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「靖国、憲法は話さないで」 被爆者に相次ぎ自粛要請
2006年08月09日00時06分
長崎市の外郭団体・長崎平和推進協会(推進協)が、長崎の被爆者に対して「政治的発言」の自粛を要請した問題は、推進協が方針を撤回する形で決着したが、長崎県外に在住の被爆者たちも、同様の経験をしてきている。政治を抜きに被爆体験を語れるのだろうか。
群馬県原爆被災者の会の須藤叔彦(としひこ)会長(77)は昨年、県内の自治体から戦没者の慰霊式で長崎での被爆体験を話してほしいと頼まれた。職員は「靖国神社や憲法の問題に触れないでほしい」と付け加えた。せっかくだからと条件をのんだ。
普段は憲法の話をする。「戦争は懲り懲りだという思いから新憲法が生まれた」と。慰霊式で話す中身を思案していた時、電話が鳴った。「申し訳ないが、今回は遠慮してほしい」。会場でトラブルになるのを心配したのか、特定の団体の意向を気にしたのか。理由は今もわからない。
「政治色のない被爆証言なんてあり得ないんじゃないか」。広島で被爆した長野県原爆被害者の会の前座(まえざ)良明会長(85)は言う。数年前、被爆体験を話すため招かれた高校で、校長に「政治色のある話は控えてほしい」と言われて反論した。熱かった、痛かった、鼻血が出た、下痢をしたと被爆時の状況を語るだけでは、「ああそうですか」で終わってしまう。
神奈川県原爆被災者の会の中村雄子事務局長(74)は、他県から広島での体験の証言を頼まれた昨年、「政治的な話を心配する人がいる」と言われ、心配ないと答えた。
自分の話は政治的だと思っていないからだ。政治的な話に違和感を持たれると、被爆証言が台無しになってしまうのではないかと考える。でも、いかに戦争が人権を無視するかは伝えたい。「聞く人に証言を自然に受け止めてもらえればいい」
長崎市の語り部の一人、森口貢さん(69)は被爆者の発言を規制するのは越権行為だと思っている。「被爆体験から出発して戦争への異議を述べる時は、いろんな問題に触れる。私たちは昔話ではなく、現在と未来につながる話をしている。平和を語る言葉にタブーはないはずだ」
http://www.asahi.com/national/update/0808/TKY200608080450.html