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(回答先: 日本も誤り認めよ―加藤氏 イラク戦争の米報告書で (共同通信) 投稿者 彗星 日時 2006 年 9 月 11 日 11:56:05)
日本の国会の「サダム悪魔化の法的手続き論」と政府答弁
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季刊『真相の深層』04春・創刊号
特 集
大手メディアが報じない国会議事録抜粋(その2)
参議院イラク特別委員会(04・02・09)佐藤道夫(民主党・参議院)議員の質問「サダム悪魔化の法的手続き論」と政府答弁
編集者の序・9・11事件直後の日本の国会、参議院の連合審査会で、法的手続きの不備を突いた元札幌高検の検事長の佐藤道夫議員は、イラク「戦争」とそれへの日本政府の対米従属の協力に関しても、やはり、自衛隊のイラク派遣の状況下、法的手続きの不備を、鋭く追及していた。以下は、その議事録の抜粋である。これは、いささか不謹慎な表現になるが、下手な漫才よりも興味津々の「突っ込み」と「ぼけ」のやり取りである。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0205/main.html
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○佐藤道夫君 フセイン氏の所在というんでしょうか消息というんでしょうか、フセイン元大統領か現大統領かよく分かりませんので一応フセインと、こういうふうに呼び捨てにさせていただこうと思います。
彼が身柄を拘束されたのは12月の13日ですか、もう2年越しになっております。2か月ぐらい掛かっておるわけですけれども、一体どこでどうなっているのかと。新聞報道はほとんどないと。
一体に、法の適正手続、デュー・オブ・プロセス(しかるべき法的手続き)というあの言葉はどこから出てきたかというと、中世から近世初頭にかけて各国で、特にヨーロッパ諸国あるいは中国などで、権力者の思うがままに裁判が行われると。あいつは悪いやつだと、捕まえてこいと、そしてすぐ裁判をやって死刑にしろと、分かりましたと言って裁判なるものが行われていたと。
これはこういうことで逮捕したんだと、いいかと、結構でございますということで国民も納得する、裁判は慎重にお願いしますと。それが一切ないんですね。どうしてなんだろうかと。私、法律家の端くれとして大変不思議に思っている。
アメリカという国、イギリスという国、法律家が、日本どころじゃない、大変威張っておる国でありまして、法律家がそれはおかしいよと、こう言ったらば、政府もなるほどそうだなと言って政治を改めると。それがあの国でもイギリスにおいても日本でもだれ一人、一体何だろうか、これはと、こんなことが許されるのかと。
しかし、文明国、文化国家の指導者たる者がそれでいいんだろうかと。今度は彼以上の権力者が現れて、じゃおまえはすぐ死刑だと言われたって文句は言えないわけなんで、やっぱりああいうときは、もうこれから先は裁判だと、裁判に任せてそれを見守ろうというしかないはずなんですけれども、軍法会議なんかないわけですから、まだ。
文化国家のリーダーである小泉総理はブッシュ大統領あるいはイギリスの、何といいましたかな、ブレア首相ですか、彼らに会ったときに、ちょっとあなた方おかしくはないんですかと当然質問をしていると思いますけれども、どういう御回答だったでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 米国防総省は今の時点で、フセイン元大統領はジュネーブ諸条約での、諸条約の下での戦争捕虜と位置づけられるということを明らかにいたしております。
なお、これについては、赤十字国際委員会ですけれども、これもそのアメリカ当局のこの決定は法的に正しいという見解を明らかにいたしております。
それで、委員がおっしゃった裁判のことですが、米国はフセイン元大統領の裁判に関して、サダム・フセインが行った虐殺やイラク人に対して行った残虐行為への責任をイラク人によって問われることになる旨述べたというふうに承知をいたしております。ただ、それ以上の具体的な詳細については、特別裁判所の活用を含め、現在CPA、統治評議会におきまして種々の検討が行われていると承知をいたしております。
