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□「宗派間抗争」が企むイラク分割のシナリオ/ロサンゼルス・タイムス [イラク情勢ニュース]
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URUKNEWSイラク情勢ニュース (転送・紹介歓迎)
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2006/08/10(木)
[飛耳長目録 today'snewslist]
☆「宗派間抗争」が企むイラク分割のシナリオ
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☆★イラク分割に動くシーア派
ShiitesPressforaPartitionofIraq
ロサンゼルス・タイムス 2006年8月9日付
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http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-partition9aug09,0,2716106.story?coll=la-home-headlines
連邦制導入が暴力を抑制する、と連邦制支持者は言う。だが他の者に言わせれ
ば、石油資源の掌握がその本音である。
ByBorzouDaragahi,TimesStaffWriter
バグダッド発: 彼らは新しい憲法と新しい政府と新しい軍隊を手にした。し
かし絶え間のない宗派間の流血事件に直面し、はたして暴力を止める唯一の方策
が国の再建であるかどうか、イラク人は初めて公然と議論を開始した。
イラクのシーア派教徒が形成する政治ブロックの指導者は、争っている宗派を
分離する手段として、イラク分割という急進的な計画を積極的に促進し始めた。
イラクの政治勢力のなかには、ベルリンの壁のようにチグリス川で首都バグダッ
ドを分割する案を話している者さえいる。
※訳注: この記事でシーア派、スンニ派というのは傀儡(かいらい)政府に
入っている政治勢力を指すもので、米・欧の商業主義メディアの多くが報道する
ような形で各宗派の民衆レベルまでがそのように宗派意識で分断・対立している
わけではない。
シーア派勢力は、クルドが北部に独自の防衛力と石油探索の権限を持つ領土を
15年保ってきたように、南部になんらかの自治権をもつことに長年賛同してき
た。そして新憲法は各州が連邦を形成する地域ブロックにまとまることを許して
いる。しかし、閣僚と聖職者、コラムニストによって公表された最近の内容から
すると、彼らは初めて、暴力の抑制策として地域分割を持ち出してきた。
イラク分割を求める主張は、国の治安、経済、政治の問題が多くのイラク国民
にとっていかに差し迫ったものになっているかを説明するものだ。最近まで、8
5年もさかのぼってイラクの地図を描きなおすという発想は愚かなことと見なさ
れてきた。
イラク分割を支持する者のなかには、暴力を減らすことを考えれば連邦制は唯
一の手だてだと論じる者もいる。
しかし他の者は、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のハキムが
示す案を支持している。ハキムは平穏な南部9州を1つの地域とすることに賛同
しており、イラクの確認済み石油資源の60%がそこに属する。
スンニ派指導者は、シーア派の新たな動きは暴力の急増を石油掌握に利用しよ
うする貪欲(どんよく)さ以外の何ものでもない、と見ている。
イラクの石油は北部と南部に集中しており、スンニ派の西部および北西部の多
くは石油もガスもない荒涼とした砂漠地帯である。
それゆえにスンニ派アラブ人政治家であるアドナン・ドレイミは、「これらの
地域(南部9州)を支配することで、彼らは石油資源を搾取することのできる未
来を描くのだ」と述べた。「彼らの動機は権力と支配欲だ」。
しかし、統一イラクを望むナショナリストでさえ、宗派主義者の争いは統制の
きかないものとなり、チグリス川に沿ってバグダッドを大ざっぱにシーア派の東
部とスンニ派の西部に分けようという議論さえ公然と現れていることを認めた。
スンニ派の政治家アンマル・ワジュイは、「スンニ派もシーア派もバグダッド
分割が解決策となるだろうと感じ始めている」と話した。
