★阿修羅♪ > 国家破産48 > 1024.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
債券大幅高、利上げ観測後退で買い戻し−現物は短中期がけん引(2) (ブルームバーグ)
2007年1月17日(水)15時46分
1月17日(ブルームバーグ):債券相場は大幅高(利回りは低下)。日銀があすにも追加利上げを行うとの観測が有力だったが、前日からの報道を受け一転して利上げ見送りを織り込む展開となった。年明け以降に下押し圧力がかかっていた先物が買い戻されたほか、現物市場では短中期ゾーンがけん引する格好で金利水準を切り下げ、利回り曲線はブルスティープ(傾斜)化した。
三井住友アセットマネジメント・保険資産運用第一グループ・ヘッドの堀川真一氏は、利上げ実施を織り込んでいた市場に大きな反動が出たと指摘。ただ、「昨年10−12月のGDP(国内総生産)公表後の2月に利上げが実施される可能性は残るとみており、足元の相場は過剰反応ではないか」とも指摘した。
東京先物市場の中心限月3月物は、日中ベースでは昨年末以来の134円台となる134円22銭で取引を開始。直後から買いが先行すると134円50銭まで買い進まれたが、午前の取引終盤にかけていったんは伸び悩んだ。
午後の取引開始直後には134円31銭まで上げ幅を縮めたが、この水準を売り込むには至らず、その後はあすの日銀の決定を見極めようと134円40銭付近でのもみ合いが続き、結局は64銭高の134円40銭で引けている。
日銀が17、18日の日程で金融政策決定会合を開催するにあたり、前日までの市場では半年ぶりの追加利上げが実施されるとの見方が有力視されていた。
しかし、昨晩に共同通信が日銀は物価、消費動向を見極めるため利上げを見送ると報じたほか、この日も東京新聞はじめ朝刊各紙が利上げ見送りの可能性を指摘すると、この日の市場は利上げなしの見方に大きく切り替わった。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、相場が結果的には一連の観測報道に振り回されたとしたうえで、「月末の消費者物価(CPI)の数値次第で2月利上げの可能性をわずかに残しながらも、今回会合での利上げを先取りしていたぶんだけ買い戻しが急激に進んだ」との見方を示した。
実際、「投資家の積極的な買いが入ったというより、年末、年始に広がった1月利上げの思惑の反動で、債券先物などに踏み上げが膨らんだ」(リーマンブラザーズ証券・山下周チーフJGBストラテジスト)とされたとおり、利上げ観測を手がかりとした売り持ち高の買い戻しが相場を押し上げていた。
年末以降に1月利上げの可能性が報道されると、先物3月物は年明けと同時に134円の大台を割り込み、15日には中心限月として昨年10月24日以来の安値圏に到達しており、こうした相場下落の反動が一気に噴出した格好だ。
10年債利回り1.7%割れ、昨年末以来の低水準
現物債市場で新発10年物の284回1月債の利回りは、前日比4ベーシスポイント(bp)低下の1.70%で取引を開始。午前9時40分過ぎには6.5bp低下の 1.675%をつけ、新発10年債としては昨年末以来の低い水準に到達した。午後に入るといったんは1.70%に戻したが、その後は再び1.7%を下回って1.685 −1.69%で推移している。
前日までの市場では、日銀が仮に利上げに踏み切ったとしても、次回についてはさらに半年程度の期間を要するとの見方が強いことから、日銀会合というイベントをこなせば買いが入るとみられていた。
しかし、利上げ見送りの見方がにわかに広がったことで、先物には買い戻しが優勢となり、現物債も短中期ゾーン主導で金利低下圧力がかかった。
市場では、昨年10−12月期の国内総生産(GDP)を確認のうえ、2月に追加利上げが行われるとの見方もあり、一段の金利低下局面では買い控えの雰囲気が強まる公算もあるが、「10年債利回りの当面のめどは、昨年12月26日の1.565%と、1月11日の1.760%との半値戻しの1.66%程度ではないか」(三菱UFJ証券の石井純チーフ債券ストラテジスト)との指摘があった。
今後は26日発表の昨年12月の全国CPI(除く生鮮食品)にも注目が集まりそうで、「コアCPIが前年比0.1%上昇にプラス幅が縮まると、2月の利上げも厳しくなるとの見方が強まりかねない」(山下氏)ともいう。
みずほ証券の上野氏は、今回の会合後に買いが入るとの見方がコンセンサスだっただけに、その前に金利が下がったことで焦りも出てくるとしたうえで、「あすの福井総裁会見のトーン次第、もしくは来週のCPIなどをきっかけに、意外に早い段階で1.6%近辺をトライする場面がありそうだ」とみていた。
(債券価格) 前日比 利回り
長期国債先物3月物 134.40 +0.64 1.904%
売買高(億円) 52812
10年物284回1月債 100.13 1.685(-0.055)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 赤間信行 Nobuyuki Akama
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=17bloomberg13af_9AbvCm.Pc