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この「空域・海上封鎖」は深刻な問題だと思います。イスラエルはパレスチナでもやっています。パレスチナでの封鎖も大問題です。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060830i317.htm
国連総長のレバノン封鎖解除要請、イスラエルが拒否
【エルサレム=三井美奈】中東歴訪中のアナン国連事務総長は30日、イスラエルのオルメルト首相とエルサレムの首相公邸で会談し、同国軍がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦後も継続しているレバノン空域・海上の封鎖を即時解除するよう求めた。
だが、首相は否定的な立場を示したほか、国連が求める「イスラエル軍早期撤退」も拒否する姿勢を見せ、アナン事務総長の仲介外交は、早くもつまずきを見せた。
28日のレバノン訪問から歴訪を始めたアナン事務総長にとって、イスラエルから「軍早期撤退」と「空域・海上封鎖解除」を引き出すのは、仲介外交の最大の責務。首相との会談ではこの2点が集中的に話し合われたが、イスラエル側は、「国連レバノン暫定軍(UNIFIL)がシリアからヒズボラへの武器密輸を阻むため、レバノンのシリア国境地帯や国際空港に展開するのが封鎖解除の条件」と譲らなかった。
また、イスラエル軍のレバノン撤退についても、アナン事務総長が「数日か数週間以内にUNIFILを5000人に倍増する」として、早期撤退を促したのに対し、オルメルト首相は、「安保理決議が履行されれば実施する」とだけ述べて「撤退」の言質を与えず、駐留長期化にも含みを持たせた。
両者の対立の背景には、「和平」についての考え方の違いがある。イスラエル側はUNIFILに「ヒズボラの武装解除、武器密輸阻止」を厳密に求めるのに対し、1万5000人の増強部隊を集める必要がある国連は、部隊が激しい衝突に巻き込まれるような事態を避けたいのが本音だ。
ただ、アナン事務総長は、イスラエル訪問中に同国軍のレバノン撤退や封鎖解除に道筋をつけた上で、ヒズボラの支援国イラン、シリアを訪れて両国にヒズボラの武装解除に向けた協力を求める方針だった。だが、イスラエル側から何の譲歩も引き出せなかったことで、シリア、イラン訪問でも成果を期待することは難しくなった。
事務総長の中東歴訪は、イラク戦争とその後の復興で国連がほとんど役割を果たしていないことの反省から、改めて中東地域で「国連外交」を発揮したい狙いがあったが、イスラエル訪問でその難しさを早くも露呈することになった。事務総長はイスラエル訪問に続いて、パレスチナ自治区やヨルダン、エジプト、イラン、シリアも訪問する予定。
(2006年8月30日23時58分 読売新聞)