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山野車輪「マンガ 嫌韓流」は、大韓民国及び朝鮮民族に対して差別的な偏見に満ち (読者から出版者へのメール)
http://www.asyura2.com/0610/asia6/msg/378.html
投稿者 Kotetu 日時 2006 年 11 月 02 日 23:30:30: yWKbgBUfNLcrc
 

(回答先: 本屋に立ち寄り、山野車輪『嫌韓流』を15分で読み終える。 CLick for Anti War 投稿者 Kotetu 日時 2006 年 11 月 02 日 22:51:26)

株式会社晋遊舎殿

先日お電話させていただいた者です。
応対していただいた方が、質問についてはメールか書面で行うようにと仰いましたので、このようにメールを送らせていただきました。
貴社が発行している「マンガ 嫌韓流」は、大韓民国及び朝鮮民族に対して差別的な偏見に満ちており、また日本と朝鮮の近代史に於いて特異な歴史観を展開しています。とりわけ昨日電話でお話した二つの点については、完全に歴史事実と異なっております。これについて貴社のご見解を賜りたいと存じます。以下にその部分を記します。

まずは「第8話 日韓併合の真実」の224ページです。
「それから朝鮮人を戦場に強制動員したと主張していますが、そもそも強制動員する必要もなく志願兵が殺到していたのです!」

たしかに統計上は多くの志願兵が集まっていましたが、実際は官憲による強制的な募集が行われていました。「志願兵制度」とは名ばかりの、戦場への強制連行政策だったのです。被害者の証言だけでなく、当時の帝国議会の議事録や、「特高月報」(特高警察の内部文書)がそれを裏付けています。

「・・・それから次は創氏の問題、志願兵問題等に付きまして、官邊の強制と云ふやうなことに関してでございまするが・・・(中略)・・・必ずしも絶対にさう云ふことがなかったとは申し上げ兼ねまするのでありまして、一部遺憾な事例もあるやうであります」(1943年2月26日 帝国議会貴族院委員会 81回議会)

「新聞等では志願兵が殺到して居る様に書いて居るが実際は警察や其他で強制的に応募して居る実情で内地人が見て居る程に信頼することは出来ない。彼等は機会あらば独立運動をしやうとする不逞者が居ると
思はねばならない・・・・内地人国民学校教員某」(1941年12月 特高月報 朝鮮人運動の状況 志願兵制度に対する朝鮮人の動向)詳しくは以下のページをご覧下さい。
http://www10.ocn.ne.jp/~war/siganheiseido.htm


続いて、同じ第8話の210ページです。
「韓国人が併合を望んだのよ!韓国最大の政治組織である一進会が併合を主張したのよ。
日本との連帯によって文明開化を成し遂げようと考えたのね。
彼らは日本の力で朝鮮での維新を目指したのよ。
それと対立したのが清・ロシアに事大する朝鮮王室と両班よ」
・・・と説明し、
改革派= 一進会・農民・日本
守旧派= 王室・両班・清・ロシア
という図が描かれています。

たしかに一進会は大きな政治団体でした。「韓国併合への道」(呉善花/著 文春新書)によると一進会の会員は公称百万人、併合時の統監府の資料では約十四万、最盛期では二十万から二十数万いたのではないかという推測もあるそうです。しかし、「韓国併合」(海野福寿著、岩波新書)によると、1910年8月の警務統監部の調査によれば、会員数は9万1896人だったそうです。
いずれにせよ大きな政治組織だったことに違いはありませんが、彼らの主張は一般民衆の反感を買い、統監府設置以降1908年6月までに、会員926人が殺され360戸が焼かれたそうです(韓国併合)。一進会の主張を農民が支持していたかのように誤解を与えかねない図は悪質な印象操作と言えます。また、一進会だけに限って言及しても「韓国人が併合を望んだのよ」などと言えるものではありません。

