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3週間、市場と溝埋まる?――年内利上げ、日銀総裁、発言に含み(アングル)2006/11/28, 日経金融新聞, 1ページ, , 827文字
「我々と市場の判断が一致しながら、我々が政策措置をさらに先送りする理由があり得ない状況がいずれ来る」。日銀の福井俊彦総裁は二十七日の記者会見で述べた。十二月の金融政策決定会合までちょうど三週間。市場と日銀の判断は一致するのか。
市場では足元で弱含んでいる消費関連指標や不安定な株価などを理由に「十二月の利上げは時間切れ」との見方が少なくない。金利先物相場をみると来年三月までの利上げ実施についても心もとない水準だ。だが三週間という時間が日銀と市場の判断のズレを埋めるのに短すぎると考えるのは早計だろう。
七月十四日に日銀がゼロ金利政策を解除した三週間前。一万四〇〇〇円台前半まで下落していた日経平均株価は一万五〇〇〇円の大台をようやく回復したが、市場では七月の利上げは困難との見方が大勢だった。しかも福井総裁の村上ファンドへの資金拠出問題も重なり、七月解除について市場の見方は真っ二つに割れていた。事態が急展開したのは、七月三日に発表された企業短期経済観測調査(短観)での景況感の好転だった。
「ゼロ金利政策を解除した際に、マーケットの期待は意外なほど短期間で収束することがわかった」。短観の結果などから一気に「七月解除」に傾いた市場をみて、ある日銀幹部はこう分析している。市場の期待形成にそれほど長い時間は必要ないとの見立てだ。
十二月も、決定会合直前の十二月十五日に短観が発表される。福井総裁は七月の決定会合の約三週間前の講演で「早めに、小刻みに、ゆっくりと政策対応していく」と述べ、利上げへの“地ならし”を本格化していた。
「金利の調整は景気拡大の芽を摘むものではなく、むしろ息の長い拡大実現につながる」「息長い成長の流れは不変」「いずれ賃上げ圧力が強まるだろう」「(利上げの)いかなるタイミングも排除しない」――。いずれも二十七日の福井総裁の発言だ。少なくとも総裁の語り口に、十二月の利上げは困難との考えに傾いた形跡は見あたらない。(亀井勝司)