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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060809k0000m030072000c.html
【カイロ高橋宗男】国際社会が停戦に向けた協議を続ける中、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとイスラエル軍の戦闘はさらに激しさを増している。中東最強と言われるイスラエル軍の集中攻撃にもかかわらず、頑強な反撃を続ける民兵組織の力の源泉はどこにあるのか。
「今はしがない運転手だが、必要ならすぐに駆けつける」。今回の戦闘が始まる半年前、ベイルートで乗車したタクシー運転手が元ヒズボラ兵士だとすごんだ。ヒズボラの専従民兵は500人から600人程度と言われるが、軍事訓練を受けた予備役的な戦力は5000人以上に上るという。一大事となれば一般市民が武器を取る。市民と兵士の境はあいまいだ。住民の支援に支えられた神出鬼没のゲリラ戦術がヒズボラの力の源泉だ。
ヒズボラはアラビア語で「神の党」という意味だ。イスラエルのレバノン侵攻(82年)を機に、東部ベカー平原のバールベックでイランの革命防衛隊の指導を受けて結成された。
ロンドン発行の汎アラブ紙アッシャルク・アルアウサトによると、革命防衛隊首脳に近いイラン軍事筋は(1)85年にミサイル隊を結成(2)ゲリラ戦、ミサイル操作など3000人以上に特別訓練を実施−−などヒズボラ兵士へのイランからの支援を明らかにした。
装備面でもイランからの支援は際立っている。この軍事筋は同紙に、92年から05年までカチューシャロケットなど約1万1500発が供給されたと述べた。また先月13日夜にイスラエル哨戒艇攻撃に使われたのは「イランが送った中国製レーダー誘導式対艦ミサイルC802のコピーだ」と語っている。
イスラエルは、主要経済都市テルアビブを射程に入れるイラン製やシリア製のミサイルが、すでにヒズボラに供給されているとみて警戒を強めている。また、これ以上の兵器供給を行わせないため、シリアからのルート上にある道路や橋への攻撃やトラックへのピンポイント爆撃を続行している。
だが、イスラエル軍の圧倒的な戦力による大規模攻撃にもかかわらず、イスラエル北部にはヒズボラ側から1日100発以上のロケット弾が撃ち込まれる。イスラエル側はヒズボラのせん滅は不可能との見方に立ち(1)レバノン南部からのヒズボラの排除(2)安全保障地帯の設置による短射程ロケット攻撃の無力化−−という現実的な目標に方向転換している。
毎日新聞 2006年8月8日 19時44分 (最終更新時間 8月8日 19時54分)