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http://www.asahi.com/life/update/1107/004.html
2006年11月07日08時46分
「日雇い派遣」という働き方が急増中だ。人材派遣会社から仕事の紹介を受け、日替わりで派遣先で働く。連絡は携帯電話やメールだから「ワンコールワーカー」とも。規制緩和で派遣できる職種が大幅に広がったのを機に、若者やリストラされた人たちがすぐに現金を手にできるこの仕事に流入している。だが、低賃金で、仕事がないときの補償もない不安定な立場だ。
◇
横浜市の男性(42)は携帯が命綱だ。派遣会社に電話して働きたい日を予約する。仕事が決まれば勤務時間、集合場所を携帯で告げられる。
当日は駅などに直接集合して現場に向かう。解体作業の手伝い、イベント会場設営……。収入は多くても月13万円ほど。生活保護基準並みだ。月に10日前後しか仕事を回してもらえない時は月収8万円を割る。
自分名義の携帯も料金が払えず解約。だが仕事を受けるための生命線だから、今は基本料金のないプリペイド式の携帯と通話カードを持ち歩く。
運送会社で働き、ドライバーとして月に60万円稼いだ時期もある。だが交通違反が重なって運転免許が取り消しになり、仕事を失った。
3年前、妻と長女を東海地方の妻の実家に残し、条件の良い仕事を求めて上京した。だが仕送りや貯金はできずアパートの家賃すら滞る。雇用保険なし。国民健康保険料も年金保険料も払えない。
「ちゃんと就職するまでのつなぎのつもりだったが……」
最近、大型冷凍庫内の積み込み作業現場で、休憩もなく4時間ぶっ続けで働いた。「嫌だけど他には仕事がないって言われるから」
こんな厳しい現場でも、9時間拘束で交通費を引けば手元に残る金は7000円以下。別な仕事も探すが「線が細くて仕事が続かないと思われるからか、年齢のせいか」面接のたびに落とされる。倉庫作業のアルバイトもだめだった。
妻子の顔は5月から見ていない。「いつか呼び寄せたいけど、今は養っていける状態じゃない」
神戸市の女性(23)は週5日のアルバイトのほかに、日雇い派遣を週2日している。
箱を開け、ミネラルウオーターのボトルを取り出し光にかざす。不純物がなければまた箱へ。5分間で500ミリリットルを30本。休憩以外は立ったまま正味7時間。これで日当は「軽作業」の5600円、交通費込みでだ。「腕も腰も痛い。寝る時に目を閉じてもチカチカする」
週休ゼロで手取りは計月14万円。家賃や食費、水道・光熱費、携帯電話代を引くと手元に残るのは1、2万円だ。片道3時間かけてバスで岡山に行ったことも。家を出る時と作業終了時には派遣会社にメールで連絡する。作業8時間でも14時間拘束。1時間あたりわずか400円の計算だ。働いた日に金を手にできる。それだけが魅力だ。
京都に住む男性(30)は大学院に進学できず、派遣の道へ。工場で午後7時から翌朝7時まで、立ちっぱなしで検品、箱詰め作業をしている。日当は9900円。残業も多く、片道2時間近くかかるため、疲れ切って連日働くのは無理だ。月収は約12万円。貯金は10万円だ。
早く抜け出したいが、最近受けた面接では「正社員の経験がない」と落とされた。ただ月給制の仕事に就けたとしても最初の給料までの1カ月をしのげない。「1カ月後の10万円より明日の5000円を取らざるをえない」