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株式日記と経済展望
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共和党大統領であろと民主党大統領であろうと、日本と英国は
超大国アメリカの戦略拠点になったというのが厳しい現実である。
2006年9月4日 月曜日
◆親中派」がアジア政策調整の最高ポストに―米ホワイトハウス 9月2日worldtimescom
http://www.melma.com/backnumber_108241_3336368/
【ワシントン1日早川俊行】米ホワイトハウスは1日、昨年12月に知日派のマイケル・グリーン氏が退任した後、空席になっていた国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長に、同部長代行で中国部長のデニス・ワイルダー氏(51)を昇格させると発表した。
同氏は大統領特別補佐官も兼務する。「親中・リベラル派」のワイルダー氏がアジア政策調整の最高ポストに起用されたことで、ブッシュ政権の対中政策が変質することも考えられる。
米中央情報局(CIA)出身のワイルダー氏は、「CIAの中でも最もリベラルな中国アナリスト」(ワシントン・タイムズ紙)といわれ、中国に対して長年、融和的な態度を取ってきた。
同紙によると、ワイルダー氏はこれまで、台湾への武器売却計画を妨害したことがあるほか、昨年は国防総省の「中国の軍事力に関する年次報告書」から中国に否定的な記述を削除しようと画策した。
このため、米政府や議会の一部は、ワイルダー氏の昇格案に反対していた。こうした状況の中でワイルダー氏の起用が決まった経緯は不明だが、同氏はブッシュ元政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたブレント・スコウクロフト氏らとつながりを持つ。
ブッシュ政権の対中政策の基本は、中国との協調関係を重視しつつも、急速な軍備増強を含め不確実な中国の将来に対し警戒を怠らないというものだ。
だが、ワイルダー氏は「米国の対中政策を親中に向かわせようとしている元高官らと深いかかわりを持っている」(同紙)ことから、今後、ブッシュ政権の対中姿勢に変化が生じる可能性も否定できない。
また、日本との同盟関係を最重要視したグリーン氏の後任にワイルダー氏が就いたことで、対日政策に何らかの影響が出ることも考えられる。
◆「マッカラム・メモ」と日本 8月30日 古澤 襄
http://www.melma.com/backnumber_108241_3330893/
ブッシュ米大統領の共和党政権から民主党に政権が移るとすれば、米国のアジア政策がクリントン政権時代のように”中国重視政策”にスイッチ・バックするのだろうか。共和党政権が続く可能性もあるのだから、今から心配しても始まらないというのが、大方の能天気な日本人の感覚であろう。
出たとこ勝負が戦略的思考に欠ける日本人の感性だから、何となくうまく立ち回るかもしれない。もっというならブッシュが退場して、ヒラリー・クリントンでも登場すれば拍手喝采、ヨン様人気ならぬヒラリー人気で日本中が沸き立つのかもしれぬ。
最近、平井修一氏の「マッカラム・メモ」翻訳で、その全容を知ることができた。「マッカラム・メモ」・・・昭和十五年十月七日に米海軍諜報部のアーサー・H・マッカラム少佐が海軍提督のウォルター・アンダーソンと提督ダドリー・ノックスに提出した戦略メモのことである。
アンダーソンとノックスは、ルーズベルト米大統領が最も信頼を寄せた軍事顧問の一員。メモは機密扱いで私たちは知るよしもなかったが、平成六年に五十年ぶりに機密扱いが解除されている。
あらためて読んでみるとルーズベルトは「マッカラム・メモ」のステップ通りに政略を展開し、挑発された日本は無謀な日米戦争に突入した歴史が明らかにされた。