○佐藤道夫君 大変失礼だけれども、こんなありきたりの答弁聞く気は私まったくない。そんなこと知っていますから、全部ね。
私は聞いたでしょう、総理に。罪名は一体何なんだと、犯罪事実は何なんだと、弁護団はどういう方に構成されているのか、これが一番裁判の基本です、こういう場合のですね。そのことについて、同じような文化程度のある日本とアメリカの首脳陣が会えば必ず話題に出る。いや、忙しくてそんなもの相手にしていられなかったと、そんなことは言わせませんよ。だれだってこれ大事なことですから。
どうですか、ちょっとまじめに答えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、法的なことですから、正当な裁判が行われるように、今外務大臣が答弁したとおりだと私は思っております。
○佐藤道夫君 私聞いているのは、罪名が、フセインの罪名と犯罪事実が何なのか、話はここから始まるわけですから、それをお聞きしたのかと、こういうことです、まず話の初めは。知らないの。
○国務大臣(川口順子君) 戦争犯罪あるいは人道に対する罪、それを含めまして犯罪の訴追、処罰について、これはフセイン元大統領に対する関係当局の尋問、これを経まして、しかるべき取扱いが検討されていくというふうに承知をいたしております。
それから、弁護人というお話ございましたけれども、弁護人を、今の時点でフセイン大統領に付いているのか、あるいは付いていないのか、それについては承知をいたしておりません。
○佐藤道夫君 何度も言っているでしょう。罪名は何なのか、犯罪事実は何なのか、それから弁護士はどういうことになっているのか、これらをお聞きになっているでしょうと。外務大臣だって向こうの国防長官などと会えば必ずその話が出るわけですから。あなた法学部出ているんでしょう。それならば、きちっとやっぱり私と同じような疑問を持つ、日本じゅうの大学生が、法学部の学生たちが皆、一体何の罪であれ捕まえているんだと、あんなことができるのかと、アメリカという国は本当に文明国なのかと、こんな疑問をお互いに交わし合っていますよ。お聞きになっている、なっていない、その結論だけで結構ですから。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は直接には聞いておりません。
○佐藤道夫君 こんな大事なことを、一国の首脳が身柄拘束をされているという問題です。あなたの問題でもあるわけですよ、さっきから言っていますけれども。それについて聞く、会っても聞かないなんて、よくもこう、大変な疑問を持っておりますけれども、まあいいです。
それじゃ、次の問題に、大量破壊兵器の問題に移ります。
いろんなことが議論されておりますけれども、いずれにしても、イラクが国連の言うことに従わないとか、もういかにも危険極まりない大量破壊兵器を手にして世界じゅうを暴れ回る、被害を届ける、だからこそすぐイラクに侵略を、侵入をするんだということ。せっかく調査をしておったイラクの国連の査察団をイラクから退去させまして、アメリカが軍を、軍隊を送り込んだと。その結果、これ私、新聞しか読んでいないので新聞情報しか知りませんけれども、イラク人民2万人から5万人ぐらいの犠牲が出ていると、新聞情報で当たるも八卦当たらぬも八卦だと思いますけれども、2万人から5万人。それはそうでしょう。アメリカは侵攻をして、そしてイラクじゅうの町という町を全部空爆したんですよね。もうテレビで見る限り、バグダッドなんというのはもう瓦れきの山と言ってもいいわけでしょう。その間をイラク人たちが子供も含めて右往左往をしている。
私、軍隊を派遣して大量破壊兵器を摘発するというからには、もうちゃんとした確証があって、あそことあそことあそこに何と何と何が埋めてあるという、そして犠牲はもう必要最小限度にとどめようという思いを持ってイラクに侵攻したんだろうと思っておりましたら、こんなことうそっぱちなんですね。とにかく行けと、どうなっても知らねえと、イラク全土も爆撃しろ、どうせろくでもない連中が集まっているんだからと言わんばかりにして各地を爆撃して、大変な、2万人か5万人か、犠牲を出してしまっている。そして、一体どうするつもりなんだと。我々はもう勝利を収めたと勝利宣言もしていますしね。本当に不思議としか言いようがないんですよ。
