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北朝鮮は敵ではない〜「東アジア」の視座から 2006/10/10
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10月9日(月)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が核実験を実施したと発表した。メディアは相次いで、訪韓中の安倍首相のコメントを報じた。安倍首相は「断固として強く非難をする」という。核を使ったことが事実であれば当然の対応だが、非難の先にありうる経済制裁などの強硬策を懸念する声も聞こえる。
7日より東京都千代田区で開かれている「東アジア平和フォーラム2006」に出席した加藤紘一衆議院議員は9日、「北朝鮮は追い込まれている」と語り、日朝の対話を進めるべきだと説いた。
「今回の実験は、安倍さんの中韓訪問と無縁ではない。小泉前首相の歴史認識は非常に文学的・直感的なものだが、安倍さんのはより信念的なもの。(その安倍さんが訪韓しているときに実験をするということだから)非常に追い込まれていると思う。もしかしたら日本が米朝の橋渡しをしてくれるのではないかと思うところがあるのではないか」
「北朝鮮は日本が考えるほどとんでもない大きな国ではなく、何とか日本の気を引こうとしている。仮に韓国と北朝鮮が統一された場合、東アジアで日本だけが核を持たないのかという議論も出てくる。だからこの問題については六者会談はもちろん、日本は日朝の対話も進めていくべきだ」
同フォーラムには加藤議員をはじめ、東アジアの平和を考える日中韓の“知的活動者”たちが顔を揃えた。東アジアで「交流が深まっているにもかかわらず、各国において排他的で攻撃的なナショナリズムが不気味に頭をもたげつつある」ことを前提に、いかに平和を構築していけるかについて話し合っていた矢先に核実験のニュースがもたらされ、会場では当然このテーマでの話し合いがなされた。
韓国ハンナラ党前議員、ユン・ヨジュン氏は「北朝鮮の核は、朝鮮半島だけの問題ではない。問題を平和的に解決できるように、ぜひ東アジアで知恵をしぼりたい」と述べ、まずはナショナリズムを国内政治の力学として利用することを改めるべきだと解いた。
民主党の仙谷由人議員は「北朝鮮の核実験は、崩壊への引き金を自ら引きつつあるようなもの」と言う。その上で「一昨日までは何をやろうにも(小泉前首相の)靖国参拝がネックになって進まなかったが、安倍さんが中国に行って、かろうじて状況が回復した」と、今後の協力体制への希望を口にした。
議論では「制裁によってでは北朝鮮は改善しない。むしろ制裁することで、国連からの脱退、38度線の突破、ミサイル攻撃などを行うことも考えられる」「北の核をなくせ、というのではなく、世界から核をなくせ、ではないのか」「核実験をしたから北朝鮮問題を考えるのではなく、隣人だから考えるべき」など、北朝鮮との宥和的な関係を重視する発言が多くなされた。
主催団体のひとつ、岩波書店の岡本厚氏は「すでにマスメディアでは『制裁だ』という意見が多く紹介されているかもしれないが、この場で議論ができて良かった」と平和的に地域の安全保障を模索する希望を口にした。
フォーラムではその他、「東アジア」をめぐる言説や歴史認識についても意見が交わされた。今回のまとめは「東アジア平和フォーラム2006東京会議宣言」として、さらに参加者の意見を十分に反映させ、数日中に公表される予定だ。
(山本千晶)
加藤紘一衆議院議員
「北朝鮮が核実験をしたことで、日本の核武装という話も出るかもしれないが、日本の政権も国民もそれは許さない。原爆を受け、何十万人も亡くしている国として、日本はその道を歩まない」との発言に、会場からは拍手が起こった
(写真)
フォーラムの様子
(写真)
フォーラムの主催者である
左)岡本厚『世界』編集長 と
右)李起豪・平和フォーラム事務総長
(写真)
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<コメント>
これで、北朝鮮政権が日本の世俗動向を誤って受け取るということはないと思います。
(それでニポンの風潮を甘く見るようじゃ、なんのためにパチンコ屋さんや総連があるのかわかりません。(笑))
が、加藤議員も、も少し北への批判はすべきだと思いますね。21世紀になって「核実験」なんて、「実験じゃなくパフォーマンス」だとわかってるんだから。