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□駐在員が危ない:高層ビルから飛び降りたビジネスマン [サーチナ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2855804/detail?rd
駐在員が危ない:高層ビルから飛び降りたビジネスマン
【メンタルリスクと中国】うつ状態編(1)―佐野秀典(MD.ネット代表取締役社長)
◆8人に1人が精神状態は「かなり悪い」
いま、中国に赴任する日本人の自殺が急増している。しかしほとんどの場合、根本的な原因は不明だ。自殺は隠されることが多いうえに、それと断定できない場合もあって、本当の原因は想像の域を出ないのである。一般に、自殺未遂者の数は既遂者の10倍といわれるが、海外ではそれをさらに上回ると考えられる。海外赴任中の日本人は10人に3人が精神的な問題を抱えていると推計されているとおり、本国よりも強いメンタルリスクにさらされるのが海外生活なのだ。
なかでも中国に生活の基盤を置く企業駐在員は、私たちが関連機関を通じて行った調査でも明らかなように、8人に1人の割合でメンタルコンディションがかなり悪いと答えている。実際のメンタルヘルス相談においても中国関連の件数は近年急激に増加してきていることから、中国駐在員のメンタル状況は悪化しつつあるといえよう。健康領域レベルの「悩み」からうつ病などの疾病領域の問題まで様々な相談内容があるが、それらを通じて、問題の背景には中国の企業駐在員特有のメンタル事情が潜んでいることが分かってきた。しかしその事情に触れる前に、今回は典型的な例としてB氏のケースをご紹介しておきたい。
◆自殺を図ったB氏の軌跡
ある晴れた冬の日、日本人男性B氏が上海の高層アパートから飛び降りた。その報らせを受けたB氏と面識のある駐在員仲間の1人が「えっ!あのBさんが?本当か?この前の会合では、あんなに元気だったのに・・・」と絶句したように、関係者にとってはじつに衝撃的な事件だった。
大手電気メーカーに勤務する35歳の既婚男性B氏。元来、几帳面で責任感があり、人望は厚かった。本社での勤務態度や上司との関係も良く、会社として中国進出の第一歩となる上海近郊の工場にプロジェクトリーダーとして赴任したのはわずか一年半前だった。中国語は学生時代に勉強していたものの、海外での生活経験はなく、家族を残して上海で暮らすことに迷いはあった。しかし、成長著しい中国でビジネスができるチャンスは滅多にあるものではない。上司の励ましもあって、辞令から1カ月後にB氏は上海に渡った。空港から会社に向かう車中、超高層ビルが立ち並び、未来都市さながらの上海の街を見て、B氏は圧倒された。「よし、やるぞ!」。これまでにない意欲が湧き上がってくるのを実感していた。
赴任後は毎日が忙しく、充実した時間が過ぎていった。仕事は精力的にこなし、余暇もそれなりに楽しんでいた。ひそかに懸念していた食生活もまったく問題なかった。ところが4カ月が過ぎた頃、ときどき胸のあたりが圧迫される感じがするようになった。これまで感じたことのないような違和感。なんとなく息苦しく、動悸もするようになった。
「心臓が悪いのかな?そういえば、会社の健診でも指摘されたことがあったな」B氏はすぐに会社近くの病院で受診した。病院の設備は日本とほとんど変わらなかったし、診察も通訳を挟んで行われる申し分のないものだった。しかしそれでも、検査結果は「異常なし」だった。
B氏の体調は、その後もすぐれなかった。めまいや動悸、頭痛のため、たびたび遅刻や早退、欠勤をするようになった。同僚や上司は「ひょっとしてストレス性のものではないか?」と心配したが、B氏本人は「そんなことはありません、疲れがたまっているだけですよ!」と、元気に否定していた。
仕事面では、当初は順調だったプロジェクトが次第に困難なものになりつつあった。予期しないトラブルの続出、理解しがたい中国のビジネス習慣に加えて、本部からのプレッシャーも重荷に感じられるようになった。また、自分に対する周囲の期待がどんどん薄れていくのを感じ、焦燥感が日に日に募っていった。総経理は「有休もたくさん残っていることだし、少し休暇をとって、体調を万全に戻すことを優先してはどうか」と提案したが、B氏は周囲に迷惑がかかるからと、その提案を聞き入れようとしなかった。
本人が言うとおり、外見上は特に憂鬱そうな様子は見られなかった。周囲も、体調不良は精神的な問題というより、身体的なことが原因となっているように思えた。しかし日を追うごとにケアレスミスが目立つようになり、次第に工場内での人間関係もギクシャクしたものになっていった。そのような状態が2ヶ月ほど続くうちに、現場の中国人技術者たちから不満が聞こえ初めた。総経理は、そろそろ決断する時期が来たと思った。本社の人事部と連絡をとり、B氏が翌日出勤したら帰国を指示することに決めた。
B氏が飛び降り自殺を図ったと総経理のもとに連絡が入ったのは、まさにその翌朝だった。
2006年12月14日09時53分
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