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中国は、真の意味での世界の工場からはほど遠い。今後、中国は、初級製品の加工基地にすぎなくなる
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投稿者 TORA 日時 2006 年 12 月 05 日 09:33:29: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu133.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中国は、真の意味での世界の工場からはほど遠い。今後
しばらくすれば、中国は、初級製品の加工基地にすぎなくなる

2006年12月5日 火曜日

◆ある日本人の目から見た中国の工場 10月31日 大紀元
http://jp.epochtimes.com/jp/2006/10/html/d87914.html

【大紀元日本10月31日】私は、典型的な「エコノミック・アニマル」と称される日本人ビジネスマンである。中国に来て既に6年余りが経過し、これまで、中国の5つの都市で仕事、生活をしてきた。中国語の聞き取りはできるが、口語は流暢ではなく、漢字の大体の意味を読み取ることができるが、書くことはできない。

 私の見解として、中国の工場の生産能力は大きく進歩したが、「世界の工場」という視点からみると、更に長い道のりを歩む必要がある。

 @「世界の工場=血と汗の工場」ではない

 日本人をアリにたとえる者があるが、苦労に耐える点において、日本人は中国人に大きく劣っている。中国の珠海デルタ、長江デルタ、江浙一帯では、技術が遅れ、生産物が同じで、管理がいい加減な家族式工場が数え切れないほど存在している。こうした工場は、総じて技術レベルが低く、唯一の強みは、アリのように苦労に耐え、牛馬のように働く従順な中国人たちである。労働者の日々の労働時間は10時間以上と非常に長く、ぼろぼろの家に住み、最低レベルの生活を送っている。もちろん、基本的な社会保障なども得られない。時給で換算すると、彼らの賃金は世界最低である。一部の出来高制の工場では、従業員の平均労働時間が12時間以上にも達し、工場長から強いられなければ、休もうとしない。私が勤務する企業には、衛生業務に従事する中国の女工がいる。彼女たちには、督促をする者、直接管理する者はいないが、毎日ものを言わず、黙々と、10時間以上ひっきりなしに働く。それは、ただ、彼女たちの賃金が他の工場の女工よりも少々高いからである。彼女らのような存在は、決して珍しくない。彼女らが、収入の80%を家に送ると聞いても、誰も驚かない。日本人の視点からみると、彼女らに残されたお金では、生存の基本的な生活を維持するにはとうてい足りない。まして、彼女らは、部屋代、水道代を支払わなければならないのである。私は、かつて東南アジアの多くの国で仕事をしてきたが、経済的に遅れているミャンマーでさえ、労働者の残業は相当に困難なことで、彼らは多くの要求をしてきた。フィリピンの労働者は、このような苦しい生活をしようとしない。また、フィリピン人は、1ヵ月働けば、1ヵ月休み、前月の賃金を使い果たした後に再び働く。インドネシアにおいて、こうした仕事をしようとする者は全くいない。したがって、私の考えでは、世界の仕事が中国に移転されているとはいうが、これは、苦しみに耐える中国人によって支えられているのであり、こうした工場は、世界の他の国では、中国人以外に生存することはできない。

 A熟練労働者なくして「世界の工場」の基準に達するのは困難

 中国の南方、北方の各都市において、多くの労働者が、大群をなして就業の機会を待っている。しかし、本当に技術を理解している熟練労働者は、非常に稀である。これは、中国の大部分の工場に長期的な計画がなく、技術支援に欠けていることによってもたらされたものである。農村から来た大量の労働者は、今年はこの工場、来年はあの工場で働き、今年は靴を作り、来年は服を作りと、産業における労働者の流動性が極めて高く、有効な組織管理がなされておらず、基本的な職務訓練がなされていない。同時に、工場に長期的な計画がなく、往々にして、売れるものに集中して生産するので、労働者の技術もまた、製品の変更に伴って変更しなければならない。多くの情況において、工場は現在の労働者を解雇し、市場において新たな労働者を雇用するが、このため、大部分の労働者は、一種類の技術に長く従事することが難しくなっており、技能を向上させることができなくなっている。日本は、技術開発において優位に立っているわけではないが、世界が比肩できない完璧な技術を持った産業人員の大軍を擁している。彼らは、関連する業務に何十年も従事し、世界で最も精密な製品を巧みに作り出すことができる。こうした腕は、高等教育機関の教育の結果でも、短期の訓練で達成されたものでもなく、長年にわたって鍛えあげられてきたものである。中国人は、日本人よりも腕利きであり、かつてはこの上なく精巧で美しい工芸品を作り出していた。しかし、現在の中国の工場就業モデルにおいては、彼らが腕を磨く舞台はなく、中国の労働者は、流砂と同様に、今年はこちら、来年はあちらへと流動していくため、技術の熟練に必要な条件を満たすことが難しくなっている。

