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【経済面】2006年12月30日（土曜日）付
株価不祥事が重荷 後半は回復傾向 金融市場この１年
０６年は、ライブドアや村上ファンドなど国内金融市場を巡る不祥事が世間を騒がせ、企業合併・買収（Ｍ＆Ａ）が過去最高を記録したことも注目を集めた。株価は不祥事による投資家の不信感が根強く、回復の足取りは重かった。為替市場は低金利の日本と欧米の金利差から円安基調が続く。低金利による円安が輸出関連企業の好業績を生み、株価を下支えする１年だった。（村山祐介、稲垣直人）
０６年の日経平均の推移と主な出来事
●ライブドアや村上ファンド
「取引所間の国際競争は勢いを増すが、チャンピオンを狙い頑張る」。東京証券取引所の西室泰三社長は大納会で、招待した大リーグの井口資仁選手の活躍に東証を重ねた。だが、その足元の東京株式市場の１年は、関係者の間で「伸び悩んだ」との評価が一般的だ。
国内企業の０６年３月期決算は円安を追い風に輸出関連企業が最高益を更新し、東証第１部の上場企業全体でも４期連続の増収増益。日経平均株価は年初、「２万円超え」への期待が高かった。
しかし、１月にライブドアの粉飾決算が発覚したのをきっかけに、東証マザーズなど新興企業向け３市場の株価指数はピークの４〜６割の水準に低下し、個人投資家に大打撃を与えた。その後、カネボウの粉飾決算で旧中央青山（現みすず）監査法人に業務停止命令が出され、村上ファンドのインサイダー取引事件も表面化。日経平均も１万４０００円台まで落ち込んだ。
出遅れ感の強い東京市場を尻目に、米ニューヨーク市場ではダウ工業株平均が１０月以降、史上最高値の更新を続ける。インド、香港、ドイツの１２月２８日の株価も、昨年末からそれぞれ約４７％、約３４％、約２２％上昇するなど欧州、アジア市場も好調だった。
ただ、今年後半から東京市場も「割安感」から回復傾向ではある。来年は、「夏の参院選で与党が負ければ外国人の買いが鈍り、相場低迷の可能性もある」（みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト）との懸念はあるものの、日米の景気の先行きを楽観的に見て、「長期上昇傾向が続く」（新光証券の申谷昇・エクイティ情報部長）との予想が多い。
Ｍ＆Ａも市場を刺激している。今年は王子製紙が北越製紙へ敵対的な株式公開買い付け（ＴＯＢ）を仕掛け、外資系ファンドによるＴＯＢも相次いだ。Ｍ＆Ａ仲介会社レコフによると、今年のＭ＆Ａ件数は１２月２８日までで２７６４件と過去最高に達した。再編がうわさされる企業の株式の売買が活発化しており、三菱ＵＦＪ証券の藤戸則弘・投資情報部長は「来年５月には（海外企業が株式交換で企業買収ができる）三角合併が解禁され、再編機運はさらに強まるだろう」と話す。
http://www.asahi.com/paper/business.html
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