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□【書籍紹介】市場原理主義の悪夢から覚めねばならない [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2674918/detail
市場原理主義の悪夢から覚めねばならない
「悪魔のサイクル」 内橋克人著(文藝春秋 1429円)
規制緩和。すべてを市場に任せろという声のもとで、何が起きたのか。すでにさまざまに指摘されているように、世代間、中央対地方の格差は拡大するばかりである。パートや派遣の増大、正規雇用の減少はもう常識になっている。
その他、指標を挙げてみよう。生活保護世帯は1992年の約59万に比べ、2005年には104万に急増している。自殺者も3万人を超えた。刑法犯も92年には235万件、05年には342万件になっている。これらがすべて、この14、15年に起きている事実だ。
相次ぐ飛行機やJRの事故なども、それらの環境変化と無関係とはいえないだろう。老人医療費の個人負担が増えたにもかかわらず、法人税を軽減する噂が流れている。さらに、地方経済の崩壊。日本列島の53%がいまや限界過疎地とまでいわれている。
なぜ、こんなことになってしまったのか。アメリカの政権を覆い、南米を皮切りに世界にあふれ出したフリードマンの「市場原理主義」の罪。そこに影響を受けた竹中平蔵、宮内義彦らが行ってきた数々の政策。それらを改めて検証する必要があるだろう。
規制緩和、市場原理主義が、地域の荒廃、共同体の破壊、治安の悪化をもたらした。それはどうも間違いないようだ。それを止めなければならない時期になっている。
著者は、北欧の選択に注目する。日本と同じように、フィンランド、ノルウェーなども、90年代初頭、不良債権問題に苦しんだ。しかし、短期間で解決した。なぜそれが可能だったのか。詳細は本書にゆずるが、要するに人間中心の社会を志向していたか否か、の違いである。
悪夢から覚めねばならない。いまの自民党の政治を早く変えねばならない。本当にそう思う。〈申〉
【2006年11月2日掲載】
2006年11月05日10時00分