モーニングスターのカテゴリー分類で国際株式型(運用期間1年以上、国外への投資が40%超で、株式の組入比率が70%以上、かつ債券、CB比率が10%未満)で不動産投資信託(REIT)を除くファンドについて調べてみました。2003年10月末を基準として国際株式・グローバル、北米、欧州、エマージング(エマージング以外は為替ヘッジなし)のモーニングスターインデックスの推移を示したものが図表(1)です。2006年6月の世界的な株安など、何度が軟調な局面もありましたが、全体的に国際株式型のファンドは堅調に推移しています。
図表(1) 国際株式型ファンド カテゴリー別累積収益率の推移 | | 出所:モーニングスター作成 |
国際株式型のカテゴリーに属するファンドで純資産額上位15ファンドを見てみると、顔ぶれは世界中の好配当株式に投資するファンド、いわゆる好配当株式ファンドが6ファンド、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)を中心とした新興国の株式に投資する新興国株式ファンドが9ファンド(内訳は、インド株式ファンド3本、中国株式ファンド3本、ロシア・東欧株式ファンド1本、BRICs株式ファンド1本、新興国各国に投資するファンド1本)となりました。好配当株式ファンドは、毎月または3カ月ごとに分配金が支払われることが人気を集めている原因のひとつであると考えられます。また、新興国株式ファンドは、中国やインドなど急速に成長する新興国の経済に対する期待の高さから資金の流入が続いているようです。新興国株式ファンドの中でも、インド株ファンドは3つのファンドが純資産額1,000億円を超えるなど、人気を集めています。
図表(2) 国際株式型ファンド 純資産額ランキング上位15ファンド | 評価基準日:2006年11月30日 | ファンド名 | 運用会社 | 純資産額 (百万円) | トータル リターン 1年(%) | 標準偏差 1年(%) | モーニングスター カテゴリー | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) | ピクテ | 1634944 | 31.1 | 9.53 | 国際株式・グローバル(F) | グローバル好配当株オープン | 大和住銀 | 306135 | 26.27 | 10.6 | 国際株式・グローバル(F) | 日興・CS世界高配当株式ファンド毎月分配型A(ヘッジなし) | 日興 | 171115 | 19.3 | 10.12 | 国際株式・グローバル(F) | HSBC インドオープン | HSBC | 127314 | 45.74 | 35.72 | 国際株式・アジア・オセアニア(F) | PCA インド株式オープン | PCA | 121678 | 43.83 | 30.46 | 国際株式・アジア・オセアニア(F) | 世界好配当株投信 | 野村 | 119267 | 20.34 | 7.69 | 国際株式・グローバル(F) | 野村 インド株投資 | 野村 | 105977 | 46.03 | 35.84 | 国際株式・アジア・オセアニア(F) | 三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド | 三井住友 | 85783 | 47.91 | 22.4 | 国際株式・アジア・オセアニア(F) | HSBC BRICsオープン | HSBC | 83320 | 35.24 | 21.63 | 国際株式・エマージング | ドイチェ・グローバル好配当株式型(毎月分配型) | ドイチェ | 75117 | 14.92 | 11.02 | 国際株式・グローバル(F) | アライアンス・バーンスタイン・新興国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) | アライアンス | 67129 | 25.38 | 22.87 | 国際株式・エマージング | グローバル・ハイインカム・ストック・ファンド | 野村 | 64357 | 17.21 | 7.6 | 国際株式・グローバル(F) | HSBC チャイナオープン | HSBC | 62708 | 56.44 | 24.91 | 国際株式・アジア・オセアニア(F) | チャイナ騰飛(チャイナ・エクイティ・オープン) | 大和住銀 | 59495 | 57.67 | 20.25 | 国際株式・アジア・オセアニア(F) | JPM ロシア・東欧株ファンド | JPモルガン | 56078 | 45.76 | 33.72 | 国際株式・グローバル(F) |
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| 出所:モーニングスター作成 ※不動産投資信託(REIT)を、主な投資対象とするファンドは除く。 |
次に、国際株式型ファンドについて地域別の投資比率を集計したものが図表(3)です。世界の2大経済圏である北米、欧州の組入比率は、それぞれ27.8%、36.5%と、当然のことながら高くなっていますが、アジア・オセアニアの組入比率が31.9%と北米よりも高い点は注目される点です。また、地域とは別に新興国への投資比率を算出してみると、組入比率が32.5%と、こちらも高い比率になっています。世界の株式市場の時価総額から考えると、日本の投資信託に組み入れられているアジア・オセアニア地域や新興国の株式の比率は、極端に高いことになります。新興国の株式市場は、経済成長への期待から値上がりが期待されている半面、先進国と比較して規模が小さく株価の変動が大きくなる傾向があります。そのため新興国株ファンドは先進国の株式に投資するファンドに比べ、リスクが高くなる傾向がある点には注意が必要です。
図表(3) 国際株式ファンドの地域別組入比率 | | 出所:モーニングスター作成 ※不動産投資信託(REIT)を、主な投資対象とするファンドは除く。 |
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