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□【コラム】これでも「師団級上陸訓練」と言えるのか [朝鮮日報]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2695161/detail?rd
【コラム】これでも「師団級上陸訓練」と言えるのか
「参加する兵力の数は約8000人、艦艇約10隻、ヘリコプターなど航空機約40機、水陸両用装甲車約70台を投入。初の韓国軍単独による師団級の上陸訓練。」
これは先月27日に合同参謀本部と海兵隊が初めて米軍の支援なしに行った師団級上陸訓練について説明した公式資料の内容だ。1個師団に肉迫する兵力が韓国軍の海兵隊が保有する上陸艦艇と水陸両用装甲車、ヘリコプターなどを用いて海岸への上陸訓練を行ったことになっている。従来は大隊-連隊級の上陸訓練しか行われてきていなかったため、この資料を見るかぎりでは今回注目に値する発展があったものと受け止められる。
しかし実際の訓練内容は、軍が発表したものより相当貧相なものだった。この日、韓国型上陸突撃装甲車(KAAV)などに乗って海上から上陸した兵力は1個大隊(約500人)規模だった。一方、ヘリコプターや輸送機に乗って空中から侵入した兵力は、2個中隊(約240人)に過ぎなかった。そして残りの兵力のほとんどはあらかじめ陸地に移動していたのだ。
つまり本格的な上陸訓練を行ったのは8000人のうち、たった10%ほどしかいないことがわかる。これはヘリコプターや上陸艦艇、水陸両用装甲車などの上陸戦力が不足しているためだ。特に海兵隊が独自の航空部隊を保有していないことによる航空戦力の欠如が深刻視されている。27日の訓練に投入された約40台のヘリコプターもほとんどが陸軍から派遣されたものだった。
さらに今回の訓練にはアジア最大の上陸艦で、昨年進水した1万4000トン級の大型上陸艦である独島艦も登場した。しかし独島艦にも肝心の攻撃手段であるヘリコプターはなく、まだ能力を生かすための「翼」がない。過去の上陸作戦は海上からのみ行われたが、現代戦ではヘリコプターなどを利用して空中から侵入する立体的な上陸作戦が重要となっている。
では軍当局はなぜその能力もないのに、師団級の上陸訓練を強行したのだろうか。軍の周囲からは、戦時作戦統制権の単独行使への移管問題をめぐって「韓国軍に果たしてそんな能力があるのか」という疑問が提起され続けてきたため、これを払拭するという理由が大きかったととの見方が上がっている。
実際に合同参謀本部は訓練終了後、ホームページに「韓国軍が単独、それも師団級の規模で合同上陸訓練を行ったことは、戦時作戦統制権の還收(移管)で合意した状況にあって、今後韓国軍が独自の作戦遂行能力を備えていく契機になると期待されている」という記事を掲載し、戦時作戦統制権問題と今回の訓練が無関係ではないことを示唆した。軍のある消息筋も「今回の訓練は戦時作戦統制権問題に対する軍首脳部の意志が反映された」と語った。
韓国の海兵隊は約2万7000人の兵力を保有する。規模の上では米国(17万5000人)、台湾(3万人)、ベトナム(3万人)に続き、世界で4番目となる。しかし戦時下で敵に実効性のある攻撃を加え、目標地域を奪取するためには、2個連隊から師団級以上の上陸部隊を備えなければならない。だが現在韓国の海兵隊は最大で1個連隊(約2000人)程度の上陸作戦能力しかない。
しかも軍内部で相対的に発言権の弱い海兵隊の戦力は、最新装備よりは精神力に大きく依存してきたと評価されている。
もし政府と軍当局が「誇大広告」じみたイベントによって、戦時作戦統制権の単独行使問題をめぐって提起されている国民の安全保障上の不安を解消しようと考えているのなら、それは大きな誤算だ。すでにインターネットを通じて今回の訓練の実状が広まっており、批判や懸念の声が上がっている。国民に韓国軍の実状をありのままに知らせ、必要に応じて国民の支援を受けることが得策だろう。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
2006年11月09日17時30分