批評家たちは、スンニ派とシーア派を地理的に分割すれば国が安全になる、と
いう発想を一笑に付す。イラクのアラブ諸州を宗教で分かれる州に切り張りする
のは、1947年にパキスタンとインドを分断したような大変動だと警告する者
もいる。
イラクの状態を宣戦布告のない内戦状態と認めるイラク人が増えつつあるもの
の、イラク分割は「実際に暴力を増大させ宗派的な再配置に導く」ことになるだ
ろう−−バスラ出身の元国会議員で政治科学者のフセイン・アサブが指摘した。
イラク分割に批判的な者は、政府内の諸政党と結びついたシーア派民兵が(ス
ンニ派ゲリラと同じように)イラクの暴力事件の犯人であると見ており、彼らが
別の者たちに銃をむけていることは知られている。
ワジュイは、「彼らはいつも和解とか暴力を拒否すると言うが、ほんとは真剣
ではない」と指摘する。「治安問題や暴力が深刻化すると、いつでも、彼らは連
邦制論議を持ち出す」。
米国大使館の広報官はこのような問題に公式にコメントするのを控えている。
しかし米国の国会議員はイラク分割という抗争を温め始めた。民主党の外交問題
を主導するジョセフ・R・バイデン上院議員(デラウェア選出)は、今年になっ
て、このような動きを公然と支持し始めた。
イラク憲法のもとでは、18のそれぞれの州あるいは州グループが連邦を構成
する1つの地域となって住民投票をおこなうことができる。しかし、その条文は
「連邦」の定義をあいまいにしている。クルディスタンにおいては、「連邦」と
は、3つの州がグループとなって、独自の軍隊、諜報機関、首相、石油省を持つ
自治領を形成する、という意味である。
クルド人の経験はシーア派の多くの指導者、特にハキムを魅了してきた。ハキ
ムに従う聖職者は既に金曜礼拝や街頭デモの場で、南部地域の自治が流血を止め
繁栄をもたらすとシーア派の大衆に宣伝している。
先月、ナジャフの金曜礼拝において、シーア派の聖職者サドルッディン・クバ
ンチは、「連邦制を恐れる者は、われわれが権力を取り戻すことを恐れているの
だ」と述べた。
シーア派の日刊紙『アル・アダラ』は、7月30日付のコラムで、「なぜ、今
でないのか? イラクに連邦制を樹立することは時間との競争である」と書いた
。
ハキムの右腕の1人であるハイセム・フセインは、ハキムの顧問が既に連邦下
での権限と領土的境界について草案づくりに着手したと話した。1つの案では、
クルド人のペシュメルガがクルド地域の治安部隊の核を形成しているように、イ
ラクにおける暴力事件の犯人と見なされているシーア派民兵が、(連邦を構成す
る)地域の治安部隊に就任することになる。
ナシリヤ出身のシーア派議員ムフリス・ザメルは、「われわれはシーア派国家
を作りたいのではなく、国の中にさらに国を作りたいのでもない。しかし自分た
ちのことは自分たちで運営したいのだ」と述べた。
議事堂では、スンニ派の政治家が、シーア派はみずからの案にそって強い態度
に出ようとしている、と批判した。
スンニ派連合のメンバーとして国民議会に出ている元法律学者サリム・アブド
ッラー・ジャブリは、「彼らは、好むと好まざるとにかかわらず、連邦制が唯一
の解決策だと確信したいのだろう」と話した。
多くの者が、シーア派の唱えるイラク分割は苦しく衝撃を伴う行程になるだろ
う、と、一致して認めている。
イラクのほとんどすべての大部族はシーア派とスンニ派の両方を抱えているし
、宗派を超えた結婚も多いのである。
首都バグダッド、ディヤラ州、バビル州北部、サラハッディン州南部は完全な
混在地域であり、しばしばシーア派の村とスンニ派の村が入りくんでいる。南部
のバスラはスンニ派も多く、北部のモスルにはシーア派アラブ人、クルド人、ト
ルクメン人も相当数いる。
米国オークランドの研究所でアナリストをつとめるイワン・イーランドは、こ
れらの問題は解決可能だと話した。
「石油の共有問題も解決できる。切れ目のない境界線が必要だというのも間違
いである。君たちがわれわれの少数派を攻撃しなければ、われわれも君たちの少
数派を攻撃しない、という抑止力を持つこともできる」。
シーア派の政治家ディヤジン・ファヤゾは分割で生じる宗派の入りくみ問題に
別の解決策を提案した−−「もし住民がある地域の制度を気に入らなければ、彼
らは別の地域に行くこともできる」と。
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