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金正日の核実験とNATOのグローバル化戦略 No.99【2006年10月17日】
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/061017.htm
ライス長官「完全履行」求める 北朝鮮制裁決議
2006 年 10 月 16 日 11 時 02 分
ライス米国務長官は15日、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議について、「完全に履行される必要がある」と述べ、大量破壊兵器の拡散を防ぐ措置を実行に移す必要性を強調した。北朝鮮とのつながりが深い中国は決議の「貨物検査」を拒む姿勢を明らかにしているが、長官は「中国は決議に賛成しており、北朝鮮の取引阻止を確実にする責任がある」と指摘し、対応を迫った。
米FOX、CBS両テレビの番組にそれぞれ出演して語った。ライス長官は「国連加盟国は執行の義務を負っている」と強調。貨物検査については「寄港や領海通過を受け入れた国は乗船する権利を持つだろう」としたが、焦点となっている公海上での検査が可能かどうかについては明言は避け、関係国と詳細を協議する考えを示した。
また、長官は「(決議は)強力な道具だが、慎重に使うべきものだ」と言及。「緊張を高めない形でどのように行うのか、という懸念は理解できる」とも述べ、検査が北朝鮮の反発を招き、地域の緊張を高めると主張する中国に一定の配慮も見せた。
一方、中国が決議賛成に回ったことについては「北朝鮮と非常に緊密な関係を持っていた中国にとって、驚くべき進展だ」と評価した。さらに「北朝鮮に関連して中国が賛成した最も厳しい行動だ」とも指摘、「中国は責任を果たすと確信している」と期待感を示した。
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(貼り付け終了)
■過剰喧伝される北朝鮮の核実験
金正日総書記は核実験に成功したと発表しているが、今までの流れから推測するに、今回の小規模な核爆発らしきモノは不完全な爆縮による失敗であったか、もっと露骨に言えば、インチキだった可能性さえ考えられる。だとしたら、それは一体どんなシナリオによるものなのだろうか。
考えられるのは、アメリカと金正日との話し合いが極秘にできていて、朝鮮半島の危機を創造することで、アメリカのミサイル防衛ビジネスに協力する代わりに、たとえ国が崩壊したとしても、内緒に亡命等で命の保障が約束されているシナリオの流れである。
安倍首相は、恐らく、そのことを承知の上で10月9日に訪韓し、核実験らしきものが予定どおり行なわれたのだ。米軍再編によるミサイル防衛の前倒しは、アメリカの軍産複合体にとって最高に旨みのあるビジネスだし、毎年軍事大国化しつつある中国を、日本の金で包囲することが可能となる。アメリカは中東のイラク等でかなり体力を消耗している故に、アメリカ単独では、将来において東アジアの覇権を維持する能力は失われている流れである。
ブッシュ政権にとって、金正日の北朝鮮と日本は大事な存在であり、利用価値が高いのである。そういった意味で、小泉首相と同じように靖国参拝を肯定するタカ派の安倍首相を、アメリカは支持したと思われる。もちろん2008年に北京オリンピック等があるから、とりあえずは、アメリカの覇権が維持される程度の危機が必要なのである。北朝鮮が今後過激になり、エスカレートすればするほど、中国は責任を追及され、追い込まれることになる。そして日米のミサイル防衛システムは、金正日をダシにして、中国包囲網として加速して行く流れとなる。
■フラム氏による日本の核抑止力の奨励
ブッシュ政権で大統領補佐官を務めたデービット・フラム氏が10月10日付けのニューヨーク・タイムズで、大枠として次のように述べている。「アメリカは日本に対して、独自の核抑止力を奨励すべきである。軍時大国化する中国に対して、自虐意識を強調する今までのやり方は、もはや改めるべきである。核武装した日本は、中国と北朝鮮からもっとも恐れられるだけでなく、イランに核武装を思いとどまらせるというアメリカの戦略とも一致する。日本に対する核武装を認め奨励することは、他のならず者国家がその地域の核のバランスを崩そうとする時、アメリカとその同盟諸国は、その試みを積極的に防ぐことで、イランを押さえ込むことも可能となる。アメリカは、イスラエルの核攻撃能力を支援することもできるのだ」と。
これはまだブッシュ政権の中では水面下の流れに過ぎないが、いま、北大西洋条約機構(NATO)をグローバルな軍事同盟に変貌させようとする流れがある。2006年11月、ラトビアのリガで開催される会合で、NATOの指導者たちは、大西洋同盟の枠を超えて、オーストラリア、日本、ニュージーランド等の民主国家の国々との連帯を深めていこうとする提案が検討される予定である。911テロによって、アメリカの外交政策だけでなく、歴史上もっとも成功したNATOの役割をも大きく変えてしまったようである。
ヤープ・デポープスヘッフェルNATO事務総長は「NATOの地理的な活動領域が拡大している以上、非NATO諸国との対話が必要となっている。グローバルなパートナーを持つ同盟関係へと進化していく必要がある」と示唆している。公式であれ非公式であれ、アメリカは既に、オーストリア、イスラエル、日本、ニュージーランド、韓国等の国々に安全保障を提供している。NATO加盟国に対する攻撃は加盟国全体に対する攻撃とみなすと規定する条約5条は、今後たとえばオーストラリアや日本に対しても、集団安全保障上のコミットメントをするようになる可能性が高い。
恐らく今後NATOは、国連の決定を実施・強制することで、国連の活動を補完する能力と正当性を持つ流れになるようである。この流れに乗ることで、安倍晋三氏は、日本の首相になることをアメリカに承認されたにちがいない。