一進会の主張は「併合」ではなく、「合邦」でした。日本と朝鮮が対等に合併し、列強に対抗しつつ近代化していくことを目指していたのです。朝鮮民族の尊厳を踏みにじり、朝鮮人も日本国民であると唱えつつ実際は朝鮮人を家畜扱いし過酷な搾取をもたらした日韓併合を望んだわけではありません。
しかし理想としては立派ですが、これが一般に受け入れられるはずはありませんでした。1909年12月4日一進会は声明を発表するとともに、曽禰荒助統監に、「韓日合邦」を急務とする上申書を提出しましたが、曽禰ははっきりとした回答を出しませんでした。一進会の主張する「韓日合邦」は、「日本政府が意図する併合の内容形式とは天と地ほどの隔たりがあった」(韓国併合)のです。

この声明に対して、大韓教会、西北学会、天道教徒などが直ちに反対し、声明発表の翌日5日には、韓城西大門で大演説会が開かれ、併合反対決議が行われました。曽禰荒助統監は、このように一進会の言動が日韓併合に対する強い反発を招くことを恐れ、そして一進会に演説・集会を禁じ、一進会と大韓協会の日本人顧問に論旨退去を命じました。朝鮮の植民地化を狙う日本にとって、すでに一進会は厄介な存在だったのです。
リーダーの李容九は併合の二年後に没しましたが、晩年に「日本にだまされた」と述べたそうです。また併合の10年後には元一進会のメンバーから、同会の日本側のリーダーだった杉山茂丸に対して「併合の結果は日韓国民の間に著しい差別をもたらすものであり、無差別平等の対等合邦ではなかった」とその責任を問う問責状が送付されたそうです(韓国併合への道)。

以上、「嫌韓流」には歴史事実を捏造している部分があることがお判りいただけたと思います。このようなことをたとえば同人誌などで書き連ねるのなら別として、商業目的の出版物では社会的責任を問われざるを得ないと考えます。


一方、以下の内容は単に作者の個人的な見解に過ぎないことですが、しかし非常に問題のあることだと言えます。
「韓国には・・・そもそも誇れる文化など無いのだから!」・・・作者にとっては韓国の文化は取るに足りないものと感じているようですが、たとえ他の民族から見て価値の無いものでも、その民族がそれを誇りに感じているのなら、その民族にとっては誇れる文化があるこ
とになるでしょう。どこの民族にも固有の文化があり、その価値はその民族自身ではないと判断できないはずです。このセリフは「日本には・・・そもそも誇れる文化など無いのだから!」と述べることと同等です。
そもそも作者は「文化」に関して、武道、芸術、アミューズメントなどに言及していますが、様々な民族が日常生活の中で特に意識せずに営んでいる習慣、風習、食生活、何気ない立ち振る舞い、それに言語も、
大切な「文化」であることを知らないようです。この点だけに限っても致命的な認識不足だと言えます。

さて、我々日本人にとって大切な「文化」の一つである米食中心の食生活や、畳の上の生活や、何かと会釈し時には深々と頭を下げる仕草などは、異文化の視点からは奇異に映るかもしれません。しかしそれらを「誇れる文化ではない!」と断じられたとしたら、恐らく怒りを感じるでしょう。

その昔、アメリカの「モトリークルー」というバンドの香港をイメージしたPVの中に、メンバーが茶碗の中の米をツマミ食いし不味さですぐ吐き出すというシーンがあり、米を食べる民族の一人として激しい怒りを覚えました。
上記の「嫌韓流」の中のセリフはこれと同様の、他民族に対する許し難い侮辱です。作者の不見識は元より、貴社に重大な責任があると考えます。


以上、長々と述べさせていただきましたが、出版社という社会的に影響力のある立場として、これらの点についてどのように対処するおつもりなのか明確に示していただきたいと願います。

ところで先日電話で応対していただいた方が、「メールか書面で意見を送ってくれるのなら、それを作者に手渡す。渡す価値のあるものなら」と仰いましたが、なにやら大きな勘違いをされたようです。私は作者の「山野車輪」氏にファンレターを送るつもりなど毛頭ありません(笑)。お渡しにならなくて結構でございます(あえて作者に手渡すというのならお断りしませんが)。

何よりも私は貴社としてどのように対処するのか、その見解をお訊ねしたいのであります。お忙しいところ恐縮ですがせめて一週間程度でメールの返信を頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

埼玉県さいたま市  ○山●男
http://www10.ocn.ne.jp/~war/kenkan.htm

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