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とりあえずガスパーチョhttp://www.mypress.jp/v2_writers/gazpacho/
米軍が軍事テーマパークを建設予定?!
http://www.mypress.jp/v2_writers/gazpacho/story/?story_id=1469100
カテゴリ:戦争と平和・政治経済 06年08月10日(木) 01:45
ガスパーチョ
軍事情報に詳しく鋭い分析をしているスパイク氏のサイト『スパイク通信員の軍事評論』を閲覧していると、ビックリ仰天するような情報に出くわした。バージニア州フェアファックス郡フォート・ベルボアに建設予定の国立米国陸軍博物館の隣に、何と、軍事テーマパークを作ると言うのだ。(「軍隊のテーマ・パークに米陸軍が協力」参照)
米国陸軍協会(AUSA)サイト内の記事「U.S. Army National Museum Activated at Fort Belvoir, Va.(バ州フォートベルボアで米国陸軍国立博物館が活動開始)」[cache](2003年10月20日記事)[自動翻訳]によれば、博物館建設にあたって、ディズニーとユニバーサルスタジオがこの企画案に協力しているという。スパイク氏の記事と彼の引用するMilitary.comの記事「Army Considers Military Theme Park(陸軍、軍事テーマパークを計画)」[cache](8月8日)[自動翻訳]によれば、4Dライド型アトラクション施設が導入され、M-1戦車や攻撃ヘリ・コブラに搭乗した気分が味わえたり、戦闘の疑似体験も出来るらしい。4Dという事は、腐乱死体や血の臭い、血しぶきなどを再現するとでも言うのだろうか。その技術に関してはまだ完成していないが、実戦訓練シミュレーターの技術は相当高度にバーチャル戦闘を体験出来るらしい(『Hotwired Japan』の2004年12月19日記事「米軍実戦訓練シミュレーターは「軍事テーマパーク」」[cache]参照)から、作り込めば相当リアルになるだろう。併設されるホテルにも趣向が凝らされ、「第1師団のラウンジ」なるバーが出来る予定だそうだ。
我々平和憲法を掲げる日本人からすれば、とんでもなく不謹慎であり、とても出来ない発想だ。テーマパークを楽しむのは、基本的に子供なのである。子供に人殺しの道具に親しんでもらうなど、私個人としては自分の子供には絶対にさせたくない。このような動きは、昨今の兵士不足に頭を悩ませる米軍の、勧誘の一環として考えられたのだろうが、余りにも酷い。尚、同じようなものとして、「America's Army」なる米国陸軍認定の公式ゲームがある。リアルな戦闘シーンが売り物だそうで、公式サイトでこのゲームソフトを無料配付している。このように米軍は子供を感化させるのに必死で、あらゆる手段を講じて国民を入隊させたがっている。
だが、テーマパークを作るにしても、そもそもバーチャル戦闘体験をするならば、敵はどうなるのだろうか。やはり現在の情勢を反映してアラブ人テロリストだろうか。あるいは100%正義の戦いと認識されている第二次世界大戦が舞台で、愛国心を高めた勝利と認識されている「硫黄島の戦闘」を再現するとでも言うのだろうか。どんな戦闘にせよ、敵に設定される人種には良い気分ではない。だからと言って敵をロボットにすれば、丸っきり「ターミネーター2:3−D」である。やはり最終的には軍事教練の再現のようなものとなるのであろうか。
さて、このテーマパーク建設に関して他に情報はないかと探してみたら、AP通信(Associated Press)が8月8日付けで「Army Rejects Military Theme Park Idea(陸軍、軍事テーマパークのアイデアを拒絶)」[cache]という記事を報じている。それによると軍の担当者キース・イースティンは「提案は、…提出時に即座に却下され、再提出された場合も即座に却下されるだろう」と語ったという。また、幾つかの訪問客誘導のコンセプトがあっても構わないが、それは「趣味の良い適切な方法」でなければならないとも言っているそうだ。他にも、戦争体験をアトラクションにする事に対しては、これは軍隊経験を軽視しバカにするものであるという元空軍大佐からの批判も載せられている。
上記記事が正しく、テーマパーク建設が却下される事を願いたい。アメリカでは軍隊というものがこれ程身近な存在だという事を、改めて感じさせるニュースである。
ちなみに、中国にも軍事テーマパークがある。『明思克航母世界(Minsk World)』というもので、旧ソ連軍の退役空母「ミンスク」が展示の目玉である。だが、親会社の負債により経営破綻し、競売にかけられる事になったという(『人民網日文版』2月17日記事「深センのミンスク空母ワールド、来月競売に」参照)。