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□【書籍紹介】戦後史の4つの災厄から現代日本の病巣を告発 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2803540/detail
戦後史の4つの災厄から現代日本の病巣を告発
「はじまりの場所日本の沸点」樋口健二著(こぶし書房 2400円)
豊かさを求め続けて猛進してきた日本社会の繁栄の陰で、見捨てられ、切り捨てられてきたさまざまな問題を丹念に取材してきた著者によるフォトルポルタージュ。
四日市公害、白神山地の森林破壊、傷痍軍人、東海村JCO事故――かつて取材したこの4つのテーマの現場を再訪して、現地の「今」を改めて取材。歳月の経過とともに風化しつつあるそれぞれの事件を検証しながら、現代日本の病巣を明らかにする。
公害病患者による抗議の自殺の記事に導かれ66年に訪ねた四日市は、著者の写真家人生の原点の場所でもある。24時間休みなく有毒ガスを吐き続けるコンビナートや、工場群に隣接する小学校に通う子供たち、そして有毒ガスに体を侵された人々など。当時の取材の様子を作品とともに振り返る。再訪した四日市では、公害裁判で被害者の側に立って多大な貢献をした人物たちが行政側に転じ、「『公害』をなかったことにしてしまう力学が働いて」いる現実を目の当たりにする。
各地の国立療養所(当時の呼称)で暮らす「傷痍軍人」たち、東海村JCO事故による放射線被害に苦しみ健康被害裁判を闘う夫婦など、負の遺産を背負わされた人々の声に耳を傾け、その痛々しい姿をカメラに収める。
読み進むほどに読者は、取り上げられた4つのテーマが氷山の一角でしかない事実を知ることになる。事件・事故を消耗品のように消費していくマスコミの手法とは一線を画し、日本の暗部を見詰め告発し続ける著者の仕事に敬服。
【2006年11月30日掲載】
2006年12月03日10時00分
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