いろんな手段を講じて、そしてぱっと大量破壊兵器を摘発して、さあ、どうですかというのが文化国家、文明国家アメリカ、イギリスのやることだろうと思ったら、一切そんなことしない。これは危ないですよ、本当に。何かの食い違いがあってアメリカ軍が我が国に侵攻してきたら、もう1億のうち半分ぐらいは殺されるかもしれませんよ。そう言ってもおかしくないくらい乱暴なやり方をしている。
こういう問題も、やっぱり首脳会議のときに総理とブッシュ大統領の間で意見が交換されていると思いますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のイラクの開戦に至る経緯におきましても、過去イラクがクウェートを侵略した事実を踏まえ、一連の決議にのっとって、国連ができるだけ協力して対処しようという中で結論が出されたものであると私は理解しております。
○佐藤道夫君 お話をしてブッシュ大統領からどういう御回答をいただいているのか、それを差し支えない限り話をしていただければ我々も安心するわけです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国際協調体制を構築するために努力するということで一連の国連決議がなされたわけであります。そして、最終的には、イラクが大量破壊兵器を持っていない、廃棄したという責任、立証責任をイラクが果たさなければならなかったという中でイラクがそれを果たさなかったということで、今回、開戦の経緯に至ったわけでありますが、私は、あの国連決議を誠実にイラクが実施していれば戦争は起こらなかったと、今でもそう思っております。
○佐藤道夫君 何か、私のお尋ねしていることをわざと聞いていないのか、あるいは聞く気がないのか。
私は、ブッシュ大統領に、アメリカ軍がイラクに侵攻するときに、どれだけの確証があって、絶対間違いない、あそことあそこにあるから、無関係なイラク人民に被害を与えるようなことは一切ないということで侵攻させたんですと。いやいや、何もしないで、まあとにかく行ってみろといって侵攻させたのか。その辺の質問に対してどういう回答があったのかと。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 先ほどの答弁と同じことなんですけれども、国連の一連の決議にのっとって支持したわけですよ。大量破壊兵器の脅威が存在していたんです。だからこそ、国連で何度も議論が行われたんです。
○佐藤道夫君 もう嫌になりますけれども、私も何度も聞いているでしょう。あのアメリカ軍が侵攻するときに、どれだけの確度を持って、あそことあそこにあることは間違いない、じゃ軍隊を派遣しようということ、それは当然のことですからね、権力者としてね。無関係な人民の血を流す、そんなことをやってはいけないわけですから。そういう、おやりになったんでしょうと聞いたら、ブッシュ大統領はどう答えたかと。そういう問題はしたのかしないのか、したとすればどんな回答だったのか、それを聞いているんですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのような話し合いもしておりますが、日本としては武力行使を支持した根拠は国連、一連の国連決議だということなんです。何回も御質問ですが、何回も私、答弁しています。
○佐藤道夫君 何回も聞きますけれども、軍が直接行くときに、やっぱり徹底して調査を遂げて、あそこに行けば出るはずだというぐらいの細心の注意を持って行ったはずです。はずでしょうと質問したでしょう。それに対して、何、国連決議があるから構わないなんて、そんな答えをしたんですか、ブッシュは。そんなばかなと言いたくなりますよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何回も答弁しているんですよ。イラクが立証責任を果たさなきゃならなかった。妨害した。いろんな状況の中で国連で決議されて、日本としては、一連の会談の中で、最終的には一連の国連決議にのっとって支持したわけであります。