 B規模の小さい工場が「世界の工場」の基準に達するのは困難

 中国の工場は、ほとんどが小規模であり、同じ製品を作る工場は、その態様が同じである。日本の水準からみると、こうした工場は単なる作業場で、産業化された生産水準には達していない。中国の工場が最も密集している珠海デルタ地区における、全ての工場の年間生産額を足し合わせた数字は、日本の大企業1社の総生産額にしかならない。同様の製品を、無数の工場が別個に生産しており、その結果、工場の操業時間は短く、製品のコストが高くなっており、企業に、技術開発を行い、技術開発部隊を育成する余剰資金はない。また、労働力のコストが安いことから、企業に、より先進的な技術の設備を導入しようという意識はない。珠海デルタにおいては、テレビ、電子レンジ、エアコン、冷蔵庫、電話等の低技術の家電を生産する正規の企業や、作業場式の企業が数え切れないほどあるが、世界の名声を得るようなブランドはない。服装、靴、帽子、玩具に至ってはなおさらであり、同様に、規模の生産を行うための最低限の生産水準に達しているものは全くない。

 C低技術を主体とする工場が「世界の工場」の基準に達するのは困難

 世界的名声を得ている企業は、基本的に、製品の自主開発能力、科学的研究、生産、販売、サービスをワンセットで有しており、中国の工場の大部分は、基本的には模倣生産か、他社の生産の代行であり、技術を他社にコントロールされ、利潤が最も高い部分は他社に掌握されている。中国の科学研究体系と生産体系は、基本的に噛み合っておらず、製品開発能力が低下しており、基本的に模倣生産を主としており、自主開発能力は極めて低い。

 D効率の低い管理方式では、「世界の工場」の基準に達するのは困難

 企業の生産が進歩すればするほど、管理に対する要求はますます厳格になる。しかし、この点は、中国において最も欠落している。中国の工場の総数は、日本のそれを遥かに上回っているが、プラント設備を生産できる工場は少なく、大部分の設備は、海外から輸入したものである。中国の各工場を見て分かることは、比較的先進的な設備や、求められる技術の水準が高い部品は、海外から輸入したものである。この点について、中国に最も欠けているのは、生産能力ではなく、プラント設備を生産するための組織管理能力である。プラント設備は、大規模に生産を行う製品とは異なり、一式の生産設備は、おそらく数年で一セットしか売ることができない。より多くの利潤を得ようとするならば、関連する各材料、メーカー、規格、標準等様々な複雑な要素を総合的に組織し、時計の組み立てのように、精緻に組み立てていかなければならない。

 管理のプロセスが一つでも乱れれば、ただちにコストが増加し、性能が低下する。中国は、依然として、精緻な組織管理能力に欠けており、効率の低い国有企業の管理階層が行っているのは、基本的に、官僚式の管理方法であり、規模が比較的小さい規模の工場には鍛錬の機会が与えられない。かりに、エアバスの飛行機の生産が中国で行われ、管理を中国人が行うとすれば、生産価格が高くなると私は思う。また、個人的に見て、中国に欠けているのは管理者ではなく、管理者を科学的に選抜する基準がないことである。無能で、人格が低く、人の弱みにつけ込み、心理上の技を駆使するのが仕事であるような無能の輩が、賃金の高い管理者の位置を占めており、優秀な管理人員が発展する余地を塞いでしまっている。

 中国には、世界のどの地方も真似ることのできない、最も苦労に耐える人民がいるが、彼らは、熟練技術に欠けた労働者である。世界で最も多くの工場を擁しているが、規模が世界レベルの企業は全くない。製品の種類を揃えることはできるが、先進技術で自主開発を行っている製品は非常に少ない。膨大な生産能力を擁しているが、先進技術を用いたプラント設備を作ることは難しい。

 中国は、真の意味での世界の工場からはほど遠い。今後しばらくすれば、中国は、初級製品の加工基地にすぎなくなり、世界の工場の基準を満たすことは難しくなる。


(私のコメント)
先日の株式日記では78年の改革解放から30年近く経つのに、いまだに自律的な発展が出来ないのはなぜかと書きましたが、大紀元の記事で日本人技術者の指摘があった。根本的には中国は共産主義国家であり、企業の経営幹部は技術の事よりも、共産党への御機嫌とりが出世するシステムになっているからだ。

中国人労働者は過酷な状況の下で働き、世界最低レベルの賃金で働いている。共産主義国家は労働者の天国であるはずなのに世界一過酷な労働を強いられている。しかし就業機会を待つ農村地帯の就業希望者はいくらでもいるから、なかなか労働条件を上げて行く事は難しい。

沿岸部では人手不足が起きて賃金は高騰していますが、内陸部の開発が遅れている為に生活格差が著しく歪が生じている。労働者の雇用も安定せず、長期間一つの職場で働く事は少なく、派遣労働者やパート労働に近い労働形態だ。だから熟練労働者も少なく、生産性の合理化や向上もなかなか進まない。

