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国際面】2006年12月29日(金曜日)付
ロシア、ガス紛争再燃か 値上げ、欧州に暗雲
【モスクワ=大野正美】ロシア産天然ガスの値上げ問題で、欧州に暗雲が立ちこめている。旧ソ連諸国の多くは大幅な値上げをのんだものの、ベラルーシとアゼルバイジャンは頑強に抵抗。特に、ロシア産ガスをベラルーシに供給するパイプラインは欧州まで通じている。31日までに交渉がまとまらない場合、今年初めのロシアとウクライナの紛争のような事態が再燃することが懸念されている。
ロシアから欧州への主な天然ガスパイプライン
外資主導の資源開発プロジェクト「サハリン2」に政府系天然ガス独占企業ガスプロムを強引に参加させたのに続く、プーチン政権の「資源外交」の表れだ。だが、豊かなエネルギー資源を武器に政治的、経済的利益をとことん追求するやり方は、国際社会の懸念や周辺国とのあつれきをさらに深めそうだ。
ベラルーシは連邦国家関係にあるロシアから1千立方メートル当たり47ドル弱の低価格で天然ガスの供給を受けてきた。これが、独裁的なルカシェンコ大統領のもとで社会主義色が濃いベラルーシの非効率な経済を大きく支えている。だが、ガスプロムは、07年から200ドルと4倍以上の値上げを通告、反発を招いた。
交渉の結果、ガスプロムはベラルーシのパイプライン管理会社の株式の半分を取得することを条件に105ドルに価格を下げたが、ベラルーシ側は拒否。ガスプロムは27日、妥結しなければ、来年1月1日午前10時(日本時間同日午後4時)からガスの供給を停止すると表明した。
ロシア産ガスの欧州へのパイプライン輸送でベラルーシ経由は2割を占める。ロシアがベラルーシ分の供給を停止する一方、ベラルーシが国内需要分を抜き取る事態になると、リトアニア、ポーランド、ドイツに影響が出る恐れがある。
ベラルーシ側では統合問題などでロシアの意のままにならないルカシェンコ大統領への圧力と受けとめている。
アゼルバイジャンも、110ドルから235ドルという2倍以上の値上げに強く反発する。とりわけ、ロシアと関係の悪化しているグルジアにカスピ海の自国産天然ガスを供給する方針を示したとたん、ロシアが値上げを通告してきたことが、アゼルバイジャン側の態度を硬化させた。
ロシア産ガスの購入をやめる可能性を打ち出す一方、アリエフ大統領はロシア主導の独立国家共同体(CIS)について「意味がなくなった」と強く批判。ロシアの2テレビ局の国内放映を打ち切るなど、関係の悪化が急速に進んでいる。
一方でロシアは、相手国との関係に応じてガス政策を微妙に変えてもいる。親ロシア的なヤヌコビッチ首相の内閣ができたウクライナには、中央アジア産のガスを混ぜて価格を安くする政策を継続した。
http://www.asahi.com/paper/international.html