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読書…Books 2006-06-07
『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ
鎌倉‐ソウル2328`を歩く
『マンガ嫌韓流』のここがデタラメ 不毛な嫌韓と反日に終止符を
太田修、朴一ほか著コモンズ (1500円+税 03(5386)6972)
日本社会に定着した感のある韓流を、快く思わない一部の人たちがいる。これらの声を代弁し、ベストセラーになったのが『マンガ嫌韓流』である。一言で言うと、韓日関係や民間の人的交流を阻害する悪書の典型と言っても過言ではない。全編に貫かれているのは、偏狭なナショナリズムである。
本書は、その『マンガ…』に盛られた悪意の数々に対して、朴一教授やルポライターの姜誠氏らが、在日の来歴データや取材現場で得た証言などを引用しながら、真面目に反論したものである。
例えば、韓日両国が共催した02年のサッカーワールドカップは、韓日関係を格段に前進させたが、『マンガ…』では、審判の誤審などを材料に、W杯史に汚点を残したと非難する。
しかし、誤審は韓国が招いたものではなく、未熟な審判ぶりという課題は残しつつも、史上初の共催が成功裏に終わったことについては、意図的に触れていない。これでは不公平さだけが残るのみである。
在日についての記述も、日本の植民地時代に本国で食い詰めた連中が出稼ぎに来た、という虚偽を元に否定的な評価に終始している。多文化共生の観点などさらさらない。
『マンガ…』が売れる日本社会の病巣を知るためにも、本書の一読を薦めたい。
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鎌倉‐ソウル2328`を歩く 定年退職を機に、果たした2300`の踏破
間宮武美著 講談社+α新書 (838円+税 03(5395)3530)
定年退職後の05年3月から5月にかけて、鎌倉からソウルまで2328`の道のりを歩きぬいた一人の男の記録。外務省の「日韓友情年2005」の記念事業にも認定されている。
著者は大手広告会社の営業マンとして、国内外の企業を担当し、99年にはソウル駐在員事務所初代所長として韓国に赴任、韓日両国政府が行った「韓日・日韓交流祭」の運営にも携わった経験をもつ。5年間過ごした韓国でお世話になった友人に会うために、「現在のわが家から昔のわが家まで歩いてみよう」。これが、新しい人生の第一歩になった。
それまでにも40歳の区切りに富士登山、50歳でホノルルマラソンと、人生の節目で未体験の冒険をしてきたことはあった。しかし、60歳での徒歩一人旅、しかも目的地は海をはさんだ韓国である。無謀と言われてもおかしくない。
それでも思い立ったが吉日。韓日「さば街道」を歩くコースに決め、体力づくりに努め、用意周到に準備した期間は半年近くにもなった。
そして、韓日のマスコミが多数詰めかけるなか、鎌倉市役所前からいざ出発。その後は、行く先々でニュースを知った見知らぬ人たちの声援に後押しされ、ひたすらゴールを目指していく。
「ハミョンテンダ(成せば成る)」を実感させる一冊。
(2006.6.7 民団新聞)
http://mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=1210&corner=6