日本のマスコミは「中国は世界の工場」と宣伝しているが、ほとんどが小規模な工場であり、中国発のブランド商品と言うものはほとんど無く、下請け的な生産かコピー商品の生産品が溢れている。このような状況ではとても「世界の工場」とは言えず、しいて言えば「世界の下請工場」でしかない。

中国発の世界的ブランド商品を作るには自主開発力が必要ですが、研究開発費にまわされる費用は少ない。すなわち企業のグローバル化に伴う下請け生産を中国は一手に引き受けているのですが、製品開発はグローバル企業が受け持っているからです。

このような構造では何時まで経っても雇用条件は改善されず、生産の合理化をするよりも安い賃金で人を多く雇ったほうが手っ取り早い。だから人民元の切り上げや賃金の上昇などで条件が悪くなると、中国から他のアジア諸国へグローバル企業は工場を移転させてしまう。

つまり13億の低賃金で勤勉に働く労働者の世界市場への参入は、他の同じような発展途上国にとってマイナスとなり、世界的な賃金デフレを招いている。アメリカや日本などのグローバル企業の企業業績は向上しているが、工場労働者の賃金は低下している。

本来ならば中国の経済発展が順調ならば中国発のブランド商品が出来て、付加価値の高い商品を作って国際競争力を高めていくべきですが、相変わらず低コストによる下請け生産が主流になっている。そのほうがグローバル企業にとっても都合がいいからだ。

中国の企業マネジメントも共産党独裁体制を変えないと企業文化そのものを変える事は難しい。例えば政府関連の事業に参入する為には会社の幹部に共産党の幹部を据えなければならないわけで、日本の公共事業に政府の天下りを受け入れているのと同じ構造だ。中国ではそれが大規模に行なわれている。

会社幹部がこのような状況では自力で高度なプラント設備を作ることは難しく、グローバル企業が作った工場に労働者を雇用させる事しかできない。もちろん企業の現地化も行なわれているが、熟練した技術者が不足しているから不良品や欠陥商品の山を築いている。


◆中国、血と涙に満ちた「世界の工場」 2005年12月16日 大紀元
http://jp.epochtimes.com/jp/2005/12/html/d25383.html

【大紀元日本12月16日】国際自由労連(ICFTU)が発表した報告によると、中国の離農者と国有企業からリストラされた失業者で、激しい就業競争が繰り広げられているため、賃金が激しく下がり、中国は血と涙に満ちた「世界の工場化」しているという。

 ICFTUの報告によると、中国では約2・5億人が一日当たりの所得が国際的な貧困基準(1日当たりの所得または消費1ドル以下)を下回っているという。約7億人が毎日2ドル足らずの所得で生計を立てている。「全世界のためにTシャツからDVDプレイヤまで生産している人は、毎週60〜70時間の労働を強いられており、8人〜16人部屋に身を寄せ、毎月44ドルにもならない安月給を稼いでいる。しかも怪我をすると、工場から追い出される羽目になる」(同報告書)。

 同連盟は向こう10年以内、中国は3億人の雇用を創出しないと、農業と国有企業から離れた人に十分な仕事を与えることができないと警告した。しかし、これは中国の現在の雇用創出能力をはるかに超えている(同報告書)。

 中国の貧困削減事業は長い間停滞し、2001年から2007年の間、農村家庭4分の3の所得が減少すると同連盟は分析している。「貧困をなくす」ことを目指す国際NGO団体オックスファムが発表した報告によると、中国政府がアメリカから安価な綿を輸入しているため、中国の綿農家は本年、2・08億ドルの収入減と72万人の失業という事態に直面し、中国で最も貧しい西部内陸の甘粛省と新疆ウイグル自治区はひどい打撃をうけることになる。

 ICFTUのゲイ・ライダ事務局長は、中国の経済成果のみが注目され、その暗い面は敢えて伏されてきたと指摘した。中国から安価な商品を輸入することによって自国の雇用の減少を懸念している国が多いが、中国の企業が50ドルにもならないDVDプレイヤをどのように生産販売しているのか、その背後の事実は経済の繁栄の中に隠されていると同事務局長は指摘した。

 ICFTUの報告の中で、中国の経済奇跡は、毎日過酷な条件下で働いている数百万人もの労働者の悲惨な境遇によって達成されたのだと述べ、「奇跡とは何か?工場で死ぬもの狂いになって働いている労働者は即ちいわゆる奇跡だ。不公平な現実は悪夢だ」と同事務局長は言う。


(私のコメント)
日本の新聞やテレビは中国経済の華々しいところしか報道しない。日本の記者が中国の過酷な生産現場を取材しようにもなかなか難しい。むしろ中国に進出した日本人幹部の方が実態をよく知っているのでしょうが、なかなか外部には話したがらない。冒頭の記事は日本人技術者の指摘ですが、日本の新聞やテレビではこのような事は報道できない。


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