★阿修羅♪ > 国家破産48 > 1012.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djBKI5611.html
2006年のADR取引規模、過去最高
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)主要証券取引所がグローバル化の動きをみせるなか、米国の投資家による外国株への投資が増え、2006年の米国預託証券(ADR)の取引規模は過去最高水準となった。
JPモルガン・ワールドワイド・セキュリティーズ・サービシズによると、05年には9630億ドルだったADRの売買代金は06年、1兆5800億ドル超に増加した。
「ADRへの関心の高まりは、リスク分散の方法が多様化していること、06年はダウ工業株30種平均やS&P500種指数の採用銘柄に比べ米国外の銘柄のパフォーマンスが良かったこと、ドル安が続いていることなどの表れ」と、バンク・オブ・ニューヨークの執行副社長兼デポジタリー部門責任者のクリストファー・スターディ氏はみている。同部門はADR取引の代行を手掛けている。
同氏はまた、個別に管理される取引口座が大幅に増えたことを指摘した。投資家や投資責任者にとり、これは株式をまとめる上で費用効率性の高い方法という。さらに、ここ数年でヘッジファンドによる外国株投資が増え始めたこともADR取引の増加につながったとみている。
JPモルガンによると、米国の主要証券取引所であるニューヨーク証券取引所(NYSE)、ナスダック、アメリカン証券取引所に上場されているADRは450銘柄。
JPモルガンの中南米ADR部門責任者は「ADRが好まれている大きな要因は、取引が容易なところだと思う」と述べた。米国の投資家は、外国株に投資するミューチュアルファンドを購入できるが、外国の証券取引所で直接株式を購入するのは、外貨との換算や規則の違いなどから、難しいと考えられる。
その点、「ADRなら、米国の投資家は日ごろ使い慣れた方法や規則に沿って(外国企業の)株式をドルで売買できる」と、市場調査会社TABBグループ(マサチューセッツ州ウエストボロー)のコンサルタントは話している。
グローバルな証券取引所ができた場合、ADRの役割が小さくなるのかどうかについては、まだわからない。NYSEを運営するNYSEグループ(NYSE:NYX)と、欧州4カ国の証券取引所を保有するユーロネクスト(24151.AE)との合併は、双方の株主に承認され、規制当局や関係政府の承認を待っているところ。NYSEグループは先週、インドのナショナル証券取引所(NSE)の株式5%を取得する方針を明らかにした。ナスダック市場を運営するナスダック・ストック・マーケット(Nasdaq:NDAQ)は、ロンドン証券取引所(LSE.LN)の買収を目指している。ただLSEは、提示額が低すぎるとしてナスダックからの買収提案を拒否している。
業界専門家は、グローバルな証券取引所ができても、米国の投資家が外国株に投資するのは、規則の違いがあるかぎり難しいと考えている。スターディ氏は「新たな証券取引所が誕生しても、ADRの必要性は変わらない」と指摘した。
バンク・オブ・ニューヨークによると、ADRの主要10銘柄だけでADRへの総投資額の25%を超える。これらの銘柄には、メキシコの携帯電話サービス会社アメリカ・モビル(NYSE:AMX)、メジャー(国際石油資本)の英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル(NYSE:RDS.A、RDS.B)、医薬品大手の英グラクソ・スミスクライン(NYSE:GSK)などが含まれる。
「流動性が低く取引規則が米国のようには整っていない小規模な新興市場への投資意欲が増していることから、グローバルな証券取引所とADRはおそらく共存するだろう。グローバルな証券取引所がすべて相互に接続されたとしても、外国の証券取引所で株式を直接売買する可能性は低い」との声もある。