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(回答先: 技術革新(イノベーション)と高成長戦略 (日本共産党からの視点) 【しんぶん赤旗】 投稿者 hou 日時 2007 年 1 月 21 日 22:09:12)
イノベーションの源泉となるのが研究開発投資であることから、
しばしば、その規模でイノベーションが測られる。
そこで、GDPに占める研究開発費率を各国について計算すると
2003年時点で
日本は3.2%であり、
米国の2.6%、
EUの1.9%
OECD加盟国平均の2.2%を大きく上回っている。
OECD加盟国では、スウェーデンの4.0%
フィンランドの3.5%に次ぐ第三位である。
日本の同比率は、90年代初頭以降、景気情勢が低迷を続けるなかでも
ほぼ一環して上昇を続けており、日本企業が研究開発投資を如何に重視してきたかを
如実にあらわしている。
この研究開発費を含めて、投入面にかかわる指標でみたイノベーションの評価が
高いのが日本人の大きな特徴である。
たとえば、人口千人あたりの研究者の数は日本で10.4人と
OECD平均の6.6人を大きく上回っている。
加盟国内ではやはりフィンランドの17.7人、スウェーデンの10.6人に次いで
第3位である。
また、雇用者に占める大卒の比率は40.6%とカナダの43.6%に次いで
OECD加盟国内で第2位である。
しかし、これらの投入面にかかわる指標以外の指標で見るイノベーションの評価
は、概して低い。
たとえば2001年の科学論文件数は100万人あたり451.1件と、OECD加盟国平均の
467.7件を下回っている。
国内発明の外国人登録比率、外国人との特許共有比率など特許・発明のいわば国際性の観点でも、
日本は、主要国に大きく遅れをとっている。
さらに、研究開発投資の政府補助比率では、日本が0.8%と実にOECD加盟国中
最下位となっている。
こうしたイノベーション評価関連の各指標を比較することから類推される日本のイノベーションの問題は。
1、日本企業がイノベーションの源泉となる研究開発投資や研究所および高学歴者の雇用に費やすコストが大きい。
しかし、それらの成果は企業内にとどまってしまう傾向が強く、企業間、産業間で相乗効果をもたらすような、まさに社会全体、国民生活におおきな影響を及ぼすイノベーション
にまで容易に結びつかない可能性が考えられる。
2.発明、特許などが国内市場をターゲットに取得される傾向が強く、日本企業の国際競争力の向上に結びついていない可能性が考えられる。
3.企業の研究開発投資に関する政府の関与の度合いが他国と比べて著しく低いことが
、イノベーションの成果が一企業にとどまり汎用性を欠いている傾向を助長している可能性が考えられる。
イノベーションの経済効果は、全要素生産性(PPP)上昇率の高まりという形で観測されやすいが、日本の全要素生産性上昇率は1990年から2004年の平均で0.8%と、他の先進国に比べて遅れを取っている。
その水準は、英国での1.5%の半分程度、OECD平均1.2%の3分の2にとどまっている。
これは、日本企業による巨額の研究開発投資にもかかわらず、それを源泉とするイノベーションが、全要素生産性上昇率の高まりを通じて、日本の潜在成長率上昇に必ずしも結びついていかない可能性を示唆している。
日本の生産性上昇率が相対的に低水準にとどまっているのは、非製造業の生産性上昇率の低さに起因している部分が大きい。
1995年〜2003年の業種別労働生産性上昇率は、製造業では+4.1%
と極めて、高水準であると対照的に、サービス業では同+0.8%と低水準である。
日本の生産性上昇率を全体的に高めていくには、国際比較で見ても依然低水準にとどまっているサービス業の生産性上昇率向上に優先的に取り組むことが有効である。
実際、政府のイノベーションを通じた生産性向上策も、サービス業あるいは非製造業に焦点が当てられている。
政府によるサービス業、あるいは非製造業の生産性向上策の中核をなしているのが
規制緩和の推進である。
昨年12月に内閣府は「構造改革評価報告書6」を公表したが
その中で近年の規制改革の進歩が生産性上昇に大きく貢献してきたことを明らかにするとともに、今後の規制改革進展の効果を試算する。
同報告書によれば、1995年から2005年までの10年間で規制は
4割程度まで削減されたが、規制改革が進んだ業種ほど同時期の生産性が高いという関係が統計的に有意であるという。
さらに、製造業と比べて非製造業での規制改革の効果が顕著であり、規制改革の進歩が
生産性向上につながる余地が大きいと結論付けている。
加えて、規制改革の進歩を通じた生産性向上の効果が期待できる産業として
「金融・保険業」 「不動産業」 「建設・土木業」
があげられている。
以下略