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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061024k0000m020112000c.html
消費者金融:大手4社、上場後初の最終赤字の可能性も
消費者金融大手4社が11月初旬に予定する06年9月中間決算が、そろって下方修正され、上場後初の最終(当期)赤字となる可能性が出てきた。日本公認会計士協会が今月まとめた新指針に従い、利息制限法の上限金利(15〜20%)を超えるグレーゾーン金利の返還請求に備える引当金について、これまで1年分に限って計上していたのを改め、複数年分の一括計上へと決算を修正するためだ。新指針では複数年の期間が明確に示されていないなど、不確定な部分もあるが、好業績を続けてきた消費者金融業界は大きな転換点を迎えている。
消費者金融は、グレーゾーン金利で過払いした額について、借り手から請求があれば返還している。貸出残高があれば過払い金と相殺し、相当額を貸し倒れとして会計処理。残高がなかったり、過払い金が残高を上回った場合には、実際に返還した金額を「返還請求損失金」として会計処理してきた。
大手4社は06年3月期決算で、1年間に発生した返還金100億〜180億円を計上した。この実績を基に、07年3月期は年間210億〜240億円の返還金が予想されるとして、事前に「利息返還請求損失引当金」として会計処理していた。
ところが、新指針は引当金処理の期間と額について、「貸付金の平均回収期間または平均利用期間」に基づき、引当金と貸し倒れ金を合算して、複数年分計上することを求めた。ただ、平均回収期間を何年とするかは新指針で示されていない。消費者金融の平均回収期間は3〜5年だが、過払い金の返還請求期限は10年。大手4社は、何年分を引き当てるべきかを最終調整している。
現状では、大手4社の引当金は単年分で400億円近くに膨らむ見通しだ。しかし、「平均回収期間」を5年とすると、さらに1600億円が特別損失になる。4社の07年3月期連結予想の経常利益800億〜1100億円を上回り、通期でも最終赤字となる計算だ。返還金そのものが増える可能性もあり、その場合は特別損失がさらに膨らむ。ただ、期間が短ければ赤字にならない社もあるため、最終的な損失は未定。また、損失は会計上の処理にとどまり、現金の流出はない。【赤間清広】
毎日新聞 2006年10月23日 21時05分