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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu132.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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利用者に安心を売る生命保険会社が、利用者の自殺を促すような
ビジネスを支援していいのかどうか。 命より利益を優先した生保
2006年11月20日 月曜日
◆消費者金融「自殺で返済」を支えた人々−−倫理の緩み どう是正?(11/20) プロの視点 太田康夫
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/ota/index.html
貸金業法が改正される。消費者金融への規制を強化し、灰色金利などをなくす。ただ、借入人を自殺に追い込んで債権を回収するビジネスを裏で支えていたのは銀行や生命保険会社などだ。高収益に目がくらんで崩れた倫理を回復するのは簡単ではなさそうだ。
10月はじめ消費者金融業界が揺れた。金融庁が「自殺で返済」といわれた消費者信用団体生命保険の全容をはじめて公表したからだ。
「自殺して返済は一部」と言い逃れできない水準
2006年3月期の消費者金融17社の自殺による保険金受け取りは4908件、43億円。受け取りに占める比率は件数で9.4%、金額で14.2%にものぼる。
この比率には死因等不詳が入っているので、それを除いた死因判明件数に占める自殺を原因とする受取件数の比率は19.8%。消費者金融が保険金を受け取った5人に1人は「自殺して返済」だった。ごく一部という言い逃れは出来ない水準で、シェークスピアの「ベニスの商人」のシャイロックを思い起こすような倫理観の欠如が見て取れる。
金融庁の発表で揺れたのは消費者金融業界だけではない。厳しい取り立てで「自殺して返済」を迫るのは消費者金融会社だが、その仕組みを提供するのは生命保険会社であることが改めて浮かびあがったからだ。
消費者信用団体生命保険契約の状況(06年3月末)によると主幹事保険会社は次の通りだ。
アコム(明治安田生命)
アイフル(明治安田生命)
武富士(エイアイジー・スター生命)
プロミス(日本生命)
CFJ(明治安田生命)
GEコンシューマー・ファイナンス(AIGエジソン生命)
三洋信販(三井生命)
シンキ(第一生命)
クレディア(第一生命)
丸和商事(三井生命)
通常のビジネスとかわらず、主幹事を競う姿が見て取れる。
「保険と融資」のおいしいビジネス
しかも、生保の消費者金融への関与は信用団体生命保険だけではない。
例えばプロミス。今年3月の参院予算委で与謝野馨金融担当相から「かつて一流だと思っていた銀行が消費者金融と一緒に広告を出していることも不愉快なことのひとつ」といわれた。
不快感を示されたのは三井住友銀行で、3月末時点で20.22%を出資し、505億円を貸し付けている。これに対して信用団体保険の主幹事である日本生命は出資比率こそ4.23%と三井住友に及ばないものの、貸し付け額は793億円とトップだ。
プロミスの借入金を業態別に見ると、生保からの借入残高は1682億円。伝統的に借り入れが多い信託銀行からの1290億円、都市銀行からの756億円を抑え、堂々のトップである。
三菱UFJフィナンシャル・グループが12.99%を出資するアコム。長期借入金が最も多いのは三菱UFJ信託銀行からの1416億円だが、二番手には信用団体保険主幹事の明治安田生命が395億円でつけている。アコムの業態別借入金は信託銀行からがトップの2900億円。生保からはそれに次ぐ1527億円となっている。
生保は保険の仕組みの提供にとどまらず、消費者金融会社がそれを活用した高利の貸し付けが出来るように貸し出し原資まで提供していたのだ。生保から見ると、消費者金融は保険と融資で二重にもうけられるおいしいビジネスだったわけだ。
「命より利益優先」にブレーキなし
厳しい取り立てなどがしばしば問題になった消費者金融向けの融資に関しては、リテール(小口金融)を手がける都市銀行ははじめのうちは比較的慎重な姿勢を取ってきた。そのため、消費者金融会社は貸し付け原資をホールセール中心の信託銀行や外国銀行から調達してきた経緯がある。
消費者金融各社は業務を拡大していく中で、調達先も多様化。社債による調達などに加え、生保マネーにも頼るようになり、それが今や調達の大きな柱となっている。
生保の消費者金融向け貸し付けは違法ではない。大手消費者金融会社は株式を上場しているし、高収益を誇ってきた。このため、融資の信用リスクは低いと見られ、そこそこの利回りが確保できれば立派なビジネスだとの見方も成り立つ。
ただ、法令順守という最低限のハードルさえ越えればいいわけではない。利用者に安心を売る生命保険会社が、利用者の自殺を促すようなビジネスを支援していいのかどうか。
銀行の場合、保険の支払いの詳細まではつかめない。それに対して生保は保険金を支払っていたのだから、この信用団体保険の本質がどういうものか分かっていたはずだ。にもかかわらず、自らそれにブレーキをかけることなく、命より利益を優先した格好になっている。
生保各社は崇高な理念を掲げている。「高い倫理観と協働の精神」(明治安田生命)、「広く社会の福利増進に尽力する」(日本生命)、「社会からの高い信頼を確保し、その発展に貢献する」(第一生命)――。理念と実態の落差は歴然としている。
貸金業法改正で、貸金業者が貸し手の自殺により保険金が支払われる保険契約を結ぶことが禁止される。銀行や保険は長いあいだ問題視されながら続いたこのビジネスからたっぷり利益を稼ぎ出したが、そこで失った倫理規範も大きかった。業務がなくなるのとともに、倫理もうやむやのまま不問に付されるのだろうか。
