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今日、移民のテレビ局として知られるSBSテレビで、「昨年の8月、ガザ地区から引越しを強制させられるイスラエル人たちの人間模様」の映像を見ました。
日本でも、こういう映像は流れるのでしょうか。
これは、5日間かかって、パレスチナに引き渡す(返す)ガザ地区に住むイスラエル住人達を説得し、引越しをさせる軍の動きを伝えたドキュメンタリーです。
対象となったイスラエル人の町では、軍が来る前に町で集会を開き、みんなで ここに頑張って残ろう、と決めます。なかには、宗教的な歌を歌い、団結して居残ることを誓い合う人々もたくさんいました。彼らは、口々に、歴史の話を出し、自分達がこの地域に残ることの正当性を主張していました。
神の救い、とか神の何とか、と言って、みんなで声揃えて唱えるところでは、子供も大人も涙を流し、本当に心から、自分達の歴史的権利を信じているようでした。
軍は 出て行きたくない人々、説得に応じない人々の体を持ち上げて バスまで運びます。もちろん映像で見る限り暴力はありません。軍人らは、住人が その前に神の儀式をします。と言って、家の中に誘うと、それに従い、なるべく住人に刺激を与えず、冷静に出て行けるように、努力しているようでした。
あるシーンでは、男性が一人の女性をかばい、この女性は一人でこどもがたくさんいて、行く所がないんだ。他の町で道路にでもすめというのか。ここにいさせろ! と何度も叫ぶ場面もありました。
軍が来る前、子供も含む男性らが、軍と闘うために、バリケードをきずく町もありました。
軍は、建物に立てこもる住人達(みんな男性)に、放水をしたりして ”降参”するように”闘って”いました。
兵士達がそれを見て、笑っている場面がありました。
住人達を助けにきた我々を敵として戦っている住人達がこっけいだったのでしょうか。
ここに残ったら、後からやってくる予定のパレスチナの人々を顔を合せる事になります。
そしてイスラエル人たちは、同じような生活はできなくなるのは、自明のことです。
この住人たちのガザ地区撤退の指揮をとった 南イスラエル軍将校に カメラは5日間密着取材します。英語の字幕なのですが、録画せず、英語の達人とまでいかない私には、画面が移るのが早すぎて、よくわからなかったのですが、彼の態度や一部の言葉から、この撤退劇にとても複雑なものを感じていた、という感じです。
豪州の番組ですから、イスラエル批判とはいきません。
でも、かわいそうなイスラエル人、という作り方ではなかったと感じました。
政府の責任で、軍や住人が翻弄されている、という印象を強く与えているように感じました。
イスラエル軍にとって、ガザ撤退が、初めて自分達側の民と対立する出来事だったので、世界のメディアが注目したことでしょう。
日本でも放映されたかもしれません。
この映像を見ていて、一度奪われ、奪った人々が町を作り、定住しても 撤退はさせられる、という事実は、現在不法に他民族に土地を占領されている人々に 未来への希望を与えたかもしれません。
それにしても、この映像からのことですが、彼らのその土地へ執着する大きな理由は、日本やアジアや他の土地に住む人に見られるような、先祖代々(耕してきた、汗のにじんだ)や、都市の人々のような、家にかかった資金とか、こどもの学校とか 仕事とか そういうものではなくて、宗教と宗教にからんだ歴史なんだなあ、と、言われていることなのだけれど、改めてわかりました。