★阿修羅♪ > 戦争84 > 930.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu128.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
大戦後のアメリカはA級戦犯達を活用して日本を統治したが
イラク戦争後のアメリカは政権の要人を全部追放して失敗した
2006年9月26日 火曜日
◆「イスラエル人の苦渋」 2006年09月25日 佐々木 良昭
http://www.tkfd.or.jp/news/today/1_20060925_1.shtml
パレスチナ占領地の数箇所で軍統治者を経験し、しかも大使、教授を経験したイスラエル人の知人と、2年ぶりに意見を交換する機会を持った。彼との関係は、1987年の第一次インテファーダの頃から続いている。
最初に出会ったときから、彼はどういうわけか、私に意外とも思えるストレートさで、イスラエルの情況を説明してくれた。そのことから、イスラエルを訪問するたびに、彼と連絡を取り最新の情況を聞くことにしている。
今回もその例外ではなかった。しかも、最近のイスラエルの情況は、とみに複雑化し、アラブとイスラエル、そしてトルコ、欧米の動きを細かく掴んでいる者にしか、正確には判断できなくなっている。
彼はイスラム勢力の動きが非常に活発化してきており、それと欧米が対立する形になっていると現状大枠で説明し、次いで、アフリカ大陸もその例外ではない。アフリカの南からキリスト教欧米勢力が北上し、北からはイスラム教勢力が南下していると説明した。
そして、その双方が世界全体で活発な動きを示していると語り、キリスト教が世界宗教になったのは、16世紀に穏健化したときからだったとした。他方、イスラム教世界では10世紀にイジュテハードが否定された。(イジュテハードとは最高位のイスラム教学者たちがコーラン、ハデースというイスラム法の法源に例を見出さない場合に、人間の頭脳で判断するという、柔軟な考えのことを言うのだが、以来イジュテハードは許容の限界を超えて、人間が判断を広げることを恐れ、イジュテハードの門は閉じられることとなった)
以来、異教徒に対するイスラム教側の判断は、イスラム教に改宗するか否かの二者択一に変わった。9・11事件以後のイスラム世界の反応は、まさにその典型であろう。イスラム教徒側は「イスラム教に入信すればイスラム・テロに遭うことはなくなる」と語り始めているではないか。
もちろん、こうした硬直した考え方のイスラム教徒だけがいるわけではない。イスラム世界は現在穏健派(プラグマテイスト)と原理主義者(ファンダメンタリスト)に分かれている。そのギャップの大きさが問題だ。
イスラム世界に原理主義が拡大してきたのは、イスラム教徒の劣等感に起因していると言える。簡単な例を挙げれば、イスラム教徒とキリスト教徒の間には、歴然とした収入の格差があるではないか。
その収入の格差が生じた原因、つまりイスラム教徒側の低所得は、一部の者以外に富が行き渡らない、という民主主義の存在しない社会システムに問題があることが原因なのだ。その民主化が進まなければ、富める者にも貧しい者にも、将来に対する不安が生じよう。
イスラム世界で唯一民主化に成功したのは、宗教の政治に対する影響を禁止し、世俗主義の政治体制を敷いた、トルコのケマル・アタチュルクだけだ。そのことを考えると、民主化がイスラム世界で進展しないのは、宗教そのものに原因があると考えざるを得まい。
唯一神を崇める宗教は、原理原則が厳しく、フレックスな対応を選択することが出来ないのだ。その点、日本は極めてフレックスな考え方と対応が出来る国だ。そのことが日本の発展の隠れた要因なのであろう。
アラブとイスラエルのことについて述べれば、アラブは領土も人口もイスラエルの何十倍もある。しかし、アラブの国のなかには、ひとつも民主的な国家が存在しない大衆は、他の国々との正確な比較が出来ないために、非民主的な体制に対し、何ら問題を感じていない。
ケマル・アタチュルクの民主化が成功したのは、彼の英断によるところ大だ。彼は「自身を見よ」とも国民に語りかけている。まさにその通りだろう。その意味で自分自身の置かれている状況を冷静に見、そして考えた人物ケマル・アタチュルクに並ぶ人物は、中東世界ではエジプトの故サダト大統領だけであろう。
