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□「使い古した手口。裏に策略」 イスラエル首相発言で論議 [アルジャジーラ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2433676/detail
「使い古した手口。裏に策略」 イスラエル首相発言で論議
【アルジャジーラ特約10日】イスラエルのオルメルト首相がこのほど、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談する用意があると発言したことをめぐり、パレスチナ内で今、「発言は使い古した手で、その裏には巧妙な策略が隠されている」などとした議論がわき上がっている。(アハメド・エル・アムラウィ氏からの寄稿)
この発言の中でオルメルト首相はアッバス議長との首脳会談では、今年6月にパレスチナ・ガザ地区で拉致されたイスラエル兵士1人の解放問題が最優先と強調した。
同兵士拉致後、イスラエル軍部隊はガザ地区に侵攻、同兵士奪還に向けて攻撃を繰り返し、これまでにパレスチナ人200人以上が殺害された。犠牲者の約半分は一般市民だった。
そうした中での発言だけに、オルメルト首相が首脳会談で、パレスチナ側にどのような条件を提示してくるのかに注目が集まっている。
しかし、これまでのところイスラエル側がパレスチナ側に「にんじん」を差し出す気配はない。このためパレスチナ内ではオルメルト首相発言を「これまでに使ってきた古い手口を再び持ち出しているだけ」とさめた見方も出ている。
また、こうしたイスラエル側の使い古した手口は、ガザ地区などで実際に起きている事態を前に、パレスチナ人側にとって受け入れがたく、今後の中東和平交渉を一段と困難にさせかねない。
その好例がハマスが勝利したパレスチナ評議会選挙だ。イスラエル側はハマス中心のパレスチナ内閣を「テロリスト集団」と非難した上で、パレスチナ側の抵抗勢力を一掃する戦いを全面的に展開した。
イスラエルはパレスチナ人居住区とを分ける「分離の壁」の構築、パレスチナ自治政府関係者の拘束と暗殺、ユダヤ人居住区の違法拡張、土地収用を次々と行い、さらに、パレスチナ人への嫌がらせと威圧を繰り返してきた。これらこをイスラエルが現状をもみ消そうとしている姿勢の表れにほかならない。
▽和平交渉は「死に体」
イスラエル内の刑務所には現在、約8000人のパレスチナ人が投獄されており、また、イスラエル占領地に住むパレスチナ人の3分の2が貧困線以下の生活を強いられている。
そして、オルメルト首相は「中東和平のロードマップを履行するため、アッバス議長と協力しながら進めたい」と発言した。
しかし、多くの評論家たちの意見によると、中東和平交渉は現在死に体状態で、当面、棚上げすべきだという。
アッバス議長が選出された際、中東和平交渉を再活性化でき、パレスチナ人民の生活を改善できる人物との評価が下されていた。
西側の政治家たちはアッバス議長を「反アラファト」で、「穏健なパレスチナ人」として、イスラエルとは交渉可能な人物との見方を示していた。
アッバス議長も和平問題で成果を上げようとがんばったが、難問が次々と起きたため、ついに突破口を見出すことはできなかった。
パレスチナとイスラエルとの対立を終わらせるのに必要なことは、強力で、しかも一点に集中した外交努力を双方が和平、司法、治安の部門で続けることだ。
しかし、それにも増して重要なのは国際社会がこの問題へより積極的に参画し、和平実現という目標達成に努めることだ。
対立を収め、それを維持するにはパレスチナとイスラエルの双方が協力し合わねばならない。そこで最も必要なのは、パレスチナ人民の願い、すなわち、「自らの土地を持ち、自らのアイデンティティーを確立する」という希望を認めることだ。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
2006年09月11日17時12分