○佐藤道夫君 何度も言いますけれども、アメリカ軍が侵攻するときにどれだけの調査をし、どれだけ徹底した調査をして、証拠もあるし、あそこにあるはずだということで軍を派遣したのかどうかと、そういう質問をしたでしょうと聞いているのに、何も国連決議なんかどうでもいいんですよ、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) あの当時、アメリカ軍が勝手に調査なんかできるわけないじゃないですか。フセインが許しませんよ。だから国連で、イラクが廃棄した証拠を示しなさいということを国連で決議しているのに、イラクの当時のフセイン大統領はそれをしなかったんです。
○佐藤道夫君 いずれにしても、自分の手足が行くわけですからね、イラクの国内に。それが侵攻するときに改めて調査をしようと。だって、現に国連の調査団が、おまえ出ていけといって、アメリカ軍がぱっと入っちゃったんでしょう。まず、国連のあの調査団を退場させるなら、それから今度はアメリカは本格的な調査を遂げて、そして確信を持って軍隊を派遣する。何にもそんなこともないんですね。国連の決議といったってもう何年も前の決議でしょう。(了)
[中略]
○首藤委員 時間もほぼ大体終わりになりましたので、最後に、現在のこの問題をめぐるより大きな問題についてぜひ小泉首相の御意見をお伺いしたいわけですが、今、最近になって出てきた展開の一つは、今まで懸案となってきた大量破壊兵器、大量破壊兵器こそが私たちの原点で、大量破壊兵器があったからこそ、私たちも、それがあるということを前提として、それに対して、あるときには賛同し、あるときにはもっと慎重を期すべきだという意見を言ってきました。すべての起点はこの大量破壊兵器ということで、イラクに対してあれだけの攻撃が行われ、恐らくイラクの民間人も万を超す人たちが死んでいき、そして、アメリカの若者が、500名を超える若者が既に死に、20数名の自殺者を出し、手足を失い、目を失明するなどの重傷者が2000人を超えている、そういう惨事を生み出しているわけです。
しかし、今その原点の大量破壊兵器というものが、アメリカの査察の、戦後の査察をやっていた方も、それはなかった、こういうふうに言明されている。そして、あれほど主張していたパウエルさんも、実はその問題はもうクエスチョンマークがつくんだということをおっしゃっているわけですね。そういうことはどういうことを意味するか。イラクに大量破壊兵器が本当はなかったんじゃないか。これは、今まであった私たちの論議のすべての原点なんですよ。ですから、このことに関しては、国連もある意味でだまされたかもしれないわけですよね。
ですから、今まであった、たくさんの決議がたくさんあります。御存じのとおり、1441、1483、そして最近の1551に至るまで、いろいろな国連決議が行われた。しかし、もし国連の決議というものに関して錯誤があれば、我々は勇気を持ってそれを変えていかなきゃいけない。その意味では、日本こそが、この問題に関して、一体我々は原点で間違えていたんじゃないか、もしかしたら私たちが最初の一歩を、ボタンをかけ違えしたんじゃないかということを世界に向かって、日本がリーダーシップをとって国連で提起していただきたいと思うんですね。このことこそが、小泉総理が日ごろ述べられた、まさに、国際社会において名誉ある地位を占めたいと思う、私たちの、国民の願望であると思うんです。
ですから、今、そうした状況ががらっと変わろうとしている、ついにがらっと変わろうとしているこのタイミングをとって、ぜひ積極的な行動を起こし、私たちの原点となった大量破壊兵器の問題に関して国連を動かして、もう一度歴史を、その原点に戻って新しい別な道を選ぶことを可能にするような提言をぜひやっていただきたいと思うんですが、小泉首相の御意見をお伺いしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 その点に関しては、首藤議員と意見を異にしております。
これはもう前国会においても何回も民主党議員の間で議論されたところでありますが、イラク政府は、過去、大量破壊兵器を使っていた事実があるし、なおかつ、国連の決議に沿って、大量破壊兵器を持っていないという立証責任を示す必要があったんです。それで、国連決議に従わなかった。日本の支持表明は、国連決議にのっとって支持を表明したわけです。今でも正しかったと思っております。
○首藤委員 いや、総理、それは、イラクの問題に関して、かつて使った、かつて使ったと言っていますけれども、日本だって持っていたんです。使ったんですよ。(了)
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