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□占領後暗躍する怪しげな占い師の餌食になるイラク人/アラビアニュース
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占領後暗躍する怪しげな占い師の餌食になるイラク人/アラビアニュース
治安が悪化しているイラクでは誘拐される人々が後を絶たない。家族は誘拐された人を助けようと様々な方面に頼るが埒が明かない場合も多く、自称、超能力者に頼ることが流行しているという。5月2日付のミドル・イースト・オンラインが「クドゥス・プレス」から引いて報じた。
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イラク人俳優ハリール・ラーフィイーは、80年代に上演されていた劇「糸と小鳥」で、謎の文字を読み解き、狐のような策略を用い人々に「見えないもの(未知、未来、運命などを指す)」の場所を教える「占い師(訳注:ファッターフルファールと言うイラクの表現。コーヒーカップなどを使うがガラス玉は使わない)」として知られる人物を巧みに演じ、最後まで独創的な演技で観客の大笑いが絶えなかった。
しかし、他の国における手相見や予言者のようなものである「占い師」は、長年姿を消していたものの、イラク人の生活から途絶えたわけではない。イラクが占領されバグダードが陥落した今日、「占い師」の活動が再開され、未知のことは神の領域であると同意していても、四方八方からの災難に見舞われた純朴なイラク人の生活のなかで重要な役割を担うようになった。
ウンム・アリーさんは「息子を探すために訪れるべき所は全て行った。役所や治安組織、米軍にも行ったし、全ての病院も見て回った。人権団体に息子の名前を登録して、遺体でも息子の行方の手掛かりでも何でもいいから探してもらったけれど、結局何も分からなかった」と語る。
息子が行方不明になって一年以上が経過したが、「人間の」情報源に頼ることに絶望したウンム・アリーさんは「占い師」や占星術師の門を叩き、「ジン(アラブ社会で信じられている精霊)」に息子のことを尋ね続けている。
彼女は「占い師を訪ねることがイスラムで禁忌であることを知っているけど、最愛の息子なのよ。占い師の多くが嘘つきのペテン師で、金のために私を騙していると分かっている。でも他に方法が無いの」と嘆息する。
占い師や魔術、魔法は、イラクの占領前には絶滅寸前の職業だった。理由は、人々に魔法使いや魔術師と付き合うことを止めるよう穏健なイスラム活動家たちが説いたり、教育的宗教プログラムによって人々の意識が向上したことや、サダム・フセイン元大統領政権が、彼らをガサ入れしたためだ。
しかし、イラクの人々が言うように、占領後に状況が一変、誘拐が横行、新しい風俗習慣がイラク人の生活に入り込み、或いは古い習慣が再生復活したようだ。
ある「魔法の球」使いは、「球を凝視すると行方不明者の所在が見える。それは魔法や魔術ではなく、科学的方法を使っている」と強調する。
イラクで反対を受けながらも広まりつつあるこの「職業」を行うこの人は、付言する。「我々が占星術や予想に依拠していると考えるのは誤りで、科学的真実によっている。しかし、多くの場合このような真実は我々だけに与えられた能力による。我々の命令を実行する知られていない兵士たちと交信している。彼らが誘拐された人の居場所を知ることが出来る」
彼らが「成功」に太鼓判を押すのに対し、子供が行方不明になって「占い師」や「魔法の球使い」を頼る人々は、誰も行方を示せなかった」と断言する。バグダードのアル・ダウラ地区の住人ジャッバール・タアマさんは「彼らは基本的に彼らの得ている情報に依拠している」と語る。
「バグダード中心部の商業地区で働いていた兄(弟)が行方不明になり、占い師を訪ねた。占い師は薄暗くて香の香りが強く漂う場所で兄(弟)について尋ね終わると、『貴方の兄(弟)は誘拐されている。ある集団が、多額の身代金を要求するために貴方に連絡してくるだろう』と言った」
「私が占い師に兄(弟)の居場所について尋ねると占い師は『誘拐者集団は常に移動しているから定位置は無い』と語り、いくつもの場所の名前を私におしえた。結局兄(弟)は身代金を払って開放されたが、その時になってこの占い師の言葉を思い出し、彼がいくつもの答えで私を惑わせていたことが分かった」と語った。
占い師の報酬は顧客の(経済)状態や探しものにより異なり、以前占い師をしていたことがある「専門家」によると、一部の占い師は顧客とその金銭的状態について調べるために人を送っているという。またある者たちは誘拐者集団と直接つながっていて、仲間内で誘拐者役と占い師役を配分し、「儲け」を山分けするのだという。
あるイラク人はこの現象の拡散を論じて、「イラクの惨状や事件の横行ために、イラクは誘拐された人々を探し出すための『占い』の原理や手相見、コーヒー(カップ)占いを教える大学を開設することが出来る中東で初めての国になるだろう」と揶揄する。
http://www.middle-east-online.com/?id=37739
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