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http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=818146033
地方自治体の財政健全度を示す新しい指標である実質公債費比率について全国の市区町村の数値が総務省から公表された。
税収を中心とする自治体の収入に借金返済額が占める実質的な比率を示したもので、要注意となる18%以上の市町村が占める割合は島根県が全国で最高となった。
地方自治体が債券を発行する場合、これまで総務省の許可が必要だったが、地方分権を進めるため本年度から協議制に移行した。新指標は、それに伴い自治体の財政健全度をより実態に近い内容で反映させるのが狙い。
自治体が起債に当たって許可を必要とせず協議だけで済ませるには、それなりの財政健全性が求められる。新指標の比率が要注意の18%以上になると起債に県の許可を必要とし、県内の大半の自治体はそれに該当することが明らかになった。
島根県の場合、財政力に対し過度の借金に依存する市町の比率が全国で飛び抜けて高い。このまま放置すれば、起債が制限されて住民に身近な事業ができなくなる自治体が出かねない。
借金を減らす努力が求められるが、それは県内で立ち遅れた道路や下水道など社会資本整備にブレーキをかけることを意味する。借金の増加に歯止めを掛けつつ「選択と集中」で事業に優先順位をつけていくべきだ。
自治体の破たん法制の導入が検討されるなど財政運営にも市場規律が求められている。安易に借金を重ねることは自治体の倒産を招きかねない。そのリスクは島根県内で最も高まっていることを認識したい。
新指標である実質公債費比率は税収と地方交付税を合わせた自治体の収入に対する借金返済額の比率を示す。これまでの起債制限比率は普通会計だけを対象としていたが、新指標は上下水道事業など公営企業会計の借金返済に一般会計から持ち出した分も含める。
従来の指標に比べて、自治体の実質的な債務状況を把握できるのが特徴である。民間企業に例えると、関連会社を含めた連結ベースの考え方を導入した。
実質公債費比率が要注意とされる18%以上となったのは、島根県内二十一市町村のうち十八市町(85・7%)。その割合は全国ワーストで、二位の石川県52・6%を大きく引き離した。
市町村別では飯南町の24・5%を最高に奥出雲町24・3%など中山間地の自治体で高い。25%以上になると単独事業の起債が制限され、飯南町や奥出雲町はそれに迫る。
これに対し、18%未満の健全財政を保ち協議だけで起債できるのは江津、益田、知夫の三市村だけである。全国的には市町村合併によって財政健全化を進めた例もあるが、県内ではその効果をほとんど生み出せなかった。
要注意の市町村が占める比率が極端に高い理由について県は「下水道整備の遅れを取り戻すために積極的に事業を進めてきたが、その借金のつけが回っている」と見る。
借金を抑えながら、どう効果的に基盤整備を進めていくか。財政運営に複眼的な視点が求められている。