却、グループ企業の再編、などを盛り込むことを検討している。国内線へのファーストクラス導入なども決めた。
ただ、政投銀やみずほなど主取引行は「資産の切り売りでなく、安定的に利益が出る体質にならないと支援できない」との立場で、JALが黒字体質に転換するためにさらに徹底した合理化が必要としている。JALが実施中の基本給10%カットを上積みすることなどを求めている模様だ。
金融機関側は、JALの中期経営計画が最終的に決定した後、融資額を確定して実施する方針だ。人件費の一層の削減を求める金融機関側の要求をJAL側が受け入れるかどうかなど、2月の計画決定に向けてはまだ詰めの作業が残されている。
◆年内休止、11路線に
JALは13日、札幌―松本などの不採算の国内路線を新たに休止する方針を固め、すでに決まっているものも合わせると過去最多の11の定期路線を今年中に休止する方針を決めた。搭乗率が採算ラインを下回って回復の見込みがないことや、使用している古い機材が更新期を迎えたことが理由だ。
休止路線は次の通り。
【休止済み】高知―宮崎
【休止予定】札幌―三沢▽札幌―松本▽青森―福岡▽花巻―福岡▽仙台―神戸▽名古屋―新北九州▽中部国際―長崎▽神戸―熊本
さらに別の2路線についても地元自治体と調整を進めている。最終案は2月に発表する新たな中期経営計画に盛り込む。
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