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□【コラム】最近、日本をねたましく思う理由 [朝鮮日報]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2773601/detail
【コラム】最近、日本をねたましく思う理由
日本政府が22日に発表したところによると、日本は現在、戦後最長の景気拡大を記録している。
ここで「戦後」という修飾詞がついているのは、戦前、すなわち1945年の敗戦以前にもっと長い好景気があったという意味で、学者らによると19世紀末に64カ月間におよぶ長期の景気拡大があったという。この未曾有の好景気は1892年に始まって、1898年に幕を閉じた。
その間に清日戦争(日清戦争、1894−1895年)があったことから、この好景気が「戦争特需」によるものだったことがわかる。清国から戦争賠償金として支払われた3億6000万円は、当時の日本の国家予算の4倍、日本が費やした戦争費用の1.5倍に相当したという。まさに「戦争ビジネス」で巨利を手にしたのだ。このカネが還元されたことで、好景気が続いたとみられる。
ご存じのように、清日戦争はどの国が韓国を手に入れるかをめぐる植民地争いだった。それゆえ韓半島(朝鮮半島)が戦場となった。韓国が被害を受けたのはもちろん、続く露日戦争(日露戦争)を経て日本の植民地になるという悲劇を味わった。ということからもこの最長の好景気も、韓国人の立場からすると非常に気分の悪い話なのだ。
だがそれよりももっと気分を悪くさせる日本の好景気は、1954年12月から1957年6月までの31カ月間続いた「神武景気」だ。
戦後最初の長期景気拡大となった神武景気の間に、日本経済は米国の援助により名実共に独立するという発展を成し遂げた。神武景気という名称は日本の神話に登場する初代天皇「神武」の名をとったものだ。日本政府が1956年の経済白書で「もう戦後は終わった」と宣言したのを見ても、当時の興奮ぶりを察することができる。
この景気の踏み台となった事件こそ、われわれの悲劇である韓国戦争(朝鮮戦争)だ。日本は参戦した米軍に軍需物資を供給し、莫大な資金を蓄積した。例えば戦車を修理することで重工業が復活し、軍服を供給することで繊維業が復活するという具合だった。韓国戦争を通じ、日本が得た直接的・間接的な恩恵を額にすると計46億ドルに上るといわれている。
その十数年後、韓国経済が近代化する上で肥やしとなった対日請求権による資金が8億ドル(無償3億ドル)程度だったことを考えると、瞬間的に怒りと虚無感の入り交じった感情がこみ上げてくる。
今回の好景気で日本国民が実感している変化として、企業の雇用拡大がある。突き詰めて考えれば、雇用は企業の活発な国内投資があってこそ生じるもので、活発な国内投資は海外需要の拡大、すなわち輸出増加が引き金となる。今回のケースでは、輸出増加の多くが中国経済の拡大によるものだ。58カ月間におよぶ今回の好景気の間に、日本の対中輸出は2.88倍も増加した。
しかし「中国特需」の陰で、あまり語られないもう一つの「特需」が存在している。それは韓国市場の需要だ。同期間に日本の対韓輸出は1.89倍も増加した。韓国との貿易で日本が手にする貿易黒字も2001年の72億ドル(約8400億円)から、昨年には227億ドル(約2兆6400億円)に達し、3倍に増えた。
その理由の一つとして、韓国企業が輸入に頼っている産業分野への投資をためらっていることが挙げられるだろう。好況と無縁な状況にある韓国が、いったいなぜ日本に利益をもたらしているのかを考えると「韓国はまた失敗を犯しているのではないか」といった懸念を抱かざるを得ない。
どのみち経済に善悪の論理などない。仮に韓国の不幸が隣国の幸福につながっているとしても、それは韓日両国の間だけで起きることでもない。しかしそうした事態が何度も繰り返されるとなれば、それは問題だ。しかも、そうした事態が頻発する理由が、すべて無能な指導者のせいだとしたら、それは他人に責任転嫁する前に、われわれ自身が反省すべきことだろう。
日本の好景気を横目に、正直妬ましくて仕方がない今日この頃だ。
鮮于鉦(ソンウ・ジョン)=東京特派員
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
2006年11月26日19時00分