そのサダトとナセルを第三次中東戦争で破ったモシェ・ダヤンは、英雄といわれたが、実際には全くアラブを分かっていなかった。そのため彼のアラブへの対応策は完全に失敗し、今日まで悪影響を及ぼしているのだ。
アラブに勝利し、戦勝国の軍の指揮官として旧エルサレムに乗り込んだモシェ・ダヤンは、パレスチナ人に対し、民主的な手法を断行し、彼らを変えようとし、その成功を疑わなかった。彼は全く異なる性質を持つパレスチナ人に対し、彼自身と同じものを押し付け、受容させようとしたのだ。
考えても見るがいい、1956年の第二次中東戦争でイスラエルがアラブに勝利したとき、彼らはイスラエルに平気で歓迎の意を表したのだ。その後の67年第三次中東戦争の後も、73年の第四次中東戦争の後も同じだった。
しかし、アラブ人パレスチナ人の本音は、全く異なっていたのだ。こうしたアラブ人パレスチナ人の心理を、十分に理解した上で対応していかなければ、結果的には、いかなる対応策も失敗に終わるのだ。
モシェ・ダヤンは、パレスチナ占領地に派遣される統治責任者は、特別な知識を有している必要はない、と言ったが間違いだった。パレスチナの占領統治には、スペシャリストの能力が必要なのだ。
アラブ世界、つまりムスリムの間には、タキーヤというものがある。生き残るためには面従腹背、いわばサバイバルを奨励しているのだ。社会を変革していくには、膨大な時間がかかり、相手の変化を精密に観察していかなければならないのだ。
彼らは信仰と実践との格差の中で賢く生き残っているのだ。アラブ社会とアラブ人をもっと研究して、対応しなければ結果的には失敗に終わるのだ。アラブ人はイスラエルの独立を祝って見せてもいたのだ。しかし、それは彼らの本心ではなく、オポチュニストの行動でしかなかったのだ。
パレスチナのハマースは、イスラエルがパレスチナに与えてしまった自由の産物なのだ。アメリカがイラク戦争を始める前に、イラクにどう対応したらいいのかを訊ねられた。当然答えは「違う政治環境があることを知れ」というものだった。アメリカとイラクはまったく違う政治環境を持つ世界なのだ。
アメリカがイラクを敗北させ、サダム政権を打倒した後は、ラウド・スピーカーで直ちに戒厳令を敷いたことを知らせるべきだ。そうしなければ、衝突があらゆる所で発生することになる。アメリカ軍の兵士とイラク人、イラク人同士の間でも衝突は起こるのだ。現実に今の状態はそうなっているだろう。
そして占領後は、イラクの警察を使うべきだった。それと合わせて、イラクの官僚を使うべきだったのだ。アメリカは彼らを前面に立てて、背後で政策を決定し、イラクの官僚や警察に命令するだけでよかったのだ。
安易に「イラクを民主化する」などと言ってはならないのだ。イラクを民主化するには、長い時間が必要なのだ。民主化は鎖と同じで、幾つもの輪がつながって出来ているのだ。そのことが分からずに、イラクの民主化を進めようとするのは、まるで砂でロープを編むようなものだといえる。
覚えているだろう。サダム体制下で活躍した幹部たちは、アメリカによって極悪人とされ、個々人の顔がトランプ・カードに印刷された。しか、あれは一体何処へ行ってしまったのか、誰もそのことを取り上げなくなっている。
実は彼らこそが、アメリカにとって最も利用価値の高い連中だったのだ。そのことに気が付いたからこそ、アメリカはトランプ・カードの主人公たちのことを、口にしなくなったのだ。
ナポレオンがエジプトを攻撃したのは200年前だった。それまで平安のなかに、怠惰を決め込んでいたアラブ・イスラム教徒たちは、夢から醒め、自分たちはどちらに進むべきかを考えなければならなくなった。イスラム教の原理主義に向かうのか、あるいは西欧に学ぶのかという。そして、彼らが選択したのは西欧に学ぶ方だった。
しかし、200年が過ぎたいまも、西欧とイスラム世界とのギャップは埋まらなかった。その結果として、イスラム教徒は原理主義を選択し、ホメイニの革命が成功したのだ。
彼の今回の説明はおよそこのような内容のものだった。このなかには幾つもの過去、現在に対する鋭い指摘が見られる。
◆2006/09/25 (月) イスラム原理主義先鋭化の落とし所が見つからない。 勝谷誠彦
http://www.diary.ne.jp/user/31174
