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オルタモンド:私たちのめざすもの
◆◇時代認識:経済のグローバリゼーションに対抗して
1980年代末東西冷戦が終焉し、国際社会は「希望」を垣間見た。しかし、現実には市場原理主義が世界の隅々まで行き渡るグローバリゼーションの時代がはじまり、IT(情報通信技術)で身を固めた金融資本、巨大多国籍企業が地球上を席巻することになった。歪んだグローバリゼーションは南北格差を拡大し、南の国々に何億、何十億という貧しい人々や絶望した人々を生み出した。同時に、北の国々の内部でも社会的不平等が広がり、雇用不安、社会保障の切下げ、地域経済・農林水産業の衰退、食への不安等々人々の生きる権利は危機に直面している。
1990 年代末より、この状況に異議を申し立てる運動が、自立した市民を主体として国際的に展開され、「もうひとつのグローバリゼーション運動」と呼ばれるようになった。グローバリゼーションの推進機関であるWTO(世界貿易機関)やIMF(国際通貨基金)・世界銀行への対抗運動、債務帳消しの運動など。これらの運動が合流して世界社会フォーラム(WSF)が2001年より開催されるようになった。その後、米国のイラク戦争への反対などの大規模な運動が世界各地で繰り広げられた。
「もうひとつのグローバリゼーション運動」をいっそう発展させるためには、私たち市民が、多様性を認めあい、さまざまな運動主体とネットワークを形成し行動を起こしていくことが求められる。1998年フランスで創設されたアタック(ATTAC:市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション)の運動はそのひとつのモデルを提示している。アタックの特徴は、トービン税など経済のグローバリゼーションに対抗するオルタナティブ(代替案)を創出しその実現をめざすことにある。
◆◇めざすもの:人間としての尊厳のために、グランドデザインを構想し、行動を
私たちがめざす「もうひとつの世界」は、すべての人間が尊厳ある生活を送ることのできる世界である。市場原理主義のグローバリゼーションに対抗するためには、さまざまなシングルイシューについてのオルタナティブを考え、同時にそれらをつむぎ合わせて「もうひとつの世界」のグランドデザインを構想していくことが必要である。それに向けて、市民とさまざまな領域の研究者がネットワークを形成し、ともに考え、ともに行動していくことが求められている。
この作業は同時に、活動に関わる私たちひとりひとりが互いに個人の尊厳と多様性を尊重し、民主主義的やり方を保証するものでなければならない。そうすることによって意義ある課題に到達するプロセスそのものが、私たち自身の幸せにつながっていくと信ずる。
今日の国際社会の主要な矛盾は、南の国々での貧困、不平等、そして南北格差の耐え難い拡大である。国連は、2015年までに極貧層を半減させる等のミレニアム開発目標(MDGs)を掲げている。しかし、その達成のための資金は圧倒的に不足している。ODA(政府開発援助)の増額努力が強調されているだけである。私たちはトービン税という国際税を提案する。これは巨額な国際金融取引に課税することにより、荒ぶる投機的マネーを押さえ込み、その税収をMDGs達成のための資金にあてることができる。私たちはMDGs達成のための国際的キャンペーンに連帯して、日本でのトービン税実現をめざす。
私たちはまた、労働者の人権を侵害し、環境破壊を引き起こし、医薬品や種子の特許を独占して命や食の安全性を脅かしている巨大多国籍企業に対し、規制・監視の活動を行っていく。とりわけ、国際労働基準を遵守しない日系多国籍企業に対して、企業の社会的責任を追及していく。
貧困や暴力を地球上から一掃し、地球環境・生態系を保全する運動を強化していこう。希望ある未来を次の世代に引き渡していこう。それが今生きている私たちの責務であるのだから。「思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」(魯迅)。
2004年9月25日