このメモは読む人によって価値判断が違うのかもしれない。多くの日本人はルーズベルトが仕掛けた罠に、日本がはまり真珠湾奇襲攻撃をかけたということであろう。
マスコミが取り上げるとしたら、この視点になる。オーソドックスなのだが”ルーズベルトの罠”は、これまでも言われてきた。その補強材料にはなるが、目新しいものではないともいえる。
私が注目したのは、同盟国である英国に対する分析と支援計画である。この戦略思想は民主党大統領であろうと共和党大統領であろうが英国支援で一貫している。米国は建国以来、自国の国益を最優先に考え、時にはモンロー主義の様に孤立政策も厭わなかった。
第1次世界大戦でも第2次世界大戦でも米国は最初から参戦していない。途中から参戦して、双方の交戦国が疲弊したのをよそにして戦後一人勝ちの繁栄を手中にしている。悪くいえば”火事場泥棒”的な戦略思想をとった。
私は、この戦略思想を!)多民族国家からくるコンセサスの遅れ!)英国に対してはアングロサクソンの連帯感・・・と理解していた。だが「マッカラム・メモ」は、優勢なナチス・ドイツやムッソリーニのイタリアに対し英国が戦争を継続し、英国海軍が大西洋を支配している限り、米国には影響は及ばない。
米国にとって危険があるとすれば、大英帝国が早々と敗退し、その艦船が枢軸国に渡ることである・・・と言い切っている。
ヨーロッパが独伊枢軸国の支配下に置かれ、英国海軍の艦船がナチス・ドイツの手に渡れば、大西洋は米国にとって安全な海ではなくなる。それは米国の安全を危うくするから、米兵の犠牲を覚悟で参戦するという選択になる。アングロサクソンの連帯感などという甘い思考など微塵もない。
ひるがえって今日的にいうと、太平洋をはさむ日本と米国の同盟関係について、米国は「マッカラム・メモ」的な思考をとっているのではないか。
すでに日本海軍(海上自衛隊)は、アジアで最強の艦艇を保有している。この艦艇が米国の仮想敵国に渡らないために、米兵の犠牲を覚悟のうえで日本防衛に当たるという脈絡になる。すべては米国の国益を守ることが優先している。
これは共和党大統領であろと民主党大統領であろうと変わるまい。日本と英国は超大国アメリカの戦略拠点になったというのが厳しい現実である。アジアでいうなら韓国は戦略拠点ではなくなっている。
米ソ冷戦時代には朝鮮半島において共産主義の防波堤として韓国の存在意義があった。冷戦崩壊後は米兵の犠牲を冒してまでも在韓米軍が駐留する意義が薄れている。
その現実の中で日本がどう強かに生きるか、米国から押しつけられた日本国憲法を逆手にとって、日米同盟を維持しながら、自立の道を歩む難しい道が前途にある。米国の方が日本を必要としているという観点を持つ時代にさしかかったのではなかろうか。
(私のコメント)
ブッシュ政権から知日派が次々と居なくなり、中国の専門家が対アジア政策を受け持つようになって来た。唯一の小泉ブッシュの仲も小泉首相の退陣により変わろうとしている。日本の政治家はアメリカを訪問しても要人と並んで写真を撮るだけで戦略的な話ができる人がいない。若手の政治家にはアメリカ帰りのアメリカ通の人もいるが日本では地位が低い。
今度なる安倍首相もアメリカ留学経験があるが、名門大学に留学したわけではないからアメリカの政権内部に友人がいるわけではない。ところが中国は若手の局長ラスにはアメリカ留学組がなっており、意外とアメリカと中国との人的な交流はあるようだ。アメリカもアジア研究というとどうしても中国が中心になり、日本の専門家はほとんどいなくなった。
日米関係が希薄になったから人的な交流も希薄になったというのではなく、アメリカにとって日本は放って置いても心配がないからと言うことだろう。つまりはアメリカにとっては日本は存在感が薄いのであり、日本の総理を選ぶのもアメリカの手で行なわれており、アメリカの暗黙の承認がないと首相になることは出来ない。