今やイスラム世界のヒーローはビンラディンよりもナスララである。イスラエルはわざわざ新たなヒーローを作るために自国の兵士を殺してヘタ打ったと言っていい。そのために今やイスラエルの政局は混乱を極めている。イスラエル好きの私としては困ったというほかはない(笑)。しかし始めから「勝ち目」のない戦争だったのだ。
問題は「勝ち目」を何とするかということだ。今回で言えばイスラエルの領土にミサイルを撃ち込む余地をなくするほど徹底的ヒズボラを壊滅することがイスラエルの「勝利」だった。しかしそれは北朝鮮の指導でモグラ戦術にたけるようになったヒズボラ相手には空しかったのだ。このことは北朝鮮といざハジけた時に私たちにも考えておくべきことだと言える。
もう同じ失敗をイスラエルはできまい。再度の攻撃は難しいということだ。逆に例えばシリアはゴラン高原などを巡って同じことができないかと考えている。不可能な壁と考えていたイスラエルが意外と脆いとイスラエルの建国以来はじめて知ったのである。
イスラエルにレバノンを攻撃させたのはもちろんブッシュの許可があったからだ。アメリカはイラクの泥沼から抜けるべくあわよくばシリアも叩き潰して地中海への回廊を作ろうと考えた。しかしアメリカ自身が手術で失敗してまき散らしたガン細胞のために強固な反米そしてイスラム原理主義はむしろ強くなっていて試みは大失敗に終わったのだ。さあどうするブッシュ。
次に博打を打つとすればイラン攻撃しかない。残念ながら北朝鮮を叩き潰してもそれは中東のドミノには関係がないからね。ナスララを讃える集会はイスラム圏のあらゆるメディアで出回るだろう。酒も女もない人たちがそれだけをネタに幾晩も語り合うだろう。
このことは毎日新しい娯楽がある私たちの価値観で考えない方がんいい。新総理になる安倍さんの最初の試練は西からやってくると考えることである。
(私のコメント)
私はアメリカを最重要な同盟国と考えていますが、日本の政治家は何でもアメリカに頼りすぎているような気がする。軍事から外交に至るまで重要な事は何でもアメリカの意向を伺ってからしていますが、肝心のアメリカ外交が迷走していて、むしろ日本からアドバイスしてあげるべきなのだが、日本の政治家に世界が見えている人がいない。外交の部会長の山本一太議員などイラクの場所が分からなかったぐらいだ。
昨日も書いたように、アメリカの国際金融資本はアジアや中南米諸国に対して新たなる植民地化政策を実施して、反米を旗印にした左翼政権が次々と出来てアメリカの外交防衛政策にまで支障をきたすようになって来てしまっている。一昔前のアメリカならベネズエラのチャベス政権や韓国のノムヒョン政権などクーデターを起こさせて転覆させていたのだろうが、現在のアメリカにはその力は無い。その国の国民をあまりにも反米的にしてしまったからだ。
日本でもアメリカに命ぜられるままに規制緩和を行なって、正社員からパートやアルバイトや派遣社員への転換が進んで国民の賃金水準は低下して、いくら働いても豊かになれないワーキングプアと呼ばれる階層が出来てしまった。所得が減れば消費も減るからこの悪循環が日本経済の低迷の原因になっている。
結果的に豊かになるのは国際金融資本と彼らの協力者達だけであり、国民全体は所得水準が低下して消費は低迷して行く事になる。高度成長時代は所得は平準化して働けば所得が上がって消費も増えた。このことが経済の拡大につながったのですが、小泉構造改革は税制を平準化して豊かなものはより豊かになり、多くの庶民はサラリーマン重税で所得水準は低下して消費も低迷するようになった。これでは景気は回復するはずが無い。
これと同じような事が世界中で起きているからアメリカ=国際金融資本に対する反発からアジアや南米に左翼政権が出来てしまう。昔なら共産主義に対する警戒心からアメリカ政府も経済支配に対するブレーキも利いたのでしょうが、ソ連の崩壊でブレーキは壊れた。その結果バブルを起こしては崩壊させて銀行を潰して、その国の金融支配を強めていった。
日本などは貿易黒字を溜め込んではアメリカ国債を買っていますが紙切れに過ぎない。日本は資源の無い国だから石油や希少金属などを買って備蓄して行くべきなのですが日本政府はなぜかそれをしない。石油などの戦略商品はいくらあっても困るものではないから、世界中に超大型石油タンクを作って貯め込んで置けば値上がりして大儲けができるはずだ。
