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早稲田大学新聞
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1471/06/0610kitakaku.html
■北朝鮮核実験で高まる戦乱の危機
米日両軍が臨戦態勢へ/警戒感を高める中・露
■臨戦態勢の恒常化
北朝鮮の核実験に激怒したブッシュ政権は、横須賀基地から空母キティホークやイージス駆逐艦カーティス・ウィルバーを日本海に向けて出撃させた。これにふまえて米軍は、臨検=戦時経済封鎖を強行するために、海上自衛隊の哨戒機P3Cとともに、北朝鮮船舶をまさにいま追跡しているのだ。米日両政府は、日本海・黄海において、すでに対北朝鮮の臨戦態勢に突入している。米日による臨検と、これにたいする北朝鮮の抵抗・反撃を契機として、米日と北朝鮮との交戦へと一気に発展するのは必然なのである。
さらにブッシュ政権は、国連安保理において採択させた決議を錦の御旗として、北朝鮮船舶にたいする臨検を、英・豪をはじめとしたPSI(大量破壊兵器拡散阻止構想)参加国軍を動員して継続し、恒常化させようとしている。
ブッシュ政権につき従う安倍政権は、対北朝鮮の武力行使にふみきる意志を固めている。同時に、北朝鮮の民衆に絶望的窮乏を強いる金融経済制裁を、ブッシュ政権とともに発動した。米日による経済制裁と金正日政権の専制支配の下で、飢餓に苦しむ北朝鮮の民衆にいっそうの困窮を強制しようとしているのである。安倍政権は、こうした対北朝鮮の強硬策=戦争政策を推進するために、北を撲滅せよ≠ニ扇情的に叫びながら民族排外主義を煽りたてているのだ。
■世界的な軍事体制の構築
ブッシュ政権は、米日の臨戦態勢を恒常化させながら同時に、中国(・ロシア)への侵略戦争をかまえて、グローバルな軍事体制の構築を企んでいる。ブッシュ政権は、「全体主義国家」と烙印した中国・ロシアを主敵として、NATO同盟と日米新軍事同盟を強化・連結することを構想している。こうした構想にもとづいて、米日両政府は、中・露の弾道ミサイルを無力化し敵基地を先制攻撃するために、MDシステムの構築を前倒しでおこなおうとしているのだ。
またブッシュ政権は、北朝鮮との軍事境界線に近い韓国北西部において、米韓合同上陸演習を強行した(十月十九日)。韓国・盧武鉉政権に対北「宥和」政策の転換を迫り、米韓同盟を建て直すことを策しているのだ。同時にアメリカ政府は、米日韓<南方三角同盟>からの離脱=中露韓<北方三角同盟>の形成につきすすんでいる盧武鉉政権を追い落とすために、野党ハンナラ党へのテコ入れを強めてもいる。そのために金正日政権の暴走を最大限に利用しているのだ。
■狂気の戦争瀬戸際政策
米日の制裁にたいして金正日政権は、「第二、第三の『苦難の行軍』に力強く戦う」と、北朝鮮国民に経済制裁による大飢餓に耐えることを号令している。ブッシュ政権にたいしては、「二度目の核実験の実施」をもちらつかせながら、金融制裁の解除、米朝直接交渉、金一家の身分保障を要求している。金正日政権は、自らの政治支配体制崩壊の危機をのりきるために、アメリカにたいしてより冒険主義的な戦争瀬戸際政策をとろうとしているのだ。
また金正日政権は、中国政府の再三の制止をも無視して、核実験を強行しようとしている。金正日政権は、中国・胡錦濤政権にたいする不信感を募らせてきているのだ。胡錦濤政権は韓国政府とともに、南北朝鮮の「一国二制度」=「連邦」形成方式による統一という形での、北朝鮮の韓国への「併合」を構想し、これを金正日指導部に受け入れさせていた。しかし、この中国がアメリカの対北朝鮮金融制裁に同調し、中国領マカオの銀行にある金一家の口座を封鎖したのだ(九月)。金正日政権は、この事態に胡錦濤政権が統一後の金一族の「身分保障」を拒否したことをみてとったのである。それゆえに、中国に見限られたと感覚した金正日政権は、中国式の「一国二制度」方式による統一を拒否する意志を固め、アメリカとの直接交渉を求めて核実験を強行するという賭けにうってでたのだ。
■米日の制裁発動への対抗
中国・ロシア両政府は金正日政権を見限ったとはいえ、米日の戦争挑発にたいしては、「緊張を高めかねない挑発的な行動は避けるべきだ」と言いながら牽制している。彼らは、アメリカ主導のPSIへの参加をあくまでも拒否している。
その背後では、中国人民解放軍が、アメリカによる北朝鮮への軍事介入を警戒して、中朝国境付近で軍事演習を繰り返してもいる。あくまでも南北朝鮮の統一を自らの主導でなしとげることを企む中国・胡錦濤政権と、金正日体制の崩壊を企むブッシュ政権との政治的・軍事的な角逐が、いよいよ激化しているのだ。
まさにいま、〈米中新対決〉のもとで、朝鮮半島を発火点とした熱核戦争の危機さえもが忍び寄っているのだ。