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「為替」 低調な米PPI、小売売上高受けた利下げ観測にドル下落117.25円/ニューヨーク外国為替市場概況
「低調な米PPI、小売売上高受けた利下げ観測にドル下落117.25円」ニューヨーク概
況 2006年11月15日(水曜日)−株式会社フィスコ 平松 京子/片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*07:48JST 「低調な米PPI、小売売上高受けた利下げ観測にドル下落117.25円」
【ロンドン市場概況】
14日のロンドン外為市場では、ドル・円、ユーロ・円はショートカバーの買いで
一時反発した。ドル・円は、117円52銭で下げ渋った後、117円70銭超えからストッ
プロスの買いが強まり117円96銭まで上昇、ユーロ・円は、150円77銭から151円00銭
でのストップロスをつけて151円31銭まで上昇した。その後、ドル・円は117円70銭
に反落、ユーロ・円は150円93銭に反落した。
ユーロ・ドルは、独11月ZEW景気期待指数の一段の低下、ユーロ圏の第3四半期GDP
が予想を下回ったことで、1.2844ドルから1.2814ドルまで軟調に推移した。ポン
ド・ドルは、英10月消費者物価指数が予想を下回ったことでポンド売りが優勢にな
り、1.9049ドルから1.8959ドルまで下落した。ドル・スイスは1.2408フランから
1.2449フランまで強含んだ。
【経済指標】
独・第3四半期GDP:前期比+0.6%(予想+0.8%、第2四半期+1.1%←+0.9%)
独・10月CPI確報値:前月比+0.1%(予想+0.2%、速報値+0.2%)
独・11月ZEW現況指数:53.0(予想44.0、10月42.9)
独・11月ZEW景気期待指数:-28.5(予想-25.0、10月-27.4)
ユーロ圏・第3四半期GDP:前期比+0.5%(予想+0.6%、第2四半期+0.9%)
英・10月消費者物価指数:前月比+0.2%(予想+0.3%、9月+0.1%)
【要人発言】
中国人民銀行
「対外収支の均衡化を促進するためにさまざまな措置をとる」
「預金準備率の引き上げ、経済に大きな影響ない」
「2006年GDP伸び率は10%上回る、CPI上昇率は1.5%前後に」
「インフレ圧力は無視できない」
「信用や流動性を抑制する包括的な措置をとる」
中国証券報(11/14付)
「人民元が年率5%で上昇すれば、輸出業者に打撃」
中国国家外為管理局
「中国、輸出業者による外国為替取引は引き続き監視が必要」
溝口前財務官
「最近の為替動向は各国経済を反映、円キャリー取引は自然な動き」
独ZEWエコノミスト
「独景気期待指数の悪化、増税や利上げ観測が原因」
ウェリンク・オランダ中銀総裁
「ユーロ圏の金利は非常に低い」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円:117円62銭、ユーロ・ドル:1.2831ドル、ユーロ・円:150円89銭、ポン
ド・ドル:1.8986ドル、ドル・スイス:1.2436フラン
【ニューヨーク市場概況】
14日のニューヨーク外為市場では、ドル・円は米10月生産者物価指数(PPI)が過去
最大の低下を示したうえ、8月小売売上高が大幅下方修正された影響から米利下げ観
測が強まり117円25銭まで下落した。その後、本邦輸入筋などの買いや米11月景気楽
観指数の上昇を受けて一旦117円83銭まで反発したが、米自動車メーカー大手の代表
が「円は人為的に低く抑えられている」と指摘したことで117円60銭前後に弱含み引
けた。
ユーロ・ドルは米利下げ観測を受けて一旦1.2872ドルまで上昇したが、ドビルパン
仏首相の「ユーロ高は輸出に不利」との発言でストップロスを巻き込み1.2790ドル
まで反落し、1.2810ドル前後で引けた。ユーロ・円は円安牽制発言に151円から150
円54銭まで下落した。ポンド・ドルは1.9038ドルまで上昇後1.8925ドルへ反落し、
ドル・スイスは1.2386フランまで下落後1.2471フランへ反発した。
【FF先物米金利変更織り込み率】
年内までの利下げ確率3.1%で変わらず、来年3月までの利下げ確率33.8%←22.5%
【原油市場】
原油相場は3営業日続落し、58ドル台前半に下落。米北東部での例年を上回る温暖な
気温の継続が冬場の暖房用燃料の供給不安を後退させていることに加えて、低調な
米経済指標を受けて景気減速に伴う需要鈍化観測が強まったことから売りが継続し
た。OPEC割り当て減産実施に懐疑的な見方のあるサウジアラビアが減産実行を改め
て表明したことから強含む場面もみられたが、原油先物価格は概ね軟調に推移し、
58.28ドル(前日比-0.5%)で取引を終えた。
【株式市場概況】
