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(回答先: 今世紀半ばには漁業崩壊 生物種の減少が進み [世相両断] 投稿者 white 日時 2006 年 11 月 05 日 12:05:50)
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/conservation/news/06110301.htm
06.11.3
カナダ・米国・英国・スウェーデン・パナマの研究者からなる国際研究チームが、海洋生態系の破壊が現在のペースで進めば、2048年までには世界中の海産食品資源が消滅してしまうだろうとする新たな研究を発表した。
Boris Worm et al.,Impacts of Biodiversity Loss on Ocean Ecosystem Services,Science 3 November 2006:Vol. 314. no. 5800, pp. 787 - 790.
Abstract:http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/314/5800/787
”サヨナラ・スシ・・・”のタイトルでこの研究について伝えるネイチャー・ニュースによると、研究を率いたカナダ・ダルハウジー大学の海洋生物学者・ボリス・ワーム氏は、海産食品をどんなに食べくても、どこでも食べられなくなるのはほぼ確実と言う。
Sayonara, sushi...,new@nature,11.2
http://www.nature.com/news/2006/061030/full/061030-10.html
研究者は、生物多様性の喪失が海洋生態系にどれほど影響を与えるかを検証するために、世界各地の経験と50年以上の長期にわたる地域と世界の漁獲データを分析した。計算結果は、過去200年、沿岸の生物多様性は、汚染による水質悪化、有害藻・沿岸の洪水・殺魚の急増に伴い、急速に低下していることを示した。海産食品資源についても、1950年に利用できたものの29%が2003年時点で失われており、残ったものも2048年までにはすべて消えてしまうだろうという。
研究は、海洋生物多様性の喪失は食品を供給し、水質を維持し、生態系撹乱から回復する海洋の能力をますます損ないつつあると結論する。ただし、利用できるデータは、現時点ではこれらの趨勢は未だ覆すことができることも示唆していると言う。分析は、一部地域では、現在の保全の努力が漁獲減少傾向の反転に成功してきたことも示した。
ワーム氏は、保全計画と漁獲管理で、2048年までにすべての資源が消えてしまうのは防がれると期待する。そのためには、漁業は大量の漁獲の影響が比較的少ないニシンやサバのような資源に焦点を置くべきである。生息地回復、汚染の削減、地球温暖化の減速も現在の趨勢を反転させる重要な要因になる、このような努力により、生物多様性を回復させ、海洋生態系の生産力と嵐や漁業のような撹乱要因への抵抗力を強めることができると言う。
ただし、ネイチャー・ニュースによると、米国海洋大気局漁業局の主任科学者・スティーブ・ムラウスキー氏は、 この研究は漁獲量が過去の最大実績の10%以下に落ち込むとき漁業が全面崩壊すると想定しているが、過去の大きな漁獲量自体が、多くの場合、資源の持続的再生産能力をはるかに超える乱獲の結果であり、この限界点に達する前に漁業が崩壊する恐れがある、事実、漁獲量がこのレベルに達していないところでも漁業が崩壊してきたと指摘する。つまり、2048年よりも前に漁業が崩壊してしまう恐れがあるということだ。
乱獲抑制のための規制が強化されてきたことは事実だ。ただ、資源絶滅を回避するために科学が不可欠として提案する漁獲規制は、漁業への当面の悪影響を回避しようとする政治的圧力により常に緩められてきた。その緩められた規制さえ、現実には守られてこなかった。
例えばEU。欧州委員会は毎年、国際海洋探査協議会(ICES) の科学的勧告に基づいて自ら作り上げた漁獲制限案をEU各国の閣僚で構成される閣僚理事会(EUの決定機関)に提案している。ICESは過去4年にわたり、北海、スコットランド西部近海、アイルランド海でのタラ漁全面禁止を勧告してきた。しかし、閣僚理事会では”マラソン”協議が恒例となっている。欧州委員会も、長期資源回復計画の提案が精一杯で、その採択さえ難航している。この4年間に8万トンを超えるタラが漁獲された。今年10月24日に開かれたバルチック海のタラ漁獲規制を討議する閣僚理事会で、漸く科学的意見尊重に向けての前進が生まれたが、それでも、漁労期間の10%短縮と、タラ資源長期回復計画の迅速な採択を促す目的で、タラ漁獲割当を僅かばかり減らすことが合意されただけだ。
European Commission;Joe Borg welcomes “balanced Council agreement on fish quotas for 2007 in the Baltic Sea”,10.25
マグロ等他の魚種にかかわり、日本も関係する各種の国際規制についても同様なことが続いている。その上、生息地破壊、水質汚染、地球温暖化はますます加速しているのが現実だ。
ということは、2048年よりずっと前に”サヨナラ スシ”ということになる恐れもあるということだ。
関連ニュース
No more seafood by 2050?,NewScientist.com,11.2
http://www.newscientist.com/article/dn10433-no-more-seafood-by-2050.html
Ocean Life on the Brink of No Return,IPS,11.2
http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=35349
Overfishing threatens catastrophe, study finds,The Los Angeles Times,11.2
http://www.latimes.com/news/science/la-me-oceans-webnov03,0,6737729.story
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