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米株式市場、民主躍進で銘柄選別へ――「環境」順風「医薬」逆風、政策変更にらむ。2006/11/10, 日経金融新聞, 9ページ, 有, 1031文字
「環境」に順風「医薬」は逆風
【ニューヨーク=藤田和明】米中間選挙で民主党が躍進し、八日の米株式市場は、政策変更で恩恵を受けるとみられる銘柄と、逆風の可能性がある銘柄の選別が進み出した。薬価引き下げを見込んだ大手医薬品株への売りが広がる一方、代替エネルギーや胚(はい)性幹細胞(ES細胞)関連株の買いが目立った。
民主党勝利で下院議長に選出される見通しの下院院内総務、ナンシー・ペロシ議員は選挙期間中、「民主党が議会で過半数を握れば百時間以内に新法案を提出する」と公約していた。このため、民主党は共和党のブッシュ政権のこれまでの政策を変更し、下院で様々な法案を出すとみられる。
米産業界に影響が出るとみられる民主党の政策は
(1)代替エネルギーの推進と環境対策の強化
(2)大手石油会社への税制優遇措置の廃止
(3)最低賃金の引き上げ
(4)薬価の引き下げ
(5)ES細胞の研究促進
(6)学生ローン金利の引き下げ――などだ。
政策変更が追い風とみられる代替エネルギー業界では、燃料電池やエタノールなどを手掛ける銘柄に注目が集まっている。ES細胞関連株も「買い」との見方が多い。
薬価引き下げは、医薬品大手企業にとって逆風となる。ただ特許切れの成分を使って安価な医薬品を手掛ける企業にはプラスとなる見込みだ。
最低賃金引き上げが経営にマイナスとされるのは、小売り最大手のウォルマート・ストアーズ。安い人件費で高収益を上げているためだ。
もっとも民主党の政策実現には不透明感も残り、今後の行方に見極めが必要との見方は多い。ブッシュ大統領が中道路線をとって民主党が提出した法案の成立に協力姿勢を示す可能性もあるが、法案に対して次々と拒否権を行使するとの読みも根強いためだ。そうなれば民主党の政策の実現性は薄まってくる。
民主党内の動きも微妙。「ブルードッグ」と呼ばれる民主党保守派グループ三十―四十人が党の政策方針に反対する可能性もくすぶっている。
例えば民主党の勝利が防衛関連銘柄にとって逆風にはならないとの見方も一部にある。公約は「駐イラク軍の段階的な撤退」を盛り込んでいるが、選挙期間中、撤退時期をあいまいにする民主党候補者が多かった。撤退が決まったとしても「兵士の再配置や消耗した軍備の再補充が続き、軍費を現実に減らせるのは二年先」(リーマン・ブラザーズの政治アナリスト、キム・ウォレス氏)との指摘もある。
【図・写真】米中間選挙の民主党勝利で政策はどの程度変わるか=AP