NY株式相場は上昇。朝方発表された10月生産者物価指数のコア指数が1.6%の下落と
なったことで長期金利が低下、これが好感され終日堅調な展開となった。セクター
別では半導体・同製造装置や小売が上昇する一方で、家庭用品・パーソナル用品や
素材が小幅下落となった。住宅メーカーのDRホートンは予想を上回る決算を発表し
て9.5%高。ウォルマート(WMT)やターゲット(TGT)など小売大手も相次いで好決算
を発表して上昇した。デジタルビデオレコーダーのティーボ(TIVO)はインターネッ
ト経由での動画配信を開始することを発表して7.3%高。ホームデポ(HD)は決算が
予想を下回ったものの、値頃感から午後になって上昇に転じた。ダウ構成銘柄では
携帯音楽プレーヤー「Zune」の発売を開始したマイクロソフト(MSFT)だが株価は小
動きにとどまった。結局ダウは86.13ドル高の12218.01、ナスダックは24.28ポイン
ト高の2430.66で取引を終了した。セントルイス連銀のプール総裁が、現在のFOMCの
金融政策は「概ね正しい」との発言を行ったことも好感されている。
【通貨オプション】
ドル・円は、米10月PPIの過去最大の低下を受けて利下げ観測が強まり、117円25
銭まで下落した。オプション市場は、日銀金融政策決定会合のイベントリスク、G20
やブッシュ米大統領と米ビッグスリーとの会談における円安牽制懸念を受けて買い
が先行した。1ヶ月物変動率は6.850%から6.950%、3ヶ月物は6.975%から
7.075%、6ヶ月物は7.125%から7.225%へそれぞれ上昇した。
リスクリバーサルでは、短期の円コール買いが強まり、25デルタ円コール・ドルプ
ット1ヶ月物は+0.600%から+0.650%へ拡大した。一方3ヶ月物は+0.700%、6ヶ月物
は+0.825%で昨日と同水準に留まっている。
【経済指標】
米・10月生産者物価指数(PPI):前月比-1.6%(予想-0.5%、9月-1.3%)、前年
比-1.6%(予想-0.5%、9月+0.9%)
米・10月コアPPI:前月比-0.9%(予想+0.1%、9月+0.6%)、前年比+0.6%(予想
+1.6%、9月+1.2%)
米・10月小売売上高:前月比-0.2%(予想-0.3%、9月-0.8%←-0.4%)
米・10月小売売上高(除く自動車):前月比-0.4%(予想-0.2%、9月-1.2%←-
0.5%)
米・9月企業在庫:前月比+0.4%(予想+0.5%、8月+0.6%)
米・11月IBD/TIPP景気楽観指数:55.7(10月52.4)
【要人発言】
ドビルパン仏首相
「(為替)レートに関してECBが単独で行動することを容認することはできない」
「長期成長目標3%、5%の失業率を目標とする」
「ユーロ高が輸出企業に不利となる」
ガルガナス・ギリシャ中銀総裁
「金利は引き続き低水準」
「物価安定のため、速やかな断固たる行動が鍵で強い警戒が基本」
プール米セントルイス連銀総裁(投票権有)
「住宅不振が限定的なら政策対応せず」
「連銀は住宅市場に特別な注意を払っている」
「現在の政策状況が適切」
「インフレ期待は抑制されている。連邦準備理事会(FRB)の政策見通しはほぼ
均衡していると思っている」
米自動車大手(ビッグスリー)
「円は人為的に低く抑えられている」
ロート・スイス中銀総裁
「市場の07年利上げ見通しは無分別でない」
安倍首相
「18日にベトナム・ハノイで開催予定のブッシュ米大統領との初会談において、日
米同盟の重要性を確認した上で、安全保障、経済上の連携での一致を目指す方針」
【東京市場終値-ニューヨーク市場終値】
為替市場: (始値) (高値) (安値) (終値)
ドル・円 117.59 117.96 117.25 117.62
ユーロ・ドル 1.2812 1.2872 1.2790 1.2813
ユーロ・円 150.65 151.31 150.54 150.67
ドル・スイス 1.2438 1.2471 1.2386 1.2437
ポンド・ドル 1.8955 1.9049 1.8925 1.8956
株式市場:
NYダウ 12132.44 12228.01 12084.97 12218.01
ナスダック 2407.30 2430.83 2394.62 2430.66
債券市場: (始値) (終値)
米国債30年物 4.705 4.658
米国債10年物 4.609 4.566
先物市場:
NY金先物 627.8 630.4 620.0 625.3
NY原油先物 58.90 59.15 58.15 58.28
シカゴ日経平均先物 16325 16425 16210 16400
(フィスコ) - 11月15日7時54分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061115-00000002-fis-brf