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国連の「レバノン停戦」で戦闘は終結しない。「停戦」とともに実は「ほんとうの戦争が始まったのだ」――中東問題の権威ともいえるベイルート駐在のジャーナリスト、ロバート・フィスク記者が英紙インディペンデント(電子版、8月14日付け)が言明した。
戦争は終わるのでなく、これから始まる、いや始まっている。イスラエル軍はいまや、「その歴史において、もっとも苛烈なゲリラ戦争に直面している」――これが、世界が最も信頼するフィスク記者の見立てである。
そして、その「ほんとうの戦争」はおそらく、イスラエルの敗北で終わる、と。
「前日」の1日だけで――と、フィスク記者は記している――少なくとも39人、恐らくは43人ものイスラエル兵がヒズボラの反撃で殺された。
そしてヒズボラはイスラエル領内に「ミサイル」をなお撃ち続けている。
それが現実である。
イスラエル軍当局は「クリーニング」とか「モップがけ」といった言葉でレバノン南部を掃討するといっているが、実際に「モップがけ」しているのはヒズボラの方。
たとえばヒズボラは12日夜、イスラエルの軍用ヘリを撃墜し、イスラエル軍は救助に向かったが、昨夜(13日夜)現在、現場にたどり着けないでいるではないか。
フィスク記者によれば、ヒズボラの最高指導者、ナスララ師は12日に、こう言ったそうだ。
ヒズボラの戦士はリタニ河の河岸で待ち構えている(さぁ、かかって来い!)
仕掛けた罠で、過去3時間以内に20人ものイスラエル兵を殺したぞ!
今後の戦況の行方については、フィスク記者に聞くまでもない。
イスラエルは面子にかけてもレバノンを撤退できないから、地上部隊は南部に踏みとどまる。
それはヒズボラにとって、願ってもないチャンスの到来。
「ゲリラ戦争」の幕開けである。
イスラエルはそれでもなんとかヒズボラの息の根をとめようと、空からの攻撃を激化させるだろう。
米軍がかつてベトナムで、いまイラクでしているように。
しかし、地上ではゲリラ戦の勝ち戦(ヒズボラ)と負け戦(イスラエル)が「同時進行」していくだろう。
その「終末」には、「破局」しか待ち受けていないのか?……
フィスク記者は記事の最後を、こんな一文で締めくくっている。
「悲劇的なことに、そしてあらゆる当事者にとって致命的なことに、ほんとうのレバノン戦争は、きょうこの日、まさに始まった」
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http://news.independent.co.uk/world/fisk/article1219037.ece
机の上の空 大沼安史の個人新聞
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2006/08/__4816.html