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少しニュースとしては古いのですが、小生愛読のあるマイナーな日刊紙に「女性の目・アラカルト」というコラム欄がある。そこに本日(10月16日)フランスのラロシェル在住の日本人女性が、今フランスで話題になっている映画「アンディジェン(原住民の意味)」を見てきた感想を寄せていた。第2次世界大戦中にフランス兵として戦いに参加したモロッコやアルジェリア出身兵士たちの問題を取り上げた映画である。
終戦後これら植民地はフランスから独立し、それ以降は恩給がフランスの元兵士に比べて多くても3割程度しか支給されていなかったらしい。少女時代にアルジェリアで暮らしたことのある筆者の友人ジャンヌ(60歳)は、映画を見終わった映画館の出口で「この問題、なんとかしなくちゃ」と目を真っ赤に泣きはらして言ったそうである。
同じ言葉をシラク大統領夫人も、隣に座っていっしょに映画を観賞した大統領にささやいた、と報道されたという。映画の最後は、質素な老人救護センターに身を寄せる元兵士の姿。現在8万人が生存していると言われている。
自分の都合で「あんたらは日本人」、都合が悪くなると「あんたらもう日本人じゃない」と言い、朝鮮、台湾出身の旧日本兵を遺族が嫌がっているのに靖国に祀ったりする日本国と比べ、複雑な心境でこのコラムを読んだ。
以下は http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20060930ddm007030162000c.html からの転載。
フランス:旧植民地出身者の軍人年金、フランス人と同水準に
【パリ福井聡】フランス政府は27日、第二次大戦で仏軍兵士として戦ったアルジェリアやモロッコなど旧植民地出身者の軍人年金をフランス人の元軍人と同額に引き上げると発表した。これまで10分の1しか支払われていなかった例もある。白人軍人との差別をテーマにした映画「アンディジェンヌ」(英題「デイズ・オブ・グローリー」)の封切り日に重なる措置となった。
発表によると、旧植民地出身の元軍人約8万人に対し、来年からフランス人の元軍人と同額の年金が支払われ、総額は年額1億1000万ユーロ(約165億円)に上る。支給額は59年に固定されて以来47年ぶりの大幅変更となるが、過去にはさかのぼらない。
旧植民地出身の軍人は第二次大戦中も戦後も差別を受け、年金もフランス人元軍人の月690ユーロ(約10万3500円)に対し、セネガル出身者は230ユーロ(3万4500円)、モロッコ出身者は61ユーロ(9150円)など低い支給額となっていた。
シラク大統領は「我が国は彼らの血の犠牲で解放された。(過去の支給額は)不正義だった」と述べたが、モロッコ退役軍人協会のアズージ会長は「歓迎するが、なぜもっと早く出来なかったのか。元兵士の大半は既に他界している」と嘆いている。
毎日新聞 2006年9月30日 東京朝刊