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【経済面】2006年11月11日(土曜日)付
即席めん再編沸々 明星、日清に資本提携打診
即席ラーメン争奪戦か――。米国系投資ファンドによる即席めん大手・明星食品への敵対的な株式公開買い付け(TOB)は、業界最大手・日清食品が明星との資本提携を検討し始めたことで新たな局面を迎えた。ただ、日清は態度を明確にしておらず、投資ファンドの意図も依然不透明だ。業界地図を塗り替え兼ねない日清の動きに、他社は戦々恐々だ。
即席めん各社の順位と主な商品
●ライバルは警戒感
「選択肢の一つとして考えたいが、先方がどう考えているのか……」
10日朝、明星首脳は日清との提携模索に関し、自力で局面を打開できないつらさも垣間みせた。
●見えぬ狙い
すでに明星株の23・1%を持つ筆頭株主で、米系投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドが敵対的TOBを仕掛けたのは先月27日。対抗するには友好的な企業、いわゆるホワイトナイト(白馬の騎士)やファンドによる「友好的な対抗TOBぐらいしかない」(企業買収に詳しい関係者)。明星には複数のファンドなどから支援提案が寄せられたが、明星は同業の日清に「助け」を求めた。
ただ提携実現へのハードルは低くない。日清と明星のシェアは計5割前後に達し、独占禁止法上の問題が生じる可能性がある。さらに「提携は日清にとって多額の負担の割にメリットがない」(市場関係者)との見方から、10日の日清の株価は前日比190円(5・29%)下落。日清の判断に影響しないとも限らない。
提携交渉がまとまれば、日清はスティールの買い付け価格1株700円を上回る価格で対抗TOBを実施するとみられる。それに対し、スティールがTOB価格を引き上げて争奪戦を繰り広げるのか、あきらめるのか、態度は不明だ。
スティールはこの日、明星株主にTOBに応じるよう求めるコメントを出した。だが買収後の経営については具体的な計画を示さず、狙いははっきりしない。このため「TOBで対抗TOBを誘発し、高値で保有株を売り抜けるのが狙いでは」(市場関係者)との見方もある。スティールは、日清株についても5・8%分保有しており、これも売り抜ければ「一石二鳥」(同)との声もある。
●「自然の流れ」
「非常に気になる」
10日の中間決算発表の場で東洋水産の久保恭司取締役は、日清・明星提携の動きに警戒感を隠さなかった。「(明星からの支援要請は)一切なかった」としたが、今後要請があれば前向きに検討する考えを表明した。
即席めんメーカーはシェア合計約9割の大手5社が激しい争いを続けてきた。日清・明星が提携すると、その構図を大きく塗り替えるだけに、ライバルとしては黙って見ていられないようだ。
05年の国内の即席めん生産量は54億食と前年を1・6%下回った。少子高齢化で、主力顧客の若年層が減少。将来も成長鈍化で、国内市場の縮小は避けられないというのが業界の一致した見方だ。海外に活路を求める会社もあるが、地盤はあくまでも国内だ。
このため各社とも新商品開発に血道を上げるが、「ほとんど毎日のようにどこかが新商品を出すが、1年たって残っているのは100に一つぐらい」(業界関係者)という厳しさだ。女性を中心に人気がある、はるさめを使った健康志向のカップ商品ではスープメーカーと競合するなど、他業態との競争も激しい。
短期的にみても、石油や原料の小麦粉などの値上がりで、効率化によるコストダウンを迫られる。「整理や再編はある意味自然な流れ」(業界関係者)との見方もある。
http://www.asahi.com/paper/business.html