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金正日、逃亡資金か…2400億円秘密口座
北朝鮮の6カ国協議復帰について「真剣であることを希望する」と述べたブッシュ米大統領に対し、金正日総書記の思惑は?
「米国との直接対話以外は応じない」と主張して譲らなかった北朝鮮。電撃的に6カ国協議へ復帰した背景には、今年7月に発生した大水害の影響に加え、生殺与奪の権を握る中国の食糧輸出停止で「すでに食糧が尽きた可能性がある」(韓国筋)とされる深刻な食糧危機、これに伴う治安状況悪化があるとみられる。ただ、専門家は金正日(キムジョンイル)総書記(64)が「一番恐れたのはスイスにある自分の口座が凍結されること」と指摘。将軍様の呆れたカネへの執着心が、復帰の理由となったようだ。
米が望んでいた6カ国協議へ無条件復帰をすんなりと受け入れた北。これまで「金融制裁を即座に無条件で解くべきだ」「国連制裁は宣戦布告」と散々、スゴんでいたわりには、あっけなく妥協を許した形となった。
「北では11月はもう冬。7月の水害に加え、韓国からの食糧援助が途絶えて早くも飢餓状態になっている可能性が捨てきれない」とは民間の北研究者。朝鮮中央通信は、今回の大水害で「死亡・不明は数百人」と報じた。だが、実際の被害はもっと深刻で、韓国消息筋は死者・行方不明者が1万人以上、被災者は約150万人、農地は10万ヘクタール以上とみている。
「8月に行われる予定だったマスゲームの祭典『アリラン』は水害を理由に中止された。北は中国東北地方で積極的に富裕層へ営業をかけていた。貴重な外貨獲得のチャンスを投げ出すほどだから、相当ひどい事態だったのだろう」(同)
さらに7月のミサイル発射で韓国からコメを中心とした食糧援助がストップ。中国もコメやトウモロコシの輸出をミサイル発射後に半減させた事実も、中国側の統計で明らかになっている。
北朝鮮の暴挙に激怒したという中国の胡錦濤国家主席(AP)
食糧不足による治安状況悪化は慢性的で、韓国政府関係者の間は「すでに9月いっぱいで食糧は底を突いた」という極端な見方まで飛び出すほど、今冬に大量の餓死者が出るのは避けられない情勢に陥っている。
北では90年代半ば、天災が相次いで数百万人の餓死者が出た。その際、金日成(キムイルソン)元主席の抗日運動の雪中行軍に例えて「苦難の行軍」と名付け、さかんに「この苦難を乗り切ろう」と喧伝した。
北メディアは最近、再び「苦難」を多用し始めた。労働新聞が先月14日、「労働者は“苦難の行軍精神”を持って生き、各自の任務を果たすべき」という金総書記の論文を掲載するなど、「要するに人民に『食糧難でも我慢しろ』と強要している」(北研究者)と、深刻な兵糧攻めに屈して協議復帰した見方が研究者の間で有力となりつつある。
一方で「コメの場合は餓死者が出ても、金総書記の腹が痛まない。自分の口座を止められるのが一番堪える」と語るのは、コリア・レポート編集長の辺真一氏。国連安保理の経済制裁を受け、スイス経済省が先月下旬、北の保有する金融資産の封鎖と換金、送金停止を発表したことを指摘し、こう続ける。
「金総書記のスイスの隠し口座は最低で20億ドル(2400億円)といわれている。(米に凍結された)マカオの口座にあった残高の100倍。これを止められると、北にとって致命的な打撃になる。95年の食糧危機では1日の配給が100グラムとなり、100−200万人の餓死者は出たが、それでもあの国は耐え抜いた。当時に比べるとまだマシ。コメの場合は2億ドルもあれば何とかなる。もっと深刻なのはスイスの口座。20億ドルも止められるのは半端じゃない」
スイスの口座にある金総書記の莫大(ばくだい)な資産は政権崩壊時の逃亡資金ともささやかれている。国民の飢えより、私財を優先した将軍様。いよいよ蓄えを崩す日も近いということなのか。
ZAKZAK 2006/11/02