森前総理もあまり使い物にならないと見捨てられて、えひめ丸事件を起こされてもゴルフをしていたという事で解任された。田中角栄総理のような強力な総理でもロッキード事件で引き摺り下ろされるのだから、日本は独立国とはみなされていないのだろう。だからブッシュ政権内に日本の専門家がいないのも当たり前なのだ。
ここまで来ると、いくら日米関係が大切といっても日本は国として扱われていないのだから国益上問題もでてくる。クリントン大統領の時のような、アジアにおいて中国が最優先されると、日本から金が吸い取られて中国に投資されるようになって日本の陰がますます薄くなる。
アジアにおいて中国が覇権国と言うことになると、日本は中国の属国と言うことになる。つまりは日本はアメリカの属国であると同時に中国の属国として従う事になるのだろうか? 経済面で見ればアメリカも中国も大切な市場だからそうなっても不思議ではない。ところが軍事的に見ると日本が中国の属国になるとアメリカの国益は害される事になる。
マッカラムメモに書かれているように、アメリカにとってイギリスを失えば大西洋岸が脅威にさらされることになるように、日本を失えば太平洋岸が軍事的脅威に晒される事になる。だからアメリカの外交戦略としては、日本を軍事的に押さえ込みつつ、経済では中国と手を組んでいこうとしているのだろう。
しかし中国が改革解放で経済発展すれば民主化が進むと見ていたのでしょうが、軍事的にもアメリカに対して脅威を与えるような力を持ちつつあるから、アメリカの中国に対する戦略も少しづつ変わっては来ているようだ。今までのアメリカ軍は朝鮮半島有事に備えた布陣でしたが、グアム島の基地を強化して中国に備えた布陣に切り替えてきている。
朝鮮半島に有事の時が来ても在韓米軍は主力が引き上げていて、指揮権も韓国に移るから朝鮮半島は韓国軍に任せた形になった。日本も長期的に見れば日本に任せる形になるだろう。そしてアメリカの防衛ラインはハワイからグアムへ後退してアメリカ本土の防衛に主力を置くようになる。ただし太平洋の制海権や東南アジアやインド洋への作戦には日本という中継基地が必要だから韓国のように放棄するわけには行かない。
だからアメリカ外交の戦略としては経済的には中国を最重要なパートナーとして、軍事的には日本との同盟を強化する二股戦略だろう。しかし中国はアメリカの奥の院が期待しているような近代的な超大国になれるのだろうか? 人口や国土面積からいえば期待は大きいが、中国人そのものが近代的な民主主義に適応できるのだろうか? でなければ民主国家としての中国は成り立たない。
日本は昔から民主主義を受け入れる文化的な要素があり近代化に成功しましたが、中国は昔から帝政国家であり強力な指導者によって力で抑え込まないと国として纏まらない。ロシアもソ連の崩壊で民主的な国家になるかと思えましたが、プーチンの登場でソ連時代と大して変わらない国家になっている。
90年代はロシアもエリティンの登場で民主国家として再生するだろうと思われていたし、中国も同じように経済的に豊かになれば民主化も進む事が期待されていた。だから当時のアメリカ人もアジアのパートナーは中国だと期待するのは当然だった。しかし現実には中国は軍事大国化を目指している。20年後にはアメリカを凌駕するとまで言っている。
ロシアのプーチンの登場は再び将来的に冷戦の復活を予想させるものであるし、中国の経済大国化は軍事大国になることになる。そうなるとアメリカとしては大西洋の守りはイギリスと同盟を組み、太平洋の守りは日本と同盟を組まざるを得ない事は明らかだ。それは共和党政権でも民主党政権でも大きくは変わらないだろう。
もしアメリカに民主党政権が出来て、ヒラリー・クリントンが大統領になり、90年代のような親中反日政権が出来たら、日本としては韓国のノムヒョン政権ではないけれど、日米安保も見直すという覚悟が必要になるだろう。そうしなければ日本はアメリカと中国に二つに引き裂かれてしまうからだ。クリントン夫妻は80年代に中国に買収されて信用は出来ないから気をつけるべきだ。