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日本の企業のおかれている現状(週間メールジャーナルより)
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投稿者 真理を愛する者 日時 2007 年 1 月 17 日 16:56:02: NygxPubK8Q35E
 

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2007/1/17 No.366   週刊メールジャーナル  読者数11429人(前回)
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企業の不祥事はもういい加減にしてほしい
そのためにはもっと本気で「CSR」に取り組むべき
            本誌編集発行人・ジャーナリスト 川崎 明

 洋菓子メーカー「不二家」へのバッシングが続いている。
 食品の安全にかかわる問題であるばかりか、商品の主要な需要層が子供たち
であるだけに、消費者が怒るのは当然で、大手スーパーやコンビニチェーンの
店頭からの商品撤去も広がっている。

 経営の存続にさえ危険信号が点いた。森永製菓による支援、吸収の可能性さ
え報道されているが、00年の雪印乳業、02年の雪印食品の例から見ても当
然だろう。

 同族経営がこのような事態を招いたという評論もあるが、それだけではない
と思う。

 食品に限らず子供たちを主たる需要層とする商品は、少子化の影響を受け、
売り上げと収益は減少のトレンドをたどっている。

 その影響が大きい企業のひとつである不二家は、業績の低迷が続き、06年
5月には経営再建計画を発表。さまざまな手段の回復策を取ってきた。

 その結果として、やってはならないことに手を出してしまったすれば、実に
幼稚な経営といわなければならないが、それほど単純な事情ではあるまい。

 ここでは触れないが、「使用期限」とか「賞味期限」の行政も実にいい加減
なのである。

 ともあれ、この問題の本質は、ここ数年、経営の基本概念として社会的にも
ようやく浸透してきた「CSR」(企業の社会的責任)が、まっとうな経営のガ
バナンス(企業統治)として、この国ではほんとに定着しているのだろうか、
問い直されているということではないだろうか。

 本誌のスタッフ、関係者には企業内のCSR担当者、メディアやシンクタンク
のガバナンス研究者が多いのだが、いま、この国の企業の実態として、とうて
いCSRが根付いるとはいえない状況、というのが共通認識だ。

 CSRを実体化するには、前提として、経営の「コンプライアンス」(法令・
社規の遵守)が必要である。このコンプライアンスの受け止め方にしても、経
営の実態は反応が鈍い。

 およそCSRといい、コンプライアンスといい、日本の経営者には、経営環境
のグローバル化に伴って押し寄せてきた“黒船”のような認識が、いまだ支配
的であり、これでは、CSRは単なる建前でしかありえない。

 このままでは、多くの企業が、思いがけない事故や不祥事が発生したとき、
消費者の手ごわいしっぺ返しを受けるだけでなく、企業の存続が問われる事態
に発展しかねない。

 「企業と社会」の関係が、大きく変わりつつあるとき、企業経営の体質が一
向に改まっていない現実を、もっと深刻に自覚すべきではないか。

 その意味では、不二家の事件は、まさに氷山の一角。昨年騒ぎになった、ガ
ス湯沸し器のパロマ、エレベーターのシンドラー社、ホテルの東横イン、金融
の日興コーディアルグループなども、企業経営の姿勢で通底しているものがあ
る。

 ところで、CSRには本来莫大なコストがかかる。そのコストを吸収するため
には、企業は収益をあげなければならない。

 仮にも収益を上げるために、「経営に良かれと思って」コンプライアンスを
逸脱するような行為が起きないようにするためには、どうすればよいのか。

 作業手順のこと細かなマニュアルを整備すれば済むことではないし、いわん
や、厳重なチェック体制をつくり、作業の監視を強めればよいということでも
なかろう。

 根本は、CSRの価値観と、そのために「すべきこと」「してはならないこと」
の基準を共有することではないか。

 そのためには、どうしても必要なことが、企業内のコミュニケーションの活
性化である。

 いま、この企業内コミュニケーションが、この国の企業全体を通じて、うま
くいっていない。

 最大の原因は、労使関係が極端にパラダイムチェンジしているからであり、
経営側、労働側ともに価値観が多様化し、お互いの“思い”が食い違っている
企業が多いからだ。

 企業内コミュニケーションをうまく機能させるガバナンスが「ICM」(イン
ターナル・コミュニケーション・マネジメント)である。

 そしてこれを統括する有能な「CCO」(コーポレート・コミュニケーション・
オフィサー)が経営陣にいれば、かなり問題は解決する。

 いま多くの日本企業では、このCCOの必要性の認識が足りない。CSRが建前化
し、実体化していないのも、そこに原因があるといってよい。

 前述の、パロマ、シンドラー、東横イン、日興コーディアルグループなどに
現れた、経営と従業員の認識と、社会常識とのずれは、ICMが存在していなかっ
たことによる、といってもよいだろう。

【あとがき】

 この国では、明治以来、企業が発行する「社内報」が、社内コミュニケーシ
ョンの中心的な役割を果たしてきた。

 その編集理念は、従業員の忠誠心を前提に制定されていたが、バブル崩壊に
よるリストラの嵐の中で、労使関係のパラダイムは極端に変貌し、過去の社内
報では社内コミュニケーションの中心的な役割を担えなくなっている。

 そのため、経営論として、新たな社内コミュニケーションのガバナンスとし
て「ICM」(インターナル・コミュニケーション・マネジメント)が脚光を浴
びだしている。

 ICMでは、社内報は「社内広報」のツールとして、通知通達、教育研修、会議
打ち合わせなどとともに、企業全体のコミュニケーションを補完する位置づけ
になる。

 マスコミや消費者対応などを目的とする「対外広報」も、ICMを背景に展開す
ることで、経営者の姿勢を外部に明確に伝えることができる。

 時代に適合した、新しい広報学の研究が必要になってきている。>>

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