しかしアメリカは日本に対してイランの油田開発に対してもクレームをつけて、紙に過ぎないアメリカ国債を買わせている。アメリカはドルの貨幣価値が石油本位制である事を認識している。だからイラクの石油を支配するために軍事侵攻したのでしょうが、あまりにも単純すぎてばかげている。むしろ竹中平蔵のようなアメリカの言いなりになる人物を送り込んでコントロールした方がいいのだろうが、左翼政権になるとそれも出来ない。
もともとサダム・フセインはCIAのエージェントであり、クウェート侵攻もアメリカに唆されてやったのですが、裏切られてイラク戦争で濡れ衣を着せられて失脚した。フセインにすればアメリカの言うとおりにやってきたのに今やA級戦犯で裁判にかけられている。日本にしても戦前において義和団事件などの反乱事件が起きるたびに出兵を促されてきたが、アメリカの都合が悪くなるとハルノートを突きつけて撤兵しろと無理難題を言ってきた。
日本はロシアの南下と共産主義を防ぐために戦ってきたのに、最終的には侵略者のレッテルを貼られて東京裁判にかけられた。つまり日本もフセインのようにアメリカに裏切られた歴史を持っている。このような国と軍事同盟を結んで信用していいのだろうか? 一度裏切るような人間は二度三度と裏切るのは国家も人間も同じだ。
そして戦後はA級戦犯を7人も絞首刑にかけながら、共産主義の脅威が高まるとアメリカは慌ててA級戦犯を釈放して国政に復帰させた。そして90年代にソ連が崩壊して共産主義の脅威がなくなると、アメリカは同盟国の日本に対して経済戦争を仕掛けてきた。そして日本は第二の敗戦を迎えてサマーズ財務長官はマッカーサーのコーンパイプを咥えて得意になったそうだ。
アメリカ人にしてみれば国益のためならば当然のことと言っているが、国益のためならば日本に対して平気で原爆を落とせる国なのだ。このような事は歴史を分析してみれば分かる事なのですが、日本の政治家はお人よしが多くて日米安保があれば大丈夫と思い込んでいる。岡崎久彦氏などはアングロサクソンと組んでいれば大丈夫といっているが、日英同盟にしたってアメリカの横槍で解消された事実を知らないのだろうか?
アメリカのイラク統治がうまく行かないのはA級戦犯を全部追放してしまったからですが、イラクの石油が目的ならば追放する必要はなかった。イラクはいくつもの勢力に分裂して石油をめぐって内戦が続くようになるだろう。シリアやイランにも侵略の手を広げるようですが、そんな陸上戦力はアメリカには無いし経済的に持たないだろう。
アメリカはイスラエルと軍事同盟を結んでいますが、イスラエルをせき立ててレバノンを攻撃させましたが、イスラエルだってアメリカに裏切られてしまう可能性は強い。アメリカは利用できる国は見方として利用して、都合が悪くなれば敵として処分してしまう。イスラエルだって例外ではない。その国が信用できる国であるかどうかはその国の歴史を分析すれば直ぐに分かる事だ。
だからこそ19日にマキャヴェリの「君主論」を紹介しましたが、アメリカの為政者達はマキャヴェリを読んでいるだろう。「君主論」には次のように書いてある。
《 言語や風習や体制の異なる地方を征服した場合となると、これを保持するには、相当な幸運と大変な努力が要求されてくる。最も簡単で確実で、しかも永続をも保証してくれる解決法は、征服者自身がその地方に移り住んでしまうことだろう。ローマ帝国を征服したトルコ民族が、帝国の首都であったコンスタンティノープルに自国の首都を移してしまったのが好例である。なぜなら、君主自らが現地にあれば、すべてのことに眼がとどくようになるからだ。もしもこれが不可能ならば、第二の効果的な方策は、その地方の重要拠点と思われる一、二の地域に、移民の共同体を創設することである。これをもしない場合、支配下におきたいと思う者は、いざというときに大量の軍事力を投入しなければならない事態に直面させられることになるであろう。 》
(私のコメント)
米英がが中東の重要拠点にイスラエルを建国したのも「移民の共同体を創設」するためだろう。その目的は中東一帯の石油支配である。しかしそのイスラエルもヒズボラに大苦戦を強いられてイスラエルの役割は終わろうとしている。そうなればアメリカに裏切られてイスラエルはどうなるのだろうか?