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近未来通信の事業モデル
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□虚偽説明で投資勧誘 近未来通信900人から200億円 [朝日新聞]
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虚偽説明で投資勧誘 近未来通信900人から200億円
インターネット技術を利用したIP電話事業を手がける「近未来通信」(東京都中央区)が、事業パートナーとして「中継局オーナー」を募集する際、うその説明をして一般投資家から資金を集めていたことがわかった。同社は、IP電話利用者から徴収する通信料収入をもとに毎月、多額の配当金を支払うと投資家に約束していたが、実際には投資家から集めた資金の大半を配当に回す自転車操業だった。今月以降は、配当の支払いがほとんど停止。総務省は、事業の継続性に疑いがあるとして、電気通信事業法に基づき、強制力を伴う報告を求めたが、同社は今月9日の期限までに十分な回答をしていない。
●IP電話事業 配当、一時停止
同社は、ネット技術を使って通話料を安くするIP電話事業を展開。国内外の中継局設置費用を投資家に負担してもらう「中継局オーナー」制度をとる。1件(8回線)あたりの設備費は約900万円で、加盟金を合わせると最低でも1100万円が必要だ。
オーナーを増やすため、同社は新聞、雑誌、テレビに広告を出し、全国のホテルなどで説明会を開催。この数年で約900人の一般投資家から200億円近くを集めたとされる。
募集の際、投資家には「投資1年後には毎月100万円近い配当金がある」「2、3年で元はとれる」「設備の更新費用はかからない」と説明。だが、同社幹部によると、顧客は伸び悩み、配当金の大半は新しいオーナーから得られた資金を回してしのいでいた。06年7月期にあった245億円の売上高も大半はオーナーから集めた資金を計上したもので、本来の通信料収入は「1割にも満たない状態」という。
配当金のモデルケースとして投資家に配った資料でも、あり得ない収支予測をたてていた。中継局1件(8回線)あたりの売り上げ予測を月間1千万円近いと算定した。だが、IP電話通信料の設定は大部分が1分間当たり10〜15円で、24時間8回線がつなぎっぱなしだったと仮定しても、最大500万円強の収入しか得られない。
8月末には、05年7月期の1年間で1億7500万円の所得隠しがあったことが発覚。関係会社からのキックバックなど不透明な経理も表面化して投資家の解約申し込みが相次いだ。新規勧誘も難しくなり、配当金も9月以降、数回にわたって支払いが先延ばしされ、今月初旬には、来年2月まで配当を支払えないとする文書を投資家に郵送した。ある投資家は「会社側から詳しい説明もなく、返金にも応じてくれない。資金が戻ってくるか不安だ」と漏らす。
総務省は「IP電話の利用者数がはっきりせず実態が不透明だ」として事業内容について任意の報告を求めたが、満足な回答がないため、10月27日、強制力を伴う初の報告命令に踏み切った。同社は期限までに契約者数などを具体的に答えていない。同省は不十分な内容と判断し、引き続き回答を求めている。
報告命令に対し、回答を拒否したり、虚偽の報告をしたりした場合は、30万円以下の罰金を科せられる。
近未来通信の役員は取材に対し「通信収入に応じて配当しており、投資金を配当に回していることはない。売り上げが減って配当が遅れているだけで、経営に問題はない。ただ、投資家への返金には原則応じられない」と話している。
民間調査会社によると、近未来通信は、健康器具などの販売をしていた石井優社長が97年に設立。当初は毛皮・宝石などの販売を事業目的にしていたが、その後IP電話事業に転じた。海外にも中継局を設置し、「グローバルネットワークを創造する」としている。大阪や名古屋、福岡などに支店があり、代理店を通じてIP電話用の接続装置やプリペイドカードなどを販売しているという。
◆キーワード
〈IP電話〉 音声を細切れのデジタルデータに変換し、インターネットの通信技術を使って効率的に伝送する電話サービス。従来の固定電話と異なり、通話ごとに回線を専有しないため、料金を安く設定できる。NTTやKDDI、ソフトバンクなどの通信会社やインターネット接続事業者らがサービスを提供している。