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□中国のコンビニエンスストア「便利店」事情 [JANJAN]
http://www.janjan.jp/world/0610/0610303694/1.php
中国のコンビニエンスストア「便利店」事情 2006/10/31
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中国ではコンビニエンスストアのことを直訳すると「方便商店」(便利な商店)だが便利店(bian li dian)と一般的に呼ばれている。なかなか上手い訳だと思う。
上海では今、このコンビニエンスストアをめぐって中国系の大手「可的」(ke di)、台湾系「全家福」(quen jia fu) 、日系の「羅松」(luo song)と3つの資本がしのぎをけずっているとのNHKのドキュメンタリー番組を最近視たことがある。「可的」は「いけてる」というようなニュアンスである。「全家福」は「ファミリーマート」のことである。家中が幸せであるという意味で、これまた名訳だと思う。「羅松」は「ローソン」をずばりストレートに音訳している。
上海のコンビニ戦争は1996年7月に日本のローソンが初めて進出し、国内資本の可的がすぐに開店したところから始まる。翌97年11月には「聯華快客」、2000年8月に「良友便利」、2001年4月に「好徳」などが次々オープンした。2002年には上海のコンビニ総数は2000店にも達した。そのあまりにも過当な出店競争に9月には「100m以内には2店以内の出店を禁止」とする規則が提起されたくらいである。2003年には上海のコンビニ総数が3300店にもなり、市場は博打場となっていると上海市関係部門の幹部がコメントしたそうだ。
こうした流れで他の産業からもコンビニ事業に参入してきて、2004年には上海だけで5400店ものコンビニができたそうである。しかし自宅から徒歩10分以内に3,4店舗もあるというオーバーストアの状態となった。やがて急速な拡大路線をとってきた国内資本の大手で経営が行き詰まり、不採算店舗を閉鎖していくという傾向も出てきた。売り上げ・店舗数ともに成長率が鈍化した。
2005年末には中国のWTO加盟時の公約によって、外資系企業にFC(フランチャイズ)方式による店舗展開の規制が解かれた。いよいよコンビニ業界も国際競争時代に入った。上海では周辺の都市も含めて、「快客」の店舗数が1700以上もあり最多である。続いて「可的」の1200、「好徳」の1000余で「ローソン」の200店などほとんど市内で見かけられない。私が取材のため歩いた範囲では「ファミリーマート」は1軒もみつからなかった。「可的」は他の都市にも数多く出店しているので、南京・無錫・蘇州・杭州でも見かけた。
上海で外国人をよく見かける静安地区のある交差点では3つの角に「ローソン」「好徳」「可的」がそれぞれ位置してまさにしのぎを削っている観があった。「ローソン」に比べて「好徳」「可的」の店舗は狭い。また「ローソン」の商品構成は日本とよく似ていたが、「好徳」「可的」のはやはり中国的な感じがした。しかし客の入りは後者が勝っていた。おしゃれで新らしもの好きな上海っ子もやはり中国人なのだと思った。若者には割高でも便利さが受けているのは日本と同じである。
中国のどのコンビニもカウンターには「関東煮」と書いた看板の下におでんが必ず並んでいる。日本での定番のフライドチキンやポテトは店舗が狭いせいもあり、あまり見かけなかったが、ちまきなどが暖められている。蘇州では泊まったホテルでちょうど向かいに「可的」があったので朝食に「弁当」(日本からの外来語)を買おうと入った。油っぽい中華料理がぎっしり詰まった弁当はさすがに朝からは敬遠して、細巻きと少しおかずが入った「新幹線」弁当を買った。「暖めますか」と聞かれ冷たい料理をあまり食べない中国人ならではと思った。
(劉肇新)