◆借り手が死ぬと保険で回収 10月16日 森永卓郎
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/53/03.html
消費者金融業界はもちろん、逆に金利制限を撤廃しろといっている。彼らの論理は金利を引き下げると、審査が厳しくなって、サラ金から借りられない人が増えて、ヤミ金に流れるから危険だと主張する。
だが、それはおかしい。出資法の上限金利はかつて110%だった。それを4回にわたって引き下げてきた。ところが、そのたびにサラ金の利用者は増えていったのだ。金利が下がったら、消費者金融に人が来なくなるという根拠は何もない。
それでは、なぜ金利を下げたくないのか。実はそこに生命保険会社がからんでくるのだ。
大手の消費者金融は金を貸すとき借り手を被保険者とする団体生命保険をかけるのが一般的だ。借り手が死亡すると、保険金で資金を回収できるからだ。
ところが、不思議なことにこの保険は契約後1〜2年経過すると、死亡診断書がなくても住民票の確認だけで保険金が全額自動的に支払われる仕組みになっている。
通常、一般の人が生命保険に加入したら、死亡診断書なしで保険金が支払われることなど絶対にあり得ない。
しかし、サラ金が借り手を追いつめて、自殺に追い込んでも、死因を特定せず保険金が支払われるのだ。確たる証拠はないが、生保会社は死亡原因を聞かずに払ってしまえば問題がないと考えている節がある。
もし生保会社が自殺したことを承知で支払っていることが世間にばれると、社会的な非難を浴びるのは間違いない。だから黙認ではなく、黙殺するシステムを作ったのだ。
(私のコメント)
この問題については9月8日にも書きましたが、そのせいか最近はサラ金のテレビコマーシャルがやけに少なくなったようです。テレビ局も大口のお客さんがいなくなって大変でしょう。サラ金がどうしてそんなに儲かるのか不思議だったのですが、とりっぱぐれが無くて高金利なら儲かるわけだ。
焦げ付いた貸付があれば、債務者を自殺に追い込んで保険金から回収できるのですから、これほどぼろい商売はありません。しかし保険金からの回収が出来なければサラ金はまた他の方法を考えつく事でしょう。前回の記事の船橋氏のコメントで次のような事が書いてありました。
《 こっち(アメリカ)だと、年率700%の金利ですべてをむしりとられたあげく、内蔵売られますから。(自殺させて生命保険を取るより、腎臓ひとつXXX百万、と切り売りしたほうがずっと金になる。「人間は、そのまま売るより、ばらばらにして売った方が高く売れる」という言葉があるくらい。)
ま、おかげで移植手術が数多くできるので、お金もちはますます長生きできます。 》
これからは日本でも債務者に内臓を売らせて貸し金を回収するようになるのでしょうか? 昨日も書いたような格差社会になれば、いくら働いても派遣社員では年収300万円にしかならず、結婚して子供もいればサラ金で金を借りなければ生活がやっていけません。
それで生活が破綻して離婚して母子家庭が多くなり、今年は秋田県で二件の幼児殺害事件がありましたが、いずれも母親による殺害だった。まさに秋田県は日本の将来を暗示しているのでしょうか? このように日本の若い世代は働いても豊かになれず、結婚も出来ず、子供も作ることが出来なくなりました。
このように自分の将来が暗いものなら、小学生や中学生もやる気をなくして「いじめ」に走り、いじめられた子供は「自殺」に走る。がんばって生きても就職も出来ず派遣社員かバイトで生きてゆくしかないのでは、今の若い人はやりきれない。これでは日本のモラルも崩壊して、テレビを見れば少し前はサラ金と外資系保険会社のCMばかりだった。債務者を自殺に追い込んで貸し金を回収していたのだからぼろ儲けしてきた。
小泉構造改革は大企業にやさしく、労働者に厳しい政策に切り替えてきたのですが、有権者の小泉構造改革に対する支持率はどういうわけか高かった。しかし人口構成から言って高齢者が多くなり若者が少数派となっては、政策は金持ちの老人に優しく、金の無い若い人には厳しい政策になりがちだ。
昔の若い人ならヘルメットにゲバ棒でデモをするなどの活力もありましたが、最近の若い人は、学校ではいじめられるとすぐに自殺するし、就職が出来ないと家に引き篭もってしまう。そして若者同士でも「勝ち組」と「負け組」とに分かれて分裂している。「勝ち組」と言ってもいずれ「負け組」に転落する事がわかっていないのだ。
高度成長経済が終わっても日本は年功序列制度はそのまま維持されて、中高年に優しく若者にしわ寄せをしている。若者は結婚して家を建て子供を育てなければならないから金はいくらあっても足りないのに、雇用が絞られて良い給料の就職口は無い。反対に年金をもらっている老人達は年金を溜め込んで使おうとしないからデフレがひどくなっている。
サラ金の一番のお客さんは家庭を持ち子供を育て住宅ローンをしている若いサラリーマン達だろう。サラ金にとってはサラリーマンが一番とりっぱぐれの無い上客で、返せなければ自殺に追い込んで資金を回収できるし、奥さんが美人ならソープで働かせても回収が出来る。
このようなサラ金や悪徳生保が蔓延るのは政府の政策が悪いからですが、若い人は政治に興味が無くて、経済の事も分からない人が多いようだ。その反面ではテレビに影響されやすくて、簡単に洗脳できるから権力者にとっては扱いやすい。株式日記では騙されるな目を覚ませとハッパを掛け続けているのですが、反応は鈍い。
時事経済ブログなどを見てもイデオロギー的なことや政局がらみのことは活発でも、経済の本質的な問題となると専門家任せになってしまう。小泉構造改革のどこに問題点があるか株式日記でも書き続けてきたのですが、これからはそれが顕在化して社会問題となっていくでしょう。ところが小泉首相は増税と歳出カットによる財政再建ばかり言っていた。景気をよくして財政再建と言う正論が無視されてきましたが、安倍内閣では正論に戻りつつあるようだ。