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(回答先: 北朝鮮の「拉致事件」も日本政府と北朝鮮とロックフェラーの「やらせ」だった?!(遊牧民のメディア棒読み!) 投稿者 天空橋救国戦線 日時 2006 年 12 月 27 日 07:45:06)
http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-December/010795.html
[AML 11208] Re: NY記事「北朝鮮の拉致に怒りをあおる日本右翼」
より翻訳文を転載です(゛> "記号は除きました)。
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「北朝鮮の拉致に怒りをあおる日本右翼」
ニューヨーク・タイムズ、12月17日
http://www.nytimes.com/2006/12/17/world/asia/17japan.html?_r=2&oref=slogin&o
[12月16日東京]
日本政府のポスターは、血のように赤い北朝鮮地図が、若い日本人の目を覆い隠
している。日本の若者が危険であると暗示し、北朝鮮の脅威に目を向けるよう日本人
に促す。
そのポスターは、今週の集会において、30年以上前に北朝鮮によって誘拐され
た日本人がまだ留め置かれていると注意を促すための、際立ったディスプレーだっ
た。
通常そのようなイベントに出席する人々、親族や支援者、右翼団体構成員は、初
の特別ゲストである安倍晋三首相を待っていた。
安倍氏は群衆に語りかけた。
「私達は拉致問題で決して妥協する事はできません。」
「私は、任期中、最優先でこの問題に取り組むと誓います。」
日本の外では、北朝鮮指導者・金正日が4年前に犯罪が起こったと認めて5人の生存者を返した後では、拉致は既に終わった事かもしれない。
しかし日本では、国家主義的な政治家や団体によって、今なお毎日ニュース・メディアで活き続けるよう維持された燃え盛る問題であり、彼らの大事な目標である
平和憲法を葬ることや、学校で愛国心や道徳価値をすり込むことなどと同様にすっかりトピックとして反芻され続けている。
人々の情に訴えやすいこの問題は、右翼による身体的危険、あるいは言論の暴力にさらされている穏健派を沈黙させるのに貢献した。
このたった1つの要因を擁護したため、安倍氏は3ヵ月前に首相候補として無名から急浮上した。しかし、小泉純一郎という人気者の前任者によって敷かれた経済的な変更路線で、右肩下がりコースを取った安倍氏は支持率が急速に下がり始めた。政治的に生き残るために、彼は恐らく拉致問題にもたれ続けなければならない。
最近ニュース・メディアの自由に関する懸念を高じさせた動きとして、安倍氏
は、国際的な無線放送において更に拉致を強調するよう、公共放送局のNHKに命令し
た。NHKによれば、今年初頭から9ヵ月間、既にニュースのおよそ3分の1をこの問題に注ぎ続けていたにも拘らず、NHKは同意した。
警察庁は、先月また別の日本人、松本京子氏を拉致被害者として17番目に特定したと発表した。警察は、発表を補強するために、どんな新たな証拠も示さなかった。
単に「日本がそれを忘れていないという信号を送りたいと思います」と、チーフの
漆間巌は拉致問題について述べた。
全国のマスコミが松本氏の故郷、米子(西日本の辺鄙な都市)に集まった時、発表は日本中に怒りを注いだ。マスコミは、娘が1977年に失踪する前に母へ編んだカーディガンを握る、か弱い83歳の母親の姿を映し出した。
その母と兄が出席した米子での日曜日の集会では、右翼支持者は激励の言葉を供したが、また十八番の台詞をも披露した。荒木和博・特定失踪者問題調査会(民間団体)代表は、戦後日本における「集団的自衛権の拒否」と「専守防衛」を厳しく批判した。「これはただ、完全な妄想に他ならない」と彼は述べた。
その後の東京でのインタビューで、荒木氏は、松本氏の名を挙げるという決定が
政治的なものであると信じている、と言った。彼は警察の調査について述べた。
「私は、この新情報は危うく発表されずに終わる所だったと思う」
「安倍政権が権力を握り、何かをするよう皆に命じたので、警察はこのカードを出したのだ」
米子の松本家のインタビューで、兄の松本孟氏(59歳)は、京子が拉致被害者として最終的に認定されたので家族は安堵したと述べた。 彼は、国家主義者たちが未解決の拉致問題をつうじて彼らの大義を追い求めることを快く思っていなかったと
語った。しかし、それを達観して、彼はこう述べた。
「ある意味で、それはやむを得ません」
「例えば、国家主義者達が拉致問題を出さずに教育問題や憲法改定を図ろうとす
るなら、国会で突破口を切り開くのは非常に難しいと思います」
「重要な議案を扱うのに、4−5個の問題をひとくくりにして、拉致のような問題を前面に出すと簡単に通しやすい」
実際、安倍氏の自由民主党は、愛国心や道徳心、公徳心を強調する教育法を今週通過させた。国中で開催されたタウン・ミーティングにおいて、ヤラセ質問に謝礼金
を払い賛成意見をださせたうえで、法に対する支持を取り付けたと政府レポートは報
告している。
しかし、拉致問題が非常にデリケートなので、メディアは、その背後にある右翼団体に関しては報道せず、それ故にほとんどの日本人がそれに気づかない状態に留まっている。
中山恭子氏、拉致問題における安倍氏の特別顧問は、政府はこの問題を利用していないという。政府は、17人の日本人が北朝鮮に誘拐された中、12人がまだ説明されていないと言う。北朝鮮は、彼等が死んだか、または最初から全く誘拐されなかったと言っている。中山氏はインタビューでこう述べた。
「人々は、私達が政治上の目的で拉致問題を利用していると理解したのなら、誰も私達を支持しないと思います」
「多数の日本人の市民が誘拐されています。 彼等は電話さえ掛けるのを許されず、自由を奪い取られています。その事実は、日本人のセキュリティが脅かされている事を示しています」
政治的に拉致問題の重要性に挑戦するのは、野党政治家さえ控える程のタブーになった。リベラルなジャーナリストや学者は拉致問題の操作について個人的に詳述するものの、敢て僅かなコメントしか公表しない。大阪大学の歴史家、杉田米行氏はこう述べた。
「拉致問題は小学生さえ理解している重大問題です」
「安倍首相は、政治目標を実行する目的でこの問題を使用しています。北朝鮮は邪悪であり、これに対応するため、日本は憲法を改定して、学校で愛国心を増進しなければならない、と彼は言っています。それは彼がこの国を押し遣っている方向です。この手法は非常に上手く行っています」
「しかしまた、非常に危険でもあります」
「そのような感情的な問題に対して、このような方法で愛国心を煽り、既に言論の自由を犯しました」
こう述べる杉田氏は、この問題についてエッセーを出版した後、右翼から脅迫を受
けたのである。
この問題は、総合的にタカ派である日本政府の国内外における方針について、批判
的な日本の穏健派を沈黙させた。
その数少ない例外が加藤紘一氏である。安倍氏の自由民主党に在籍するこの年長の
議員は、アジアに対する強硬政策や日本の復古主義的愛国心に対する率直な批評家だ。この8月、加藤氏のコメントに腹を立てた右翼構成員は彼の実家を全焼させた後、切腹を図った。しかし、切腹は未遂に終った。
この問題が日本の愛国心を煽る事について加藤氏は「それは拉致問題だけではなく、反中国の、そして反北朝鮮の感情でもあります」と用心深く言葉を選びながら言った。
77歳の佐藤勝巳氏、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(私
的団体の全国総会)のリーダーは、焦点を拉致被害者だけに絞ったと述べた。 しかしインタビューで彼や、団体の地方リーダーの多くも日本会議の構成員であると言い切った。
日本会議は、戦後の戦争反対世論を拒絶し、帝国のシステムを受け入れ、アジアにおける先の戦争に対して日本を擁護する、日本で最もアクティブで大きい国家主義的組織である。
佐藤氏は「領域的に、私達の運動には右翼団体が幾つかあり、右に非常に傾いているように見えるのは事実」と述べた。かれは、安倍氏が首相選出された数日後に会見に呼ばれている。
米子では、今岡祐一氏(81歳)は救う会と日本会議の両方のトップだ。今岡氏は、戦後日本の堕落と看做される出来事、すなわち個人主義の偏重と男性の特権喪失といったことを糺す指導者が必ず現れると信じていたが、「安倍氏なら!」と言った。彼にして見れば、女性と子供に余りに多くの特権が与えられ過ぎてしまった。
多くの日本会議構成員のように、今岡氏はアメリカを、日本に民主主義をもたらした事ではなく、平和主義を去勢する事に対して称賛する。
彼は、安倍氏の主任補佐官の言葉をこう繰り返した。
「私達が核兵器を持つべきかどうかに関して、議論を行うのがタブーだなんて、
おかしくありませんか?」
「私達はそれについて自由に議論するべきです」