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□<調理レンジ>東京電力、東京ガスがCM合戦 軍配は? [毎日新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061122-00000048-mai-soci
<調理レンジ>東京電力、東京ガスがCM合戦 軍配は?
東京電力と東京ガスが家庭用調理レンジのCM合戦を繰り広げている。ともにライバルにはないメリットを強調し、生活スタイルの一新をアピールしているが、便利さや経済性の優劣はよく分からない。さて軍配はどちらに? 【野島康祐】
先んじたのは東京電力だった。家庭で消費するエネルギーをすべて電化する「Switch!」(スイッチ)というコピーで、2004年春からPR展開を始めた。
これまでに、女優の鈴木京香さんらを起用したテレビCMを17本制作した。最新作(IHクッキングヒーター)では新たに90年代のテレビ料理番組で活躍した道場六三郎さん、坂井宏行さん、陳健一さんを起用。強い火力が必要な「和・洋・中」料理も難なく作れる機能を売り込んでいる。
CMの効果か、管内(関東1都6県)の総電化率は05年度で5万6377世帯となり、5年前(4432世帯)と比べ12倍に急上昇した。06年度も前年を上回るペースだ。売れ筋のレンジは20万〜30万円台で、東京ガス(5万〜25万円)よりも高めだが、温室効果ガスの削減を目指した京都議定書の発効(05年2月)も追い風になったようだ。
東電は「お客さんにはまだ、電気代がかさんだり、火力が弱いのでは、という誤解がある。IHヒーターは経済的で、安全なことをもっとPRしていきたい」(広報部)と勢いに乗る。マンション業界も電化の風潮には敏感で、長谷工コーポレーションのマンションの総電化率は現在30%、毎年上昇し続けている。
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一方、東京ガスの営業エリアは東京電力とほぼ重なるので、IHヒーターの普及は即、東京ガスの顧客喪失を意味する。最もポピュラーなテーブル型コンロの販売台数は02年度8万2000台だったのに対し、05年は6万5000台と20%も下落した。
東京ガスは「ガスパッチョ」と題したイメージ戦略で、今年1月から織田信長やガリレオ・ガリレイら歴史上の人物を、俳優の妻夫木聡さんの部屋にタイムトリップさせるコミカルなCMを展開してきた。しかし、顧客の流出が止まらないため、よりメッセージ性の強いCMを10月下旬から流し始めた。
ここでは、妻夫木さんと彼女役の女性が2人で「何か、おいしそうじゃん、火って。鍋ふったりできるし」と、IHヒーターの弱点を指摘したり、「本物の炎じゃなくて、どうやって料理してるんだろうね?」と挑発、炎の温かみを訴える。CM冒頭のテロップでも「オール電化にした人は気にしないで下さい」と切り捨てる大胆さ。東京ガスは「システムキッチンでIHヒーターを入れたら、まず後戻りはできない。高い買い物です。後悔してほしくない」(リビング営業部)と語る。
過熱気味のCM競争だが、大手広告代理店幹部は「両社のCMとも経済性や安全性のメッセージが薄く、どちらのレンジがメリットがあるのかが分からない。米国流の比較広告だったら、もっと厳しく、相手の欠点や非効率さをこき下ろして、自社製品の優位性を訴えるのだが」と、不完全燃焼ぶりを指摘する。
たき火やアウトドア生活に詳しい「夕日評論家」の油井昌由樹さんは「なぜ電気がよくて、なぜガスが勝っているのか、の説明がない。便利な道具は使ってみたいが、効率的な生活をするために料理をするなんて、生きている意味がない」と話している。
(毎日新聞) - 11月22日11時4分更新