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(回答先: 【蓮池薫】週刊現代の記事に対する特定失踪者問題調査会 代表 荒木和博氏(拓殖大学教授)の見解 投稿者 kerogaso 日時 2006 年 12 月 27 日 17:41:00)
http://chosa-kai.jp/cyosakainews/kongetunews/news061228.TXT
[調査会NEWS 456](18.12.28)
■蓮池さんのこと
荒木和博
調査会の岡田常務理事から言われて気づいたのですが、蓮池透さんの著書『奪還 第
二章』126ページに警察の事情聴取に関する話が出てきます。その中にこんな一節があり
ます。
「弟夫婦への警察の事情聴取は結局、2004年秋に弟の希望通り実家で行われました。そ
の時、驚くような質問を受けたそうです。『北朝鮮のパスポートを所有していますね。
日本国内へ工作活動に来たのはいつですか?誰にも言いませんから』『北朝鮮で日本語
教育というある意味でスパイ養成に加担したわけですが、どういうお気持ちで?』弟は、
『日本国内になんて、入れるわけがないだろう。日本語教育は、われわれが生き残るた
めにやったまでなのに…あなた方は助けに来てくれたのか?』と激怒したそうです。状
況を聞いた私は開いた口が塞がりませんでした」
確かに、こう聞かれれば、薫さんが怒るのももっともでしょう。誰も助けに来なかっ
たのに何を言うか、というのは今北朝鮮に残っている拉致被害者からも、私たちはやが
て同じ言葉を聞かされることになると思います。
しかし、それはそれとして、この記述が事実なら、なぜ警察はあえてこういう質問を
したのでしょうか。何も根拠がなくて、皆が腫れ物にでも触るように扱っている帰国し
た拉致被害者にこういうことを聞くでしょうか。やはり警察は何か極めて重要な情報、
捜査上の秘密などという言葉で隠してはならない重要なことを知っていて、そして隠し
ているのではないかと思わざるを得ません。あるいはそれは警察レベルのことではない
のかも知れません。そして隠しているという意味ではもちろん帰国した5人もです(私は
少なくとも5人を非難するつもりはありませんし、その資格があるとも思いませんが。)
ちなみに私はこれまで5人に何度も、もっと積極的に事実を語ってほしいと手紙を出し
てきました。『奪還 第2章』にはそのことも書かれており、調査会から脅迫状めいた手
紙が届いたとされています。そう受け止められているとすれば残念ですが、私たちはほ
んの僅かな、不確かな情報でも渇望している失踪者のご家族の思いを背に負っているの
ですから、多少の無理はせざるを得ません。それが脅迫であるとして罪に問われるなら
それも仕方ないと思います。
少し話が変わりますが、平成14年9月17日の、外務省飯倉公館で確認もしていない死亡
情報を「確認しました」と伝えられたこと、そうしておきながら北朝鮮の伝えてきた「
死亡」日付などの情報は伝えなかったという体験のおかげで、私の国家権力というもの
に対する見方は大きく変わってしまいました。この件については拙著『拉致 異常な国
家の本質』に書きましたが、先日これが原作となった漫画が『撃論』というコミックの
中に掲載されています。山本美保さんの事件についても載っていますので、関心のある
方はご一読下さい。もっとも、そのときの雰囲気は結局その場にいた者でなければ分か
らないとは思います。
さらに話が飛躍します。遡ること65年、ミッドウェー海戦での大敗北を、当時の帝国
海軍は隠し続けました。陸軍すら知らない状態であったのですから、その後まともな作
戦計画など立てられるはずはありません。残念ながらまだ見ていないのですが、今上映
されている映画「硫黄島からの手紙」にも栗林中将が海軍の現状を知って驚愕するシー
ンがあるそうです。これは決して誇張ではないと思います。
そのとき、海軍の首脳に何らかのはっきりした方針があって隠していたならまだ良か
ったでしょう。実際にはそんな高次元なものではなく、単に「認めたくない」「責任を
取りたくない」ということだったとしか思えません。そして、そこから始まった壮大な
ボタンの掛け違えの結果が何であったのかは歴史が教えてくれています。
私には今、拉致問題をめぐって行われていることがこれと同じなのではないかと思え
てなりません。国家としての基本方針が存在しない中で、個別の機関がそれぞれ自分の
都合で隠したり、あるいは必要に応じてマスコミにリークしたりする。マスコミはマス
コミで、個々の記者は「おかしい」と感じながらもリークする者の意図に沿うように報
道してしまう、ということで来てしまっているのではないか。そんな懸念がこの数年脳
裏を離れないのです。
拉致問題は絶対にハッピーエンドでは終わりません。「見なければ良かった」という
ようなことに私たちは今後何度も直面することになるはずです。しかし、正面から真実
と向き合う勇気がなければ、必ずそのツケは私たちに回ってきます。想像もできないよ
うな事実を受け止めることができるかどうか、私たち一人ひとりが天から試されている
のかも知れません。
■調査会役員の参加する講演会等の予定
(公開のイベントのみ。救う会・家族会の役員と兼任の役員が参加する場合もあります
が、調査会の役員として出席する場合のみ記載してあります。)
★平成19年1月14日(日)13:30〜 北朝鮮による拉致・人権問題を考える神奈川県民集会
●横浜情報文化センター 情文ホールhttp://www.idec.or.jp/shisetsu/s6-jouhou.php4?f=jouhou/6-map.htm
●理事村尾が参加
●問合せ:090-9816-2187
★2月10日(土) 米子集会
●代表荒木が参加
★3月11日(日)水戸集会
●代表荒木が参加
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特定失踪者問題調査会ニュース
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〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-8 第6松屋ビル401
Tel 03-5684-5058 Fax 03-5684-5059 email:chosakai@circus.ocn.ne.jp
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp
戦略情報研究所ホームページ: http://www.senryaku-jouhou.jp
発行責任者 荒木和博 (送信を希望されない方、宛先の変更は
K-araki@mac.email.ne.jp 宛メールをお送り下さい)
●資金カンパのご協力をよろしくお願いします。
郵便振替口座 00160-9-583587 特
定失踪者問題調査会
(ポスター・ストラップの代金と混乱する可能性がありますので、通信欄に「調査会へのカンパ」
「家族支援基金へのカンパ」「ポスター代金」「ストラップ代金」など、使